株式会社ボーダレス・ジャパンが運営するクラウドファンディング(CF)型ふるさと納税ポータルサイト「ふるさと納税 for Good!」で、自治体がみずから募集するプロジェクトに加えて、地域社会の起業家輩出に向けたプロジェクトも次々に始動している。総務省の制度「地域おこし協力隊」の任期を完了し、その地域で課題解決を目指す起業家(NPO法人など)の資金調達をふるさと納税で支援する取り組みだ。
地域おこし協力隊は、都市地域から過疎地域等の条件不利地域に住民票を異動し、地域ブランドや地場産品の開発・販売・PRなどの地域おこし支援、農林水産業への従事、住民支援などの「地域協力活動」を行いながら、その地域への定住・定着を図る制度。2022年度で6447名の隊員が全国で活動しており、総務省では26年度までに隊員数を1万人とする目標を掲げている。
同省によると、隊員の定着率は65%程度。その中の4割が地域で起業し、人口減少が著しい地域の活性化に取り組んでいる。各地でローカル起業への資金援助の取り組みが増えているが、軌道に載せるまでには課題も多い。筆頭は資金の問題だ。
地域おこし協⼒隊に取り組む⾃治体には、特別交付税の措置がある。任期終了後の起業や事業承継については、任期2年目から終了後1年以内の起業・事業継承は1人100万円までの経費、定住するための空き家の改修に要する経費の措置率0.5までが補助される。
補助金のほか、近年は民間のCFサービスを利用した資金調達も増えつつある。しかし、同社は「補助金に依存した事業計画になってしまったり、資金調達の継続性に欠けたりする」という問題を指摘。これを解決できる手段としてCF型ふるさと納税の活用を提唱している。
CF型ふるさと納税のメリットは①従来の補助金とは違い、起業家自身が応援者を募り資金調達に動ける②返済義務がないため、非営利活動にも活用できる③税控控除が受けられること。さらに、同社が持つCFのノウハウを起業家へ提供、実行までを伴走型でサポートする。
「ふるさと納税 for Good!」で、ローカル起業を支援するプロジェクトは北海道厚真町の「自分らしくイキイキと働けるまちづくり」、奈良県三宅町の「地域のために立ち上がる人を全力で応援!」、和歌山県田辺市の「未来創造塾で、熱い仲間と地域を輝かせる!」山形県西川町の「地方と都市がチカラを合わせ、地域課題解決」の4件が募集を受付中。
プロジェクトページでは、地域の強みを価値に転換するアイデアや起業家たちの思いが伝わってくる。共感すれば誰でも参加できるCF型ふるさと納税が、地域活性化の可能性を広げられるかもしれない。
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HEDGE GUIDE 編集部 ふるさと納税チーム
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