「長期的な資産運用を」と言われることが多い昨今ですが、「投資は難しそう」「損はしたくない」など、始めるのに躊躇する方も少なくありません。
LINE証券は、普段使っているLINEのアプリから手軽に投資ができる初心者向けのサービスです。
今回は、このLINE証券の特徴やメリット・デメリット、評判などについて詳しく解説していきたいと思います。長期的な資産形成や手軽に始められる投資に興味のある方は参考にしてみてください。
※LINE証券は事業撤退のため、新規受付を速やかに終了し、すでにユーザーが契約している株式や投資信託は野村證券に移管されます。なお、CFDは移行を停止し、2023年12月までに決済されます。
目次
- LINE証券とは?特徴・メリット
1-1.LINEアプリから手軽に利用できる
1-2.投資信託は1口100円、株式は1株数百円からの少額投資が可能
1-3.投資信託の購入手数料はすべて無料
1-4.株のタイムセールで他の証券会社よりも安く株が買えることも
1-5.LINE Payからの入出金やLINEポイントでの投資が可能
1-6.つみたてNISAやiDeCoが利用可能
1-7.FXサービス「LINE FX」も利用可能 - LINE証券のデメリット・注意点
2-1.大きな収益を狙うには不向き
2-2.単元未満株(1株)の場合はスプレッドに注意 - 他の証券会社との違い
3-1.専用アプリがなく、LINEアプリから利用できる
3-2.口座開設がスマホから可能
3-3.ライトユーザー向けに特化されている - LINE証券の評判・概要
- LINE証券の口座開設までの流れ
5-1.本人確認書類の準備
5-2.個人情報の入力 - まとめ
1 LINE証券とは?特徴・メリット
LINE証券の会社概要・サービス
サービス名 | LINE証券 |
URL | https://line-sec.co.jp/ |
運営会社名 | LINE証券株式会社 |
本社所在地 | 東京都品川区西品川一丁目1番1号 住友不動産大崎ガーデンタワー22階 |
設立 | 2018年 |
代表取締役 | 代表取締役 Co-CEO 正木 美雪、代表取締役 Co-CEO 米永 吉和 |
資本金 | 16億円(2023年10月時点) |
株主構成 | LINE Financial株式会社:51% 野村ホールディングス株式会社:49% |
上場有無 | 非上場 |
自己資本規制比率 | 1,340.5%(2020年9月30日現在) |
サービス開始年月 | 2019年8月 |
投資対象 | 国内株1000銘柄、国内ETF15銘柄、投資信託30銘柄、IPO |
購入手数料(投資信託) | すべて無料 |
最低投資金額 | 株式投資は1株数百円から、投資信託は1口100円から |
入金方法 | 銀行振込、LINE Pay、LINEポイント充当 |
LINE証券に関するニュース
LINE証券とは・サービスの特徴
LINE証券は、LINE証券株式会社が運営する非対面式の証券サービスです。LINE証券は、野村證券の親会社である「野村ホールディングス」とLINEの子会社である「LINE Financial」が共同開発し、資本金200億円の財務状況とLINEによる顧客基盤を背景に利用者が増えています。
LINE証券のサービスの特徴やメリットを以下で見ていきましょう。
1-1 LINEアプリから手軽に利用できる
LINE証券は、スマホのLINEアプリから簡単にアクセスすることができる「手軽さ」が特徴です。他の証券サービスのように専用アプリをインストールする必要がなく、LINEアプリのウォレットタブからアクセスすればすぐに投資を始められます。普段の慣れたUI(ユーザーインターフェース)で利用することができる上、銘柄の選択から購入数の決定、入金などが数回のタップで完結するため、操作も簡単です。
面倒な銘柄選びも極力簡単にするなど、LINEというコミュニケーションサービスの延長上に投資を位置づけ、サービス全般にわたって「手軽さ」を追求しています。
1-2 投資信託は1口100円、株式は1株数百円からの少額投資が可能
LINE証券では、数百円からの少額投資が可能です。株式の場合は1株単位・数百円から購入が可能で、投資信託の場合は最低100円から1円単位での投資が可能になっています。
単元株未満の場合であっても、持ち株数に応じた配当金もきちんと支払われるため、少額でありながら配当を狙った投資を始めることが可能というメリットもあります。また、株式の信用取引を行うことも可能です。
また、2021年5月12日にはIPO(新規上場株)サービスの開始も発表されています。
1-3 投資信託の購入手数料はすべて無料、信用取引ではインターネット取引の場合、売買手数料が無料
LINE証券では、投資信託の購入手数料がすべて無料という大きなメリットがあります。また、スイッチング取引が可能なブル・ベア型ファンドについては、スイッチング手数料0円で取引可能です。(14:50までに注文することで、売りと買いの同日取引を行うことが可能です。)また、積立投資についても、ブル・ベア型ファンドを除く25銘柄の中から毎月1,000円でつみたて可能ですので、長期的にコツコツと資産形成していきたい人にとっても利用するメリットがあります。
