人口減少が進行する現代において、都市の構造は複雑な変化を見せています。その背景にある主要な現象が「都市のスポンジ化」と「地価の二極化」です。これらの現象はアパート経営にも多大な影響を及ぼしており、従来とは異なる多角的な立地分析が求められています。
本稿では、「都市のスポンジ化」および「地価の二極化」に焦点を当て、10年後も安定した収益を生むアパート経営を実現するための立地選定のポイントについて客観的に解説します。
目次
- 都市のスポンジ化とは
1-1.都市のスポンジ化は人口減少に起因する
1-2.家賃下落圧力などアパート経営にも影響 - 地価の二極化とは
2-1.地価が上昇するエリアの特徴は都市機能の集積
2-2.地価が下落するエリアの特徴は住宅需要の弱さ - 10年後を見据えた立地分析のポイント
3-1.生活利便施設の数ではなく「集積度」
3-2.人口動態は若年層の流入に注目
3-3.再開発・インフラ計画により将来性を評価
3-4.競合リスクは開発情報などで確認
3-5.用途地域から土地利用の柔軟性を確認 - 土地の仕入れに強いアパート経営会社
4-1.シノケンプロデュース - まとめ
1 都市のスポンジ化とは
「都市のスポンジ化」とは、空き家や未利用地が都市内部に点在し、街の構造がスポンジのように低密度化していく現象を指します。住宅や商業施設の撤退によって生活利便性が低下するエリアにおいて、特に顕著に見られる傾向です。
この結果、地価や不動産需要の二極化が進行し、同一都市内であってもエリア間の格差が拡大します。立地条件として「駅近」であっても空室が増加する、といった現象が生じる可能性も内包しています。
1-1 都市のスポンジ化は人口減少に起因する
都市のスポンジ化を引き起こす主要な要因は、人口減少と高齢化の進行です。生活利便性の高い中心部へ人口が回帰する一方で、駅から離れた住宅地などでは人口流出が続き、未活用の空き家や空き地が増加する構造となっています。
また、建物の老朽化や再建築不可物件の存在、あるいは事業化の採算が合わない小規模な土地区画が、再開発の障壁となっていることも要因の一つに挙げられます。このようにして、同一地域内で人口と都市機能の偏在が進行し、未利用地が点在する状態へと至ります。
1-2 家賃下落圧力などアパート経営にも影響
アパート経営において、都市のスポンジ化は賃貸需要の不安定化を招く重大なリスク要因となります。周辺環境において空き家や未利用地が増加すると、景観の悪化や治安に対する懸念が生じ、生活利便施設のさらなる撤退を誘発する恐れがあります。結果としてエリア全体の魅力が低下し、入居希望者の減少、ひいては家賃の下落や空室期間の長期化を招くリスクが高まります。
一方で、人口や商業機能が集約される拠点エリアには需要が集中するため、同じ地域内における物件の収益格差は今後さらに拡大していくと考えられます。
2 地価の二極化とは
「地価の二極化」とは、同一の行政区や地域内であっても、地価が上昇するエリアと下落するエリアが明確に分断される現象を指します。人口や商業機能が集積し、再開発が進む駅周辺などの高利便性エリアでは不動産需要が底堅く地価が上昇する反面、高齢化や空き家の増加が進行するエリアでは需要が減退し、地価の下落が続きます。
この二極化を引き起こす要因は複合的ですが、前述の「都市のスポンジ化」もその一翼を担っています。スポンジ化の進行がエリアの魅力を損ない、結果として土地価格の下落圧力を強めるためです。
2-1 地価が上昇するエリアの特徴は都市機能の集積
地価が上昇するエリアの最大の特徴は、都市機能の高度な集積によって継続的な人口流入が生じている点にあります。交通利便性の高い駅周辺に位置するだけでなく、商業施設、医療機関、教育機関など、生活の質を支えるインフラが充実していることが共通した強みと言えます。
さらに、再開発プロジェクトやインフラ整備が進行し、将来的な資産価値の向上が見込まれる地域には、投資資金や実需が集中しやすい傾向があります。若年層や単身世帯の流入がこうした傾向を後押しし、安定した需要がさらなる地価上昇の原動力となっています。
2-2 地価が下落するエリアの特徴は住宅需要の弱さ
対照的に、地価が下落するエリアは、人口減少や高齢化の進行により、根本的な住宅需要が減退している点が特徴です。主要駅から物理的に距離があることや交通アクセスの不便さに加え、スーパーや医療機関といった生活必須施設の撤退による利便性の低下が、需要減退の大きな要因として作用しています。
