日本人の平均寿命はどんどん上がり、年金だけでは老後の資金を不安に思う人が多くなっています。そこで、新たな老後資金を作る手段として注目されているのが「iDeCo(イデコ)」です。iDeCoには税制優遇があり、年々加入者が増加傾向しています。
今回はiDeCoの魅力とSBI証券でiDeCoを始めるメリット、初心者向けの運用商品を解説します。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
目次
- iDeCoの特長
1-1.毎月の掛金が所得控除になる
1-2.運用益が非課税
1-3.受け取るときも控除が受けられる - iDeCoをSBI証券で始めるメリット
2-1.充実した商品ラインナップ
2-2.運営管理手数料がかからない - SBI証券のiDeCo対応商品例
3-1.SBIグローバルバランスファンド
3-2.セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド
3-3.三菱UFJ国際-eMAXIS Slim バランス(8資産均等型) - まとめ
1.iDeCoの特長
iDeCoは「個人型確定拠出年金」の愛称で、老後資金を自分で積み立てる制度です。拠出した掛金は60歳になるまで運用し、原則として60歳以降に老齢給付金として受け取れますが、60歳までは引き出せません。ただ、月々5,000円と少額から始められるので、無理なく将来に備えるためのお金を貯めることができます。またiDeCoには以下のように3つの税制優遇があります。
1-1.毎月の掛金が所得控除になる
iDeCoの月々の掛金は全額所得控除の対象となるため、所得税や住民税の負担を減らすことができます。将来のためにお金を貯められて、節税もできるのは大きな強みです。
ただしiDeCoには月々の掛金に上限があります。たとえば、自営業者であれば上限は68,000円ですが、企業年金がない会社員であれば23,000円までとなっています。年収650万円の会社員で月々23,000円を確定拠出年金に拠出した場合、年間の掛金276,000円の全額が控除対象となります。同じ条件で30年運用すれば控除額は約248万円となり、長期運用すれば大きな節税効果を得られます。
1-2.運用益が非課税
iDeCoでは運用益や利息のすべてが非課税となります。通常、投資信託の運用益や定期預金の利息には税金20.315%が必要です。iDeCoでは、例えば10万円の運用益が出た場合には20,315円(10万円×20.315%)が非課税となるため、再投資にまわすことで、利益が利益を生む複利効果を期待できます。
iDeCoを始めるのが早いほど、60歳まで長期間投資を続けられるので、より複利効果も高くなります。
1-3.受け取るときも控除が受けられる
iDeCoは年金として受け取る方法と、一時金として受け取る方法があります。年金の場合は「公的年金等控除」、一時金の場合は「退職所得控除」などの控除が受けられます。
2.iDeCoをSBI証券で始めるメリット
SBI証券はiDeCoの運用実績が10年を超え、加入者数も多い証券会社です。また、特に次の2つのメリットがあります。
2-1.充実した商品ラインナップ
SBI証券の商品ラインナップは、低コストのインデックスファンドや、アクティブファンドなど数多く、ニーズに合わせて選ぶことができます。また投資対象のラインナップも国内株式・外国株式・国内債券・外国債券・リート(不動産投資信託)・コモディティと充実しています。
SBI証券で取り扱いのあるiDeCo対応商品は、元本変動型(投資信託)83本、元本確保型4本です(2021年3月時点)。ただし「確定拠出年金制度等の一部を改正する法律」により、運用商品の上限数を35本以下とする規定となりました。SBI証券のある元本変動型のオリジナルプランの商品については、2023年まで上限数以下となるように閉鎖の手続きを行っています。除外予定の商品は避けて選ぶのが無難です。
2-2.運営管理手数料がかからない
SBI証券では年末資産残高にかかわらず、iDeCoの運営管理手数料は0円となっています。長期投資だからこそ、コストは抑えたいものです。
iDeCoにかかる手数料は、加入・移換時手数料、加入者手数料、口座管理料、給付事務手数料、還付事務手数料の4つがあります。ここではとくに注意してほしい加入・移換時手数料、口座管理料の2つについて説明します。
加入・移換時手数料は初回1回のみ必要で、国民年金基金連合会に支払う2,829円(税込)が必要です。国民年金基金連合会とは別に、金融機関によってはプラスして手数料がかかる場合もありますが、SBI証券では0円で手数料はかかりません。
次に口座管理料は、確定拠出年金専用の口座を持つため、口座維持により毎月必要になります。国民年金基金連合会へ支払う毎月105円と事務委託先金融機関に支払う66円、合計171円が掛金から徴収されます。国民年金基金連合会と事務委託先金融機関に支払う手数料はどの金融機関でも同じです。
これにプラスして各金融機関では口座管理料が発生する場合があるが、SBI証券では口座管理料は0円でかかりません。例えばゆうちょ銀行の場合、口座管理料は毎月259円がかかります。SBI証券と比べ1年間で3,108円、20年運用すると62,160円の差があり、毎月小さな額でも長期運用すると大きな額になります。
3.SBIのiDeCo対応商品例
iDeCoでは商品選びがとても重要です。元本確保型は元本が保証されている代わりに、資産は大きく増えません。一方、元本変動型は元本割れリスクがある一方、大きく資産を増やすこともできます。
ここで紹介するファンドは元本変動型ですが、投資信託1本だけで複数の資産に分散投資でき、リスクも軽減できる商品です。資産を増やすのであれば、投資信託メインでファンドを組むのがベターです(数値は3月11日時点)。
3-1.SBIグローバルバランスファンド
- 基準価格:11,395円
- 信託報酬:年0.2799%(税込)
- 純資産:18億3,700万円
日本を含む全世界の株式と債券に分散投資をします。債券60%、株式40%で債券比率が多いため価格変動リスクも軽減でき、資産を増やす目的にも適しています。
3-2.セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド
- 基準価格:17,445円
- 信託報酬:年0.59%(税込)
- 純資産:2,460億7,700万円
このファンド1つで世界30カ国以上の株式と、10カ国以上の債券に分散投資ができます。株式と債券の比率は50%ずつで、リスクを抑えながらリターンの獲得を目指しています。
3-3.三菱UFJ国際-eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
- 基準価格:12,470円
- 信託報酬:年0.154%(税込)
- 純資産:817億3,400万円
8資産へ均等に投資するシンプルなファンドです。国内株式・先進国株式・新興国株式・国内債券・先進国債券・新興国債券・国内リート・先進国リートに12.5%ずつ分散投資するため、このファンド1つで株式、債券、不動産に投資が可能です。
まとめ
今回はiDeCoの特長に加え、SBI証券のiDeCo対象商品と手数料、初心者向けのファンドについて説明しました。
iDeCoは60歳まで老後資金を積み立て、各種控除を受けながら老齢年金として60歳以降に受け取れる制度です。老後資金を貯めつつ節税効果も受けられるのは大きなメリットです。
SBI証券ではiDeCoの運営管理手数料がかかりません。iDeCoは長期運用のため、手数料が月100円でも違うと将来的には大きな差になります。またSBI証券ではiDeCo専用のサポートデスクもあり、サポートも充実しています。iDeCoに関心のある方は、他の金融機関も含め比較検討してみてください。
山下耕太郎
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