最近は、「フルローンでも始められる不動産投資」というキャッチコピーを見かけることも多くなりましたが、不動産投資を始めるにあたって、実際はどれくらいの金額がかかるものなのでしょうか?ここでは、不動産売買の際にどのような費用が、いくらかかるのかということを見ていきたいと思います。
まず、不動産を売主から買うか、仲介会社から買うのかによって、仲介手数料がかかるのかどうかが異なります。おおよその計算ではありますが、新築で買う場合は不動産購入額の4%~5%程度、中古で購入する場合は7%~8%程度の諸費用がかかると考えておけばよいかと思います。中古のほうが諸費用の率が高くなる理由は、仲介手数料(不動産仲介会社に支払う仲介手数料:不動産購入価格の3.3%+6.6万円が上限)がかかるためです。
以下では、この諸費用に含まれる費用の内訳を詳しく見ていきたいと思います。
目次
1. 不動産仲介手数料
不動産仲介会社を使い、中古マンションを購入する場合にかかる費用です。なお、新築ディベロッパーから購入する場合はかかりません。仲介手数料の上限は、税込の売買価格によって下記のように定まっています。
- 200万円以下:仲介手数料上限5.5%
- 200万円を超える部分〜400万円まで:仲介手数料上限4.4%
- 400万円を超える部分〜:仲介手数料上限3.3%
※税込み表示
なお、下記の速算法を用いるのが通例です。
仲介手数料=売買価格×3.3%+6.6万円
あくまで上限ですので、上記手数料の半額で仲介をしてくれる仲介業者なども出てきています。ただ、安かろう悪かろうではいけませんので、費用が安くともサービスは妥協をしない会社をきちんと見極める必要があります。
なお、不動産仲介会社ではなく不動産会社が売り主となるケースでは、仲介手数料が無料となるケースがあります。たとえば、東京・横浜でワンルームマンション投資を手がける湘建では、2,000万円~2,500万円の価格帯で東京・横浜の駅徒歩8分以内という好立地物件を取り扱っていますので、通常は数60万円~80万円ほどかかる仲介手数料が0円で済むというコスト上のメリットがあります。
その他、プライム上場グループ企業のプロパティエージェントも、東京23区・横浜エリアに集中した新築・中古マンションの販売を行っています。こちらも仲介手数料が無料なうえ、物件の高い担保性を背景にフルローンの実績も豊富であり、不動産投資にかかる初期費用を大きく抑えられる可能性があります。
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2. 不動産投資ローン事務手数料
ローンを借りる先の金融機関へ支払う事務費用です。定額制と、ローン総額に対する定率制がありますが、定額制の場合は3万円前後が相場となっています。
また、金融機関によっては、繰り上げ返済の際にも事務手数料を支払わなければならないケースもありますので、契約前によく確認しておくことをおすすめします。
3. ローン保証料
通常、金融機関から借入をするときは保証人を借主とは別に立てる必要がありますが、不動産投資ローンの場合は金額が大きく、返済期間も長いため、保証会社を保証人とするのが通例となっています。
保証会社としては、貸し倒れになってしまった場合に備えて、十分な保証料を受け取っておく必要があるため、保証料は事務手数料などと比べると数十万円と高額な費用となります。
保証料の相場としては、一括で支払う場合は融資総額の2%程度、金利上乗せで支払う場合は年0.2%~0.3% 程度となります。一括払いのほうが支払う費用の総額は少なくなりますが、保証料は借主の信用度と返済額・返済期間によっても異なりますので、審査結果を聞いてから判断すると良いでしょう。
4. 火災保険料
ローンを借りるにあたり物件が担保となりますので、天災などで物件が損壊した場合に備えて、ローン契約と同時に火災保険に入っておくことも求められます。
壊れやすい木造建物は、鉄筋コンクリート造のマンションと比べて3倍ほど火災保険料が高くなりますので、一戸建てやアパート投資の購入時にはマンション購入時よりも初期費用が高くなります。
保険金額の決め方としては、建物を時価で評価する方法と、再構築するのにかかる金額で評価する再調達価額の2つがありますが、後者が一般的です。火災保険料の相場としては、保険会社や保険金の金額にもよりますが、マンションだと10年間でおよそ10万円程度を読んでおくと良いでしょう。
5. 印紙代
印紙代は、売買契約書とローン契約書(金銭消費貸借契約書)でそれぞれ必要となります。契約書記載の金額により、印紙代の費用が異なってきますので注意しましょう。
記載金額 | 不動産売買契約書 | 金銭消費貸借契約書 |
---|---|---|
100万円~500万円 | 500円 | 1000円 |
500万円~1,000万円 | 5,000円 | 10,000円 |
1,000万円~5,000万円 | 10,000円 | 20,000円 |
5,000万円~1億円 | 30,000円 | 60,000円 |
1億円~5億円 | 60,000円 | 100,000円 |
※上記は2023年1月時点。上記にない価格帯や最新金額は国税庁の「不動産売買契約書の印紙税の軽減措置」でご確認下さい。
6. 登録免許税
不動産売買で中古物件を取得する場合、所有権移転登記という手続きが必要となります。所有権移転登記費用は、不動産価額の2.0%となりますが、ここでいう不動産価額というのは不動産の購入額ではなく、固定資産税などの課税計算で使用される不動産の評価額となります。なお、新築の場合は所有権保存登記という手続きになります。
また、不動産投資ローンで物件を購入する場合は、抵当権設定登記が必要となります。こちらは借入額に対して0.4%が登録免許税としてかかります。
なお、マイホームを購入する場合は、敷地面積や専有面積が50㎡以上など特定の条件を満たすことで登録免許税の軽減が受けられます。この手続きは自分で行うこともできますが、専門的な知識も必要となるため、通常は司法書士を利用します。
7. 司法書士報酬
登記手続き、取引の立会、抵当権設定、その他実費などを含めて10万円前後となります。手続き自体はどこにお願いしても変わらないものなので、基本的には報酬が安い事務所を探してお願いすると良いでしょう。
8. 不動産取得税
不動産を取得する際にかかる費用で、購入後3ヶ月~6ヶ月程度で納税通知書が届きます。金額は、固定資産税評価額の4%(平成30年3月末日までは3%)が費用としてかかります。
9. 固定資産税・都市計画税
こちらは購入後にかかる費用となりますが、固定資産税は毎年1月1日時点で固定資産台帳に登録されている人に対して課税される税金となります。
納税時期は、市町村により異なりますが、計算方法は不動産価額(固定資産税評価額)×1.4%となります。毎年かかる費用となるので、シミュレーションを作成する場合には必ず盛り込みたい項目の一つです。
不動産売買の年には、買主と売主で起算日から引渡日までを売主、引き渡し以降を買主が費用負担するという契約にすることが通例になっています。
また、納税については買主が売主に負担分の金額を支払い、売主が一括で納税をするという形式を取ることが一般的です。起算日は1月1日にする場合と4月1日にする場合がありますので、契約を結ぶ際に確認しましょう。
まとめ
これまで見てきたように諸費用は3000万円の物件でも、200万円~300万円ほどかかる計算となります。
融資の際に頭金ゼロにする(=フルローン)だけでなく、諸費用をローンで支払うこともできますが(=オーバーローン)、諸費用のローンは不動産投資ローンとは切り分けられて融資されるため、金利が非常に高くなってしまいます。
具体的には不動産投資ローンが1.5%~3%程度で借りられるのに対して、諸費用のローンは4%~5%となりますので、可能であれば自己資金で支払うほうが良いでしょう。
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