昨日、CPIが発表された。内容は、①CPI(前年同月比):+8.2%(予想 +8.1% 前月+8.3%)②CPI(前月比):+0.4%(予想 +0.2% 前月+0.1%)③コアCPI(前年同月比):+6.6%(予想 +6.5% 前月+6.3%)④コアCPI(前月比):+0.6%(予想 +0.5% 前月+0.6%)となった。
内訳は、食品やヘルスケア、そして帰属家賃の上昇が大きく見られ、総じて予想を上回る結果に。最初のマーケットの反応は、タカ派姿勢が強まると判断されたため株式が急落。米国債金利は短期ゾーンを中心に上昇する展開となった。
しかし、その後株式市場は急激に反発する動きとなり、大きな下髭をつける形で急反発した。
この背景としては、CTAという短期筋の投資家がCPIを受けて大きくショートを積んだことによるものだ。その後、買い戻しを余儀なくされたフローや、コアCPIは前月から上昇しているが、CPIは前月から若干の低下を示しており、また予想との乖離は0.1%のみであることから、下落余地は限定的と見られた様子だ。
既に、先週の雇用統計発表から下落が大きかったこともあり、ポジションは短期的にショートが溜まっていたのだろう。利益確定の買い戻しと、ストップロスが重なったと考えるのが自然なのではないか。
また、為替市場ではドル円が147円台後半と1998年の高値に到達し、その後は一気に介入かのように146円台前半まで下落。
ドル円は再度147円台に反発するという乱高下が発生しており、介入かという思惑もあったが継続性がなく、単純に歴史的な高値に到達したことで下落が加速したのではないか。
昨日は2年金利が4.48%付近まで上昇するなか、チャートの通り実はあまりドル高が進んでいない。米ドルも対主要通貨に対してそこまで変わらず、金利の上昇についていけていない動きとなっている。
上記はドル円(青)だけ上下反転しており、上にいくとドルが売られているというチャートになっている。他についても、CPI以降に売られていることがわかる。また、金利は上昇しているが株高となっており、それぞれのアセットクラスがばらばらの動きとなっていることはポイント。投資家が次の動きに迷っているのではないかと予想される。
筆者の見解としては、昨日の反応が短期的なフローが入り混じっているため難しいところがあるが、ドルに関しては一旦利上げ織り込みが進むなかで売られていることから、この試合は短期的に続くのではないかと考えている。そのため、ドル売りを中心にポジションを組み立てることがいいと考えている。
中島 翔
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