9月22日の日銀政策決定会合で金融政策が発表され、市場の予想通り大規模緩和の現状維持と決定。またコロナ対応の資金繰り支援延長も決定しており、これまでの緩和路線を維持することとなった。
その他決定したことは下記の通り。
・イールドカーブコントロールは変更なし。短期金利はマイナス0.1%で長期金利を0%とすることを維持し、10年国債は0.25%を上限として定めて買い入れオペを行う
・コロナ融資のプロパー融資の部分は来年3月末まで、制度融資は今年の12月末まで延長
・共通担保オペは金額無制限で引き続き行う
というもので、特にサプライズはなかった。
黒田総裁の会見でのポイントは下記の通り。
・日本経済の景気は持ち直している
・物価は年末にかけて上昇していくと予想している
・日銀としては、現在の物価上昇というのは賃上げが伴っていない物価上昇であり、一過性の動きである
・政策金利の引き上げ当面はない
・現在の為替市場における円安進行は中小企業にとっては悪影響を与えており、日本経済にとってはマイナス
・円安が利益に繋がっている大企業も多く、そのような企業が賃上げを行うことによって消費者の所得向上に繋がるだろう
・急速な円安進行は日米金利差の要因だけではなく、投機的なフローも入っている
・物価の安定は再来年になっても難しいだろう
・政府から日銀への協力要請はなかった
会見では、リアルタイムの記者からの質問で、何時ごろ金融政策を引き上げることを検討する可能性があるか、物価上昇と円安に関しての質問が色々な角度から起こっていた。何かしらのコメントを引き出そうとしていたが、黒田総裁はこれまでの意見を淡々と述べるに留まった。
黒田総裁の会見を受けて、ドル円は円安進行に拍車をかけており、144円台から一時1998年につけた146円手前まで上昇していたが、ここで警戒されていた為替介入のフローが入り、一気に140円台まで急落。
ドル売り円買い介入は1998年以来、24年ぶりの介入であり歴史的な日となった。
今回は日本の単独介入でもあるため、単独介入は失敗するということが市場での見解となっていることから、引き続き押し目をどこで買っていくのかという点を考えている投資家が多いだろう。
上記は介入があったタイミングのチャートを示しており、値動きが大きくなっている。次にFXで利益を出すには、介入だけでトレンドを転換させることはできないことから下記のような1998年のチャートを描くのではないかと予想している。
戦略としては一気にポジションを取るのではなく、ゆっくりとポジションを増加させながらトレンドが崩れないかを確認しながらエントリーすることがいいだろう。
中島 翔
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