建設業界の2026年以降の「供給制約」を読む。アパート建築価格は高止まりか、下落か

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建設業界を取り巻く環境は、アパート経営を大きく左右する重要な要素です。建築費の高騰が利回り構造を直接的に変化させるだけでなく、間接的な影響も及ぼすためです。例えば、新築物件の供給が減少すれば、入居者の流動性が低下し家賃の下落圧力が弱まるため、既存物件にとっては追い風となる側面があります。

近年は、資材価格や人件費の高騰、さらには深刻な人材不足により建設業界の供給能力が低下し、いわゆる「供給制約」の状態が続いています。本稿では、こうした状況下において2026年のアパート建築価格がどのように推移するのか、各種データに基づき客観的に分析します。

目次

  1. 建築価格高騰の背景の一つである「供給制約」
  2. 建築資材価格は高止まり。一部で横ばいから下落傾向へ
  3. 供給制約のもう一つの要因は人手不足・職人不足
    3-1.建設業就業者数はピーク時より30%減
    3-2.約4割が55歳以上。技能が継承されないリスクも
  4. 2026年以降のシナリオ分析:建築会社が確保できないリスクも
    4-1.人材不足や人件費高騰により建築価格は高止まりも
    4-2.金利や土地価格の上昇により価格は下がる可能性も
  5. まとめ

1 建築価格高騰の背景の一つである「供給制約」

アパート建築価格の高騰が継続していますが、昨今の状況は2022年頃から顕著となった「資材高騰=価格上昇」という単純な構図のみでは説明が困難になりつつあります。木材や鋼材といった主要資材の価格高騰が一服したとされる現在においても、建築価格が高止まりの様相を呈しているためです。

その背景には、建設業界が抱える構造的課題に起因する深刻な「供給制約」が存在します。2024年の時間外労働規制の強化をはじめ、若年入職者の不足や技能者の高齢化が進行し、現場における施工能力の余力が著しく低下しています。慢性的な人材難という業界特有の課題に対し、「2024年問題」がさらに拍車をかける結果となりました。

2026年以降は、こうした供給能力の低下がより一層顕在化するとの予測もなされています。したがって、今後のアパート建築価格の動向を見通すためには、直接的なコストの増減だけでなく、供給制約の推移を正確に把握することが不可欠です。

2 建築資材価格は高止まり。一部で横ばいから下落傾向へ

アパート建築に不可欠な資材の価格は、近年高止まりの傾向にあります。その主な要因としては、ウッドショックや円安の進行、エネルギー価格および物流費の高騰などが挙げられます。

資材価格の動向を具体的に確認するため、国土交通省の資料「最近の建設業をめぐる状況について」のデータを参照すると、2021年1月から2024年2月までの「主要建設資材の価格推移」は全体として価格上昇の傾向がうかがえますが、中でも生コンクリートやセメントの高止まりが顕著です。しかしながら、2024年後半以降は横ばいから一部で下落の兆しが見受けられます。

続いて、国土交通省「主要建設資材需給・価格動向調査」より、2025年1月から2026年1月にかけての価格動向データを抜粋し、詳細を確認します。

種類 2025.1 2025.7 2025.11 2025.12 2026.1
セメント(バラ物) 3.17 3.25 3.18 3.16 3.12
生コンクリート 3.27 3.24 3.19 3.17 3.17
骨材(砂) 3.23 3.20 3.19 3.17 3.18
骨材(砂利) 3.22 3.20 3.17 3.13 3.16
骨材(砕石) 3.20 3.18 3.18 3.14 3.15
骨材(再生砕石) 3.13 3.12 3.10 3.09 3.10
アスファルト合材(新材:密粒度アスコン) 3.25 3.25 3.19 3.16 3.15
アスファルト合材(再生材:密粒度アスコン) 3.23 3.24 3.16 3.15 3.13
異形棒鋼(SD295AD16) 2.98 2.88 3.15 3.24 3.18
H形鋼(広幅200×100×5.5×8㎜) 3.01 2.86 3.04 3.20 3.12
木材(型枠用合板) 3.12 3.14 3.19 3.17 3.23
石油(軽油:1、2号) 4.10 3.04 3.05 2.31 2.28

※参照:国土交通省「主要建設資材需給・価格動向調査」より抜粋

上記期間の推移を参照すると、セメント(バラ物)は3.17から3.12、生コンクリートは3.27から3.17、アスファルト合材(再生材:密粒度アスコン)は3.23から3.13、軽油は4.10から2.28へとそれぞれ数値を落としており、一部の資材価格においてピークアウトの傾向が確認できます。

