56,584人から9.1億円超を集めた国立科学博物館が大賞受賞、第14回「日本ファンドレイジング大賞」

大賞の授与式(右:国立科学博物館 科学系博物館イノベーションセンター センター長 有田 寛之氏 左:日本ファンドレイジング大賞選考委員会 委員長・公益財団法人 日本非営利組織評価センター業務執行理事 山田 泰久氏)

2024年3月9日、認定特定非営利活動法人日本ファンドレイジング協会が実施した国内最大のファンドレイジングイベント「ファンドレイジング・日本 2024」のオープニングセッションで、第14回「日本ファンドレイジング大賞」表彰式が行われ、独立行政法人国立科学博物館が大賞を受賞した。

第14回「日本ファンドレイジング大賞」では、さまざまな領域で多様な活動に取り組む39団体が候補として推薦され、予選では選考委員会による厳正な書類選考の結果、「じょっぱりー看護の人花田ミキ」命の尊さを綴る映画作成プロジェクト/全国こども食堂支援センター・むすびえ/テラ・ルネッサンス/deleteC/国立科学博物館の5団体が「入賞」として選出。その入賞5団体の中から、認定・准認定ファンドレイザーによるウェブ投票によって、最多得票数を得た国立科学博物館が大賞に決定された。

国立科学博物館はコロナ禍による入館料収入の減少や物価高などの影響を受けて運営資金が危機的な状況にあるとして、2023年8月7日から11月5日までの期間で1億円を目標にしたクラウドファンディング「地球の宝を守れ|国立科学博物館500万点のコレクションを次世代へ」を実施。その結果、56,584人から9.1億円超を集めた。

画像出典:国立科学博物館のクラウドファンディングページより(READYFOR)

今回の大賞受賞理由は、「昨年一番印象に残った大きなニュース性のある取組みで影響力も大きかった。教育機関・教育研究及び博物館等の施設が国立であっても寄付を必要とし、ファンドレイジングの取組みを行っていること自体が大きなメッセージになったと考えられる」としている。

大賞の受賞を受け、国立科学博物館は「このたびは素晴らしい賞を賜り、大変光栄に思います。運営の危機から始めたクラウドファンディングではありましたが、私たちの活動を応援してくださる56,000人以上もの仲間がいると知ることができ、大変心強く思っております。当館の活動にご理解いただき、ご支援くださった皆様に改めて、心から御礼申し上げます。」

「当館は自然史・科学技術史に関する標本・資料を広く収集・保管し、展示や学習支援活動を通じて、幅広い世代の皆さまに科学の面白さ、奥深さを伝え、豊かな社会を作ることを目指しております。多くの方のご支援のもと、これからも博物館の社会的役割を果たすため、職員一同、より責任感を持って努力いたします。」とコメントした。

入賞とは別に、推薦団体の中から、ファンドレイジングに対する特徴的な功績が認められた、佐賀県/VALUE BOOKSの2団体が「特別賞」として選考委員会により選出された。また、今回のアワード協賛社である株式会社ファンドレックスからの推薦を受け、空飛ぶ捜索医療団 “ARROWS”/ふるさとチョイス「災害支援」の2団体が「協賛賞」として、選考委員会での了承を得て決定された。

日本ファンドレイジング大賞は、日本ファンドレイジング協会が2010年から先駆的なファンドレイジングの取り組みを行ったNPOや企業を称え、その活動を広く紹介することを目的に実施している。

日本ファンドレイジング協会の代表理事である鵜尾 雅隆氏は、ファンドレイジング・日本 2024と表彰式に関して、「今回はリアル会場でファンドレイジング・日本 2024のイベントと日本ファンドレイジング大賞の表彰式を実施することができた。このリアルの場だからこそ起こるインタラクティブな過程を通じて、お互いが勇気と知恵と仲間を得て、『自分もやれるんだ!』という自信と確信を得ていただければ」と笑顔を見せながら語った。

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