また、中長期的な再開発計画が存在しないことも、エリアの停滞感を強める要因となります。地域の魅力低下に伴い空き家や未利用地が増加し、地価の下落圧力が一層強まるという負の連鎖が生じやすくなります。
3 10年後を見据えた立地分析のポイント
「都市のスポンジ化」および「地価の二極化」が顕著となるこれからの時代において、アパート経営に最適な土地を選定するためには、立地条件をこれまで以上に精緻に分析する必要があります。ここでは、立地分析において重視すべき5つのポイントを解説します。
3-1 生活利便施設の数ではなく「集積度」
立地分析においては、生活利便施設の単なる「数」よりも「集積度」が極めて重要な指標となります。スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ドラッグストア、医療機関、金融機関などが、物件から徒歩5〜10分圏内にどの程度密接して存在しているかが、日常の利便性を大きく左右するためです。
各施設が広範囲に点在しているだけでは効率的な生活動線を描きにくく、「徒歩圏内で生活の大部分が完結する環境」こそが入居者の居住満足度を向上させます。このような集積度の高さが、長期的な賃貸需要の安定と家賃水準の維持に直結します。
3-2 人口動態は若年層の流入に注目
該当エリアの人口動態については、単なる総人口の「量」だけでなく、年齢構成の「質」と人の「流れ(流入・流出)」を把握することが、10年先の収益性を見極める鍵となります。
中でも注視すべきは年齢構成の推移です。主要なターゲット層となる20〜40代の生産年齢人口や単身世帯の増減は、アパートの賃貸需要を直接的に左右する重要な指標です。若年層の安定した転入が見込めるエリアは将来にわたって底堅い住宅需要が期待できますが、高齢化率が急激に上昇しているエリアでは、将来的な空き家の増加や住環境の悪化といったリスクを考慮する必要があります。
3-3 再開発・インフラ計画により将来性を評価
駅前の再整備、大型商業施設の誘致、道路の拡幅、あるいは新駅の設置といった再開発・インフラ整備計画の有無も、エリアの将来性を評価する上で不可欠な要素です。都市機能が継続的に更新されるエリアは、長期間にわたり居住地としての競争力を維持しやすくなります。人の流れが活性化することで、新たな住宅需要が創発される可能性が高まるためです。
ただし、計画が「構想段階」にとどまっているのか、すでに「事業決定済み」であるのかによって、実現の確度は大きく異なります。行政の発表等で進捗状況を冷静に確認し、完成時期と投資タイミングを見極める慎重さが求められます。
3-4 競合リスクは開発情報などで確認
対象エリアの潜在力を見極めるには、需要側の分析に加え、将来の競合物件による「供給リスク」の把握も欠かせません。近隣で新築アパートや大規模な分譲マンションの開発が進行した場合、局地的な供給過多が生じ、家賃の下落や空室率の上昇を招く恐れがあります。
特に、自物件と同一のターゲット層を狙う物件が多数供給される場合は、競争の激化が避けられません。自治体が公開する建築計画のお知らせや開発許可情報などを事前に確認し、将来的な供給量を予測した上で、収益変動のリスクを事業計画に織り込んでおくことが重要です。
3-5 用途地域から土地利用の柔軟性を確認
「用途地域」は、都市計画法に基づいて定められ、建築基準法によって建築可能な建物の用途、規模、容積率などを規制する制度です。この指定内容は、そのエリアの将来像や発展の方向性を見極めるための客観的な指標となります。
例えば、商業地域や近隣商業地域など容積率が高く設定されているエリアは、将来的に人口や商業施設の集積が進みやすく、賃貸需要が拡大するポテンシャルを秘めています。一方、第一種低層住居専用地域のように建築規制が厳しいエリアは、閑静で良好な住環境が保護される反面、建物の高度利用や都市機能の更新が進みにくいという側面も持ち合わせています。
したがって、立地選定の際には用途地域の特性を的確に把握し、土地利用の柔軟性や将来的な発展余地を総合的に評価した上で、中長期的なアパート経営の戦略を構築することが推奨されます。
4 土地の仕入れに強いアパート経営会社
人口減少が本格化する環境下において、アパート経営で安定した収益を維持するためには、長期にわたり入居者に選ばれ続ける競争力のある物件を供給することが不可欠です。今後のアパート経営においては、より精緻な土地選定と、それを支える信頼できるパートナー企業の存在が極めて重要になります。
