昨日は株式市場が大幅に反発。背景として、ISM製造業景況感指数が予想外に悪化したことが背景として挙げられる。数字は以下の通り。
・景況指数 50.9(予想:52.0 前月52.8)
・新規受注 47.1 (前回:51.3)
景況指数が予想以上に悪化する数字となり、前月よりも大幅に低下した。そしてISM製造業景況感指数では節目である50.0を割り込む勢いで低下し続けている状況だ。
新規受注は47.1となっており、節目の50を大幅に割り込んでいる。先行指標とも言われる数字でもあり、この点を焦点に市場が反応したと考えられる。
分野別では9分野で活動拡大となっているが、家具や繊維、木材製品などの7分野は縮小する動きとなっている。足元の住宅市場の急落が起因しているか。
雇用や入荷遅延の指数も低下している。雇用に関しては、一部の分野で人員余剰し始めているという話もあり、インフレ抑制を考慮すると良い動き。
受注残は20年以来の水準まで低下し、サプライチェーンの混乱も収まる気配を見せ始めているということは、FRBのタカ派的なトーンが縮小する材料の一つとなる可能性がある。
※図はTradingViewより筆者作成
市場の反応は米国金利が低下、ドル安となった。株式市場では、タカ派姿勢が後退する可能性を理由とした短期的なショートカバーが入ったか。
株式市場は売られすぎていた側面もあるため、この程度の上昇は特に違和感はない上昇幅であり、今週の雇用統計までにどこまで戻すかが勝負となりそう。
ゴールドもドル安と逆相関のため綺麗に上昇。1,700ドルを突破した。
ドル円はNY時間まで145円台前半まで上昇していたが、先日行った介入ラインまで到達しており、市場はどこで止めに入るのか気にしながらの上昇となっていた印象で、鈴木財務相が円安牽制発言を行ったこともドル円の下落に繋がったか。
しかしあまり長続きはしておらず、再度本日144円台後半まで戻している。ドル円が145円を突破するのは時間の問題かもしれない。為替介入を同じ水準で行うとは思えないため、次に気にするべき水準としては146~147円あたりとなるだろう。
中島 翔
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