金曜日、ドル円は日中上昇基調を継続し、全く円安が止まらない動きになっていた。そしてドル円が151円台後半まで一気に上昇したタイミングで昨日ドル円は急落を始め、一時146円台まで下落する動きとなった。
この動きは為替介入だと考えられているが、財務省からは明確に為替介入を行ったという発言は出ていない。しかし、アメリカと口裏を合わせていたのではないかと思われる事象があるため併せて解説していく。
下記はドル円とドルインデックスの動き。
またドルロングのポジションと円ショートのポジションが積み上がっていたことからも、ドル円ロングの巻き戻しのフローを起こさせて下落圧力を加えたことが予想できる。
介入資金は前回の9月に行った3兆円を大幅に超えていると言われている。また、今回介入した時間はロンドン勢が週末で帰宅するタイミングで流動性が低い時間帯を狙ったそうで、NY時間でもロンドン勢を意識した介入でとも考えられる。
次に気になった動きについては、ドルインデックスも同じタイミングで下落している点。
このタイミングでWSJから、次回のFOMCで利上げペースを緩めることを検討すると報じられた。現在はFOMC前のブラックアウト期間でもあることから、WSJがリークしたのではないかとも噂されている。
今回は、週末のNY時間での介入はないだろうという投資家の思惑や、まさかの同じタイミングでの絶妙なWSJからの記事が出たことで、口裏を合わせていたのではないかと考えられるタイミングとなった。
FRBメンバーのタカ派的なスタンスが変更になる可能性があるとの思惑から、株式市場は上昇し、米国債金利は低下する動きとなっている。
上記の図を見ると、介入したタイミング前から金利は低下し始めており、株式市場は為替介入を行ったタイミングから株高に転じていることがわかる。
ECBは為替介入を行っていないというコメントを発表しているため、日本の単独介入だったことがわかるが、今回の動きを見るとアメリカの許可を得て行ったことがわかる。
しかし、単独介入である時点で効果の持続性には疑問符が残り、また押し目で買っていきたい投資家が多いことから、再度150円まで反発する見方が強い状況であることから、今週はどこでドル円を買っていくかが勝負となるだろう。
中島 翔
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