本項では、厳格な立地戦略に基づく土地の仕入れ力に定評のあるアパート経営会社の取り組みをご紹介します。
4-1 株式会社シノケンプロデュース
| 会社名 | 株式会社シノケンプロデュース |
| セミナーURL | https://www.shinoken.com/ |
| 本社所在地 | 東京都港区浜松町二丁目3番1号 日本生命浜松町クレアタワー |
| 売上高 | 1,287億72百万円(2024年12月期)※グループ全体 |
| 社員数 | 1,171名(2024年12月末現在)※グループ全体 |
株式会社シノケンプロデュースは、首都圏をはじめ、福岡、大阪、名古屋、仙台など全国の主要都市において、投資用アパートの企画・開発・販売を展開するシノケングループの中核企業で、累計販売棟数は7,000棟を突破しています。
さらに、賃貸管理を担うグループ会社のシノケンファシリティーズは、53,000戸以上(2025年12月末時点)の管理実績を有し、自社企画開発物件において99.0%(2025年年間平均)という高い入居率を維持している点は特筆すべき実績と言えます。
希少性の高い土地を紹介
土地選定においては、35年以上にわたる事業実績と独自の不動産ネットワークを活用し、路線価や道路付け等の詳細な調査に基づく高度なナレッジを駆使して、資産価値の高い希少な物件を提案しています。
長期的な賃貸需要を見据え、利便性と生活環境を最優先とするため、立地に関して以下のような厳格な独自基準を設けている点が特徴です。
- 駅徒歩10分圏内
- 大都市圏のターミナル駅から電車で30分圏内
全国の不動産事業者と緊密に連携体制を構築しており、一般の市場には流通していない未公開物件(水面下情報)の紹介も可能としています。
デザイン性と機能性を両立した物件を提供
同社の開発物件はグッドデザイン賞を複数回受賞するなど、優れたデザイン性で高い評価を得ています。外観の美しさのみならず、住宅性能表示制度における劣化対策等級2相当の基準を満たすなど機能面・耐久面にも優れ、金融機関から木造アパートでありながら最長35年の融資期間を引き出すなど、第三者機関からも高い信頼を獲得しています。
また、優れた耐震性も大きな強みです。過去に震度7クラスの激しい地震に見舞われたエリアにおいても、倒壊・半壊や液状化による致命的な被害を受けた物件は皆無(2023年時点)であり、堅牢な造りが実証されています。
シノケンプロデュース一棟アパート経営の特徴
| 主要エリア | 首都圏・福岡・名古屋・大阪・京都・神戸・仙台 |
| 投資対象 | 新築アパート |
| 販売実績 | 7,000棟以上 |
| 管理戸数 | 53,000戸以上(2025年12月末時点) |
| 入居率 | 99.0%(2025年年間平均/自社企画開発物件) |
なお、同社では「人生100年時代を支える資産づくり」をテーマとしたアパート経営に関する無料セミナーを定期的に開催しています。不動産投資に特有のリスクとその回避策、自己資金を抑えた投資手法、長期的な満室経営を実現するポイントに加え、最新の不動産市況や金融機関の融資動向など、実践的なナレッジを体系的に学ぶことが可能です。オンライン形式での受講も用意されています。
まとめ
人口減少が進行する現代の都市環境においては、空き家や未利用地が虫食い状に発生する「スポンジ化」と、エリア間で明確な格差が生じる「地価の二極化」という構造的な変化が生じやすくなっています。このため、これからのアパート経営における立地選定は、単なる「駅からの距離」といった画一的な基準にとどまらず、生活利便施設の集積度、若年層の人口動態、再開発・インフラ整備計画、将来の供給(競合)リスク、さらには用途地域に基づく発展可能性などを、多角的かつ厳格に分析することが求められます。
10年先、あるいはそれ以上の長期にわたって入居者に選ばれ続けるアパートを経営するためには、こうした都市構造の変化を先読みし、科学的なデータに基づく立地選定を行うことが不可欠です。公示地価や基準地価の推移はもちろんのこと、自治体が提供する用途地域マップや国勢調査による詳細な人口動態データを積極的に活用し、客観的かつ慎重な投資判断を下すことが、安定した資産形成への最短の道となるでしょう。
倉岡 明広
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