また、LINE証券の現物株の取引手数料は下記のようになっています。(2021年9月時点)
約定代金 | 手数料(税込) |
---|---|
5万円 | 55円 |
10万円 | 99円 |
20万円 | 115円 |
50万円 | 275円 |
100万円 | 535円 |
150万円 | 640円 |
3,000万円 | 1013円 |
3,000万円超 | 1070円 |
なお、単元未満株(1株)の場合、株式・ETFの取引コストは、銘柄、取引時間ごとにスプレッドが異なります。
LINE証券での信用取引についてはインターネット取引の場合、売買手数料が無料となっており、ネット証券の中でもコストメリットの大きい証券会社となっています。
1-4 株のタイムセールで他の証券会社よりも安く株が買えることも
LINE証券では、株のタイムセールを実施することがあります。参加条件を満たしている場合に、対象銘柄を3%・5%または7%OFF(2021年3月時点)で、銘柄ことに決められた上限株数まで購入することができます。銘柄は最低5銘柄が選定されます。
株のタイムセール前日までに口座開設を完了させて購入資金を用意しておく必要があるので、注意しましょう。
1-5 LINE Payからの入出金やLINEポイントでの投資が可能
LINE証券では、スマホ決済サービスであるLINE Payを通しての入出金や、LINE内のサービスで使われるLINEポイントを使った投資が可能です。LINEのサービスを普段から活用しているユーザーなら、貯まったポイントを投資に回すことで現金を使わずに始められます。
このようにLINE証券はLINEアプリを通し、他のLINEサービスとシームレスに移行することができる設計になっており、より手軽に投資を始められます。
1-6 つみたてNISAやiDeCoが利用可能
LINE証券では2022年2月から「つみたてNISA」の提供を開始しました。毎月1000円と少額から積み立て投資ができて、LINEポイントの利用も可能です。LINE証券で人気の「eMAXIS Slim」シリーズや、つみたてNISA専用商品の「野村スリーゼロ先進国株式投信」への投資ができるメリットもあります。
引き落としは「LINE Pay」の残高、またはLINE Payに登録されている銀行口座の選択ができ、引き落とし予定などをLINEで通知、入金忘れを防ぐこともできます。ただし、LINE Payのチャージ&ペイや「Visa LINE Payクレジットカード」は引落し方法として使用できません。
ポイント利用については、積み立て設定時に「LINEポイントを利用する」にチェックを入れることで貯めたLINEポイントを1ポイント=1円で利用可能で、LINE Payなどで貯めたポイントでつみたてNISAで投資ができます。
また、iDeCoについても野村証券株式会社が運営するiDeCo(個人型確定拠出年金)に加入できる「LINEのiDeCo」を提供しており、利用が可能です。
1-7 FXサービス「LINE FX」も利用可能
また、LINE証券が提供する「LINE FX」というFXサービスもあります。こちらは最短3分間で口座申し込みができる手軽さや低スプレッドでの取引ができる点、FXの重要な情報をLINE通知で受け取れるなどのメリットがあります。
LINE証券のセキュリティへの取り組み
- LINE証券専用の取引暗証番号の設定
- 有価証券や預り金を、法令に従い「分別保管」
- 万が一の分別金の不足に備え、「日本投資者保護基金」にも加入
- 「特定個人情報の適切な取扱いに関するガイドライン」に準拠した管理
2 LINE証券のデメリット・注意点
手軽に少額から取り組めるLINE証券ですが、デメリット・注意点もあります。こちらも詳しく見ていきましょう。
2-1 大きな収益を狙うには不向き
LINE証券では、最大でも投資できる金額は各銘柄1,000万円までと制限があります。分散投資はできますが、集中投資はできない点に注意しましょう。
2-2 単元未満株(1株)の場合はスプレッドに注意
LINE証券の単元未満株取引は手数料がない一方、スプレッド(実質的な取引コスト)が発生します。
また、一般的な証券会社の取引手数料と比較すると高い水準ではありませんが、多くの証券会社ではヘビーユーザー向けに取引回数無制限の定額サービスがある一方で、LINE証券では定額サービスが存在しません。何度も細かい取引を繰り返すデイトレーダーや多くの銘柄で売買を行っているユーザーは、スプレッドの支払い額が大きくなりやすい点に注意したほうが良いでしょう。
3 他の証券会社との違い
LINE証券は一般的な証券会社と大きく異なったサービスです。どのような点に違いがあるのか、ポイントを絞って紹介します。
3-1 専用アプリがなく、LINEアプリから利用できる