とはいえ、資材価格の下落がただちに建築単価の引き下げに直結するわけではありません。円安基調が継続しているため、木材をはじめとする輸入資材の価格が下がりにくい状況にあります。さらに、アパート建築に密接に関わる物流業界もまた、構造的な人材不足に直面しており、物流費の下落は見込みにくいのが実情です。

これらに加え、建設業界自体が抱える人材不足や高齢化といった課題が顕在化しており、供給能力を抑制する主要な要因となっています。次項では、この点についてさらに深掘りします。

3 供給制約のもう一つの要因は人手不足・職人不足

建設業界における供給能力低下のもう一つの主要因として、深刻な人手不足および職人不足が挙げられます。ここでは、大きく2つの視点から現状を分析します。

3-1 建設業就業者数はピーク時より30%減

総務省の「労働力調査」によると、近年の建設業就業者数は平均約478万人で推移しており、ピーク時である1997年の平均約685万人と比較すると、およそ30.2%もの減少を記録しています。

また、国土交通省が毎月公表する「建設労働需給調査」を参照すると、直近の調査における8大職種(型わく工[建築・土木]、左官、とび工、鉄筋工[建築・土木]、電工、配管工)の総合不足率(合計値)は0.7%となっており、前月の0.5%から不足幅が拡大するなど、人材不足の常態化が浮き彫りになっています。

3-2 約4割が55歳以上。技能が継承されないリスクも

就業者の高齢化が進行している点も重大な懸念材料です。建設業就業者全体に占める55歳以上の割合は36.7%と約4割に達しており、今後10年程度で大量離職が発生する可能性が指摘されています。一方で、29歳以下の若年層は11.7%に留まり、全体の約10人に1人という状況です。さらに、現場を支える技能者に限定した場合、60歳以上が25.8%と約4分の1を占めています。

これらの数値は、単に業界の高齢化を示しているだけでなく、将来的に高度な施工技能が円滑に継承されないリスクを内包していることを意味しています。

4 2026年以降のシナリオ分析 建築会社が確保できないリスクも

アパートの建築価格は今後も高止まりを続けるのか、それとも下落へ転じるのか。複合的な要因によって供給制約が継続している以上、2026年以降の動向については複数のシナリオが想定されます。

4-1 人材不足や人件費高騰により建築価格は高止まりも

第一のシナリオは、資材価格がいったん落ち着きを見せたとしても、建築価格そのものは大きく下落しないという展開です。この背景には、慢性的な人手不足や人件費の上昇に加え、円安の長期化やエネルギー価格の高止まりといった構造的なコスト要因が存在します。すなわち、一部の資材価格が調整局面に入ったとしても、建設コスト全体を押し下げるには至らない可能性が高いと言えます。

さらに懸念されるのが、建設業界における技能者の高齢化です。この問題が早急に解消される見通しは立っておらず、供給制約は構造的に継続すると考えられます。仮に新規就業者数が増加したとしても、現場で即戦力となるまでには相応の育成期間を要するため、熟練技能者を短期間で補充することは困難です。したがって、人材面の制約は今後も建築価格を下支えする強い要因として残り続けると推測されます。

4-2 金利や土地価格の上昇により価格は下がる可能性も

一方で、金利や土地価格の上昇、円安に起因する建設コストの増大などが重なり、不動産市場に対する投資意欲が減退するシナリオも想定されます。投資マインドが冷え込めばアパートの着工件数は減少し、需給バランスはこれまでよりも緩和されるでしょう。いわゆる「需給が緩む」状態になれば、建築会社側が価格交渉や仕様の見直しに柔軟に応じる可能性が高まり、結果として建築価格が一時的に下落・調整する展開も十分に考えられます。

しかしながら、「価格が下がるまで待つ」というアプローチにはリスクが伴います。いざ投資計画を実行しようとしたタイミングで、適切な施工体制を持つ建築会社を確保できない可能性もあるためです。したがって、今後新築アパート経営を検討されている方にとっては、単なる価格動向の注視に留まらず、「必要な時期に確実に施工ラインを確保できるか」という視点も重要となります。

5 アパート建築・管理・無料相談ができるアパート経営会社

以下では、これから新築アパートの建築や経営を視野に入れている方に向けて、グループ内に建設会社を有する大手不動産投資会社や建築実績が豊富なアパート経営会社を紹介します。

