野村グループの運用会社、野村アセットマネジメントは10月19日、地域金融機関と連携して地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)の仕組みを活用したスキームを創設した。ESG(環境・社会・企業統治)をテーマにした新しいファンドを立ち上げ、収益の一部を地方の社会貢献事業に寄付する。寄付は販売を手がけた地方金融機関の本社がある全国道府県の関連事業の支援に充てる計画だ。
野村グループは「Drive Sustainability.」というコンセプトのもと、持続可能な社会の実現と社会的課題の解決のため、ESGに関連する活動に積極的に取り組んでいる。特に、地方創生は課題の一つ。「現在、日本が直面する人口急減・超高齢化という課題に対して、各地域は政府と一体となってそれぞれの特徴を活かした自律的で持続的な社会の創生を目指している。中でも地域金融機関はそれぞれが持つ知見やネットワークを活かし貢献している」と同グループは寄付に寄る支援の意義を説明する。
新しいスキームでは、同社のESG運用戦略商品から得られる収益の一部を、各道府県において地方公共団体が実施するSDGs(持続可能な開発目標)関連事業に拠出する。当初は2020年11月30日の設定を予定しており、追加型投資信託「グローバルESGバランスファンド(為替ヘッジあり)年2回決算型、(為替ヘッジなし)年2回決算型、(為替ヘッジあり)隔月分配型、(為替ヘッジなし)隔月分配型」が対象。
対象ファンドの選定は、ファンドを取り扱う地域金融機関が本店を置く各道府県で、地方公共団体が実施するSDGs関連事業の中から、地域金融機関と連携して地方創生に取り組むことが可能かが、判断要因となる。
ファンドの名称は「グローバルESGバランスファンド」、愛称「ブルー・アース」。ESG関連の海外小型株や先進国社債、新興国国債などを組み入れる。実施期間は2021年~2025年で、初回寄付は21年3月。「今後も資産運用ビジネスを通じて、持続可能で豊かな社会の実現を目指していく」(同社)としている。
【参照記事】野村アセットマネジメント株式会社「地方創生に向けた寄附スキームの創設について」(PDF)
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HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム
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