LINE証券では、他の証券会社のサービスと異なり、独自の専用アプリがありません。新たにインストールせずとも、すでに利用されているLINEアプリからすぐに利用することができるからです。そのため、別途認証用のIDやパスワードなどを確認・保存する必要もありません。
セキュリティはLINEのアカウントによってすでに担保されているため、余計な認証作業などを経ずにすぐに利用することができます。専用のアプリが無いので、ホーム画面にアプリのアイコンが散らかることもなく、インストールやアップデートのために通信量が圧迫されることも少ないでしょう。
3-2 口座開設がスマホから可能
LINE証券では、口座開設がスマホから行えるようになっています。必要な情報の入力や本人確認書類の提出などをスマホだけで行うこともできるため、パソコンを用意したり、面倒な郵送による書類のやり取りを行ったりする必要がありません。そのため、最短翌営業日から取引可能となっており、他の証券会社よりも口座開設が早く完了します。
※スマホで手続きを完結したい場合は、運転免許証とマイナンバー通知カードもしくはマイナンバー個人番号カードが必要となります。
3-3 ライトユーザー向けに特化されている
「投資は興味があるけど、大きな額を投資するのは怖い」という方は少なくありません。そのようなライトユーザーにもLINE証券のサービスは向いています。投資するための金額は最低100円からで、現金を使わずにLINEポイントやLINE Payを使って投資することも可能です。
また、単元未満株では有名企業1000銘柄を購入可能です。さらに、LINE証券では単元未満株の取引金額にあらかじめスプレッドと呼ばれる取引コストが入っているため、煩わしい手数料計算が必要ありません。少額からシンプルに始めたいという方のニーズを満たしてくれるサービスとなっています。
4 LINE証券の評判・口コミ
LINE証券のSNSには様々な意見や感想が寄せられているので、その一部をご紹介します。
「LINE証券は、UIや操作がわかりやすい」
「口座開設がオンライン完結だから簡単だった」
「銘柄を選ぶのがすごい楽。初心者だから助かる」
「タップだけで売買ができるので、そのうち誤操作しないか少し心配」
「余ったポイントをLINE証券で使えて便利」
「株のタイムセールで気になっていた銘柄を安く購入できた」
「LINE Payの支払いポイントももらえる」
※個人の感想です。サービスの詳細やキャンペーンなどの最新情報はLINE証券のウェブサイトで直接ご確認下さい。
LINE証券は、サービスやアプリの使い勝手がよく、初心者に優しいという評判が上がっています。文字のフォントやUIデザインなど、初心者や女性ユーザーにも好感される雰囲気が好まれています。
また、LINE証券は、LINEポイントを投資に利用できるため便利という声もあります。すでにポイ活(ポイント活動)のインフルエンサーの間では独自ノウハウも作成されており、ポイ活好きからも注目されています。
5 LINE証券の口座開設までの流れ
LINE証券の口座開設は簡単です。事前にLINEのアプリをインストールし、アカウントを持っていることを前提に口座の解説手順を紹介します。
5-1 本人確認書類の準備
本人確認書類として、以下を事前に準備しておきましょう。
- マイナンバー通知カード + 運転免許証
- マイナンバー個人番号カード + 運転免許証
- マイナンバー個人番号カード(顔写真つき)
5-2 個人情報の入力
LINEアプリを開き、ウォレットタブの「証券」アイコンをタップすると、個人情報の入力画面が出るので、必要な項目を埋めていきます。
「口座開設方法の選択」画面では、口座開設の方法をオンライン上の「かんたん本人確認」または「簡易書留受け取り」によって行うことができます。その後、本人確認書類のアップロードを求められるので、事前に本人確認書類をスマホで撮影しておき、撮影した画像をアップロードします。
なお、「かんたん本人確認」ではなく「簡易書留受け取り」を選択した場合、後日LINE証券から簡易書留で、登録確認用のQRコードがついたハガキが届きます。QRコードを読み取ってアクセスすると、口座開設が完了します。かんたん本人登録の場合は、この手順がありません。
口座開設手続きが完了すると、LINEアプリのウォレットタブ、「証券」アイコンからLINE証券の取引を行うことができるようになります。
まとめ
LINE証券は、コミュニケーションアプリであるLINEのアプリから気軽に投資を始められるサービスです。少額からの投資が可能なほか、LINE PayやLINEポイントなども利用しながら、投資初心者でも貯金をする感覚で投資を始めることができます。
普段からLINEを利用している方ならメリットの多いサービスなので、この記事を参考に利用するかどうか検討してみてください。
HEDGE GUIDE 編集部 株式投資チーム
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