5-1 株式会社シノケンプロデュース

シノケンの評判
会社名 株式会社シノケンプロデュース
セミナーURL https://www.shinoken.com/
本社所在地 東京都港区浜松町二丁目3番1号 日本生命浜松町クレアタワー
売上高 1,287億72百万円(2024年12月期)※グループ全体
社員数 1,171名(2024年12月末現在)※グループ全体

シノケングループは、首都圏、福岡、大阪、名古屋、仙台など全国の主要都市でアパートを企画・開発している大手企業です。グループ会社に建設会社を有しており、アパート供給棟数は自社施工で7,000棟以上の実績があります。

シノケンプロデュースのアパートはグッドデザイン賞や住宅性能表示制度(劣化対策等級2相当)、金融機関(木造アパートで融資期間35年)など第三者機関からの評価を多数獲得しています。1990年の創立から30年以上経った2023年時点まで、震度7クラスの地震を経験しても倒壊半壊・液状化による被害が0棟という実績もあり、高い耐震性にも強みがあります。

また、アパート経営は区分マンション投資と比較して多額の資金が必要になりますが、シノケンプロデュースは資金調達にも強みがあり、自己資金をあまり用意できない・資金はできるだけ手元に残しておきたいという方でも始めやすくなっています。

4-2 株式会社アイケンジャパン

株式会社アイケンジャパン
会社名 株式会社アイケンジャパン
本社所在地 東京本社 東京都港区北青山3丁目2番4号 日新青山ビル3階
福岡本社 福岡県福岡市中央区天神2丁目7番21号 天神プライム12階
売上高 156億円(2024年6月期/見込み)
社員数 166名(2024年6月末時点)
サービス理念など 堅実が一番を、業界の常識としたプラットフォーム企業を目指します。
セミナー参加特典 PDF書籍無料プレゼント

アイケンジャパンは、「堅実なアパート経営」をコンセプトに掲げる不動産投資会社で、2006年の創立から1000棟以上の開発・引渡し実績があります。

アイケンジャパンのアパートは、対象エリアを主要駅10分圏内(首都圏は15分圏内)、入居者のターゲットは物件選びの目線が厳しい社会人女性に絞って、防音性・防犯性・デザイン性・コストパフォーマンスなどを追求し、入居率99.3%(2023年年間実績)を実現しています。

提案時の設定家賃に対しても、10年以上経っても98.7%(2024年6月末時点)の収益率を達成できており、オーナーの収益を実現しています。変形地や狭いスペースでの高度な建築ノウハウがあるため、アパートを建てにくかった場所にも対応でき、エリアのニーズや立地条件によって最適なタイプを提案してくれます。

さらに、オーナーに対する保証やサポートが手厚いのもアイケンジャパンの特徴です。家賃滞納保証や管理代行サポートなども利用できるため、初心者の方でもアパート経営に取り組むことができます。建物完成後は全部屋に入居者が決まるまで無期限で家賃保証が行われる「初回満室保証」があり、地盤の問題や構造上の欠陥についても、建物引渡日の翌日から20年以内に不同沈下が発生し、建物に被害が出た場合、建物と地盤の修復工事を行う「宅地地盤保証」という保証があります。

建物の劣化対策にも力を入れています。2017年3月以降に販売されているアイケンジャパンのアパートは、住宅の品質確保に関する法律に基づく住宅性能表示制度の劣化対策等級において最高等級3の評価を得ています。

まとめ

直近のデータを分析すると、一部の主要資材価格には落ち着きの兆しが見受けられます。しかし、人材不足が継続する限り現場の施工能力には限界が生じるため、業界全体が供給制約の状態から完全に脱却することは容易ではありません。人材不足は日本社会全体が抱える構造的課題であり、建設業における担い手不足という本質的な問題の解決には長期的な時間がかかります。

そうしたなかで重要なのは、建築会社や関連業者との信頼関係を平時から構築しておくこと、そして市場動向を客観的かつ継続的に把握することです。投資を実行する際に、迅速かつ確実に行動できる体制を整えておくことが重要です。

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倉岡 明広

経済学部経済学科卒業後、出版社や編集プロダクション勤務などを経てフリーライターとして独立。雑誌や新聞、インターネットを中心に記事を執筆しています。初心者が抱く不動産投資の疑問や質問を解決できるよう丁寧な記事を執筆していきます。