寄付先の選び方は?より良い支援につながる5つのチェックポイント

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寄付を行う上で「より良い支援を行いたい」「自身も支援先も満足できる寄付がしたい」と考える方は多いでしょう。より良い支援を行うには、支援したい団体の実績や財務情報を調べたり、自身の寄付への考えを明確にするなど、いくつかのポイントがあります。

本記事では、寄付先の選び方、より良い支援に繋がるチェックポイント5つや、気をつけたい注意点などを解説していきます。

目次

  1. 寄付先の選び方とは
  2. 寄付がより良い支援に繋がるチェックポイント5つ
    2-1.自身の寄付への思い・考えと合致するか
    2-2.寄付者(自身)の負担
    2-3.団体の実績
    2-4.財務情報の公開
    2-5.寄付金控除の可否
  3. 「募金詐欺」「義援金詐欺」に注意する
  4. まとめ

1.寄付先の選び方とは

一口に「寄付」と言っても、寄付先の団体によって活動内容が異なります。例えば、子供の教育・途上国への支援・環境保護など多岐に渡り、方法も金銭・物資・ボランティアやプロボノ活動など様々です。

支援団体もNPO団体・公益財団(社団)法人・一般財団法人・福祉法人・企業など多岐に渡ります。

NPO団体には一定の基準を満たすことで国・地方自治体認定・認証される制度があり、2021年度10月末時点に認証NPO法人数は50867、認定NPO法人数は1220に及びます。(※参照:内閣府NPO「特定非営利活動法人の認定数の推移」)

公益社団法人も2018年時点で4169,公益財団法人は5392と年々増え続けており、企業でも不用品の買い取り寄付を行う、法人として金銭の寄付もしくはプロボノ活動やボランティアを行う会社があります。

ジャンルや方法、団体などを適切に選び、より良い支援を行うためには、自身の寄付への想いや団体の実績、寄付金控除の可否など多角的な視野から総合的に判断することが大切です。

2.寄付がより良い支援に繋がるチェックポイント5つ

より良い支援を行うために、以下5つのチェックポイントを参考にしましょう。

  • 自身の寄付への想い・考えと合致するか
  • 寄付者の負担
  • 団体の実績
  • 財務情報の公開
  • 寄付金控除の可否

2-1.自身の寄付への思い・考えと合致するか

寄付先や分野を選ぶ上で、「寄付者の寄付への想い・考えに沿っているか」は重要なポイントの1つです。

例えば「生まれ育った故郷に恩返ししたい」と希望する方にはふるさと納税や自治体・NPO法人といった団体・企業への寄付などの支援方法があります。ふるさと納税は寄付者が応援したい自治体へ任意で寄付を行い、場合によって返礼品をもらうことのできる制度です。

しかし、ふるさと納税は自治体によって寄付金の用途も異なってきます。自身が支援したい分野では無い、希望に沿わない時には他の方法を検討してみるのも良いでしょう。プロジェクトや寄付先の団体の理念・ビジョンなどをパンフレットやホームページで閲覧し、自身の考えと照らし合わせながら寄付を検討しましょう。

2-2.寄付者(自身)の負担

寄付者にとって負担が少ない方法で寄付を行うことで、気軽に寄付ができる、継続して寄付が出来るようになるなどのメリットが生じることもあります。

金銭的に負担の少ない方法で寄付を行いたい方にとっては、ポイント寄付やワンクリック募金、不要品を買い取ったお金を寄付する団体・企業を選ぶことで希望に沿った寄付が可能です。

ボランティア・プロボノ活動を行う場合、自宅から場所が近い、参加できる時間などもポイントとなります。

2-3.団体の実績

寄付先の団体の支援活動による成果・実績は、重要なポイントの1つです。

例えば、日本赤十字社は1877年に西南戦争の負傷者救護のため設立された「博愛社」が前身となっており、日清戦争・日露戦争の救護、2021年現在は新型コロナ感染症対応など長い歴史があります。(※参照:日本赤十字社「歴史・沿革」)

全国91の病院・22の医療従事者の教育機関、28の社会福祉施設を運営などの実績があり、「体制が整っている機関に効率的に寄付をしたい」という方にとって検討しやすい団体の一つと言えるでしょう。

ただし設立して間もない団体が発展することで、今までとは異なる方法で支援を行う、新しい普及活動ができるという事例もあります。

ふるさと納税のサイト「ふるさとチョイス」は「ガバメントクラウドファンディング®」という、行った寄付がふるさと納税の対象となる取り組みを行っています。ふるさと納税の対象となることで寄付金控除を受けられるメリットがあります。

寄付金は、子育て支援・動物保護活動やなど地域の課題解決に用いられます。団体の実績を参考としながらも、このような新しい取り組みについても注目してみると良いでしょう。

2-4.財務情報の公開

支援団体の多くは決算報告書や監査報告書などの財務情報をホームページで公開しています。寄付を行う際に財務情報をチェックし、寄付金が活動に適正に使用されているか、寄付金の使い道が自身の希望と合致しているかを確認してみましょう。

また、認定(特例認定)NPO法人は特定非営利活動の事業費が80%以上、公益財団法人・公益社団法人は公益目的事業比率が50%以上と認定される際に一定の条件を満たす必要があります。

認定(特例認定)NPO法人・公益財団法人・公益社団法人に寄付を行う事で、公益を目的とした事業、利益を求めない活動のために使われる可能性が高くなります。支援先に悩む方にとって、認定NPO法人は選択肢に取り入れやすい団体と言えるでしょう。

ただし、認定されていない団体でも財務情報を公開し、適切な支援活動を行っている団体は数多くあります。また、団体によっては支援活動の規模拡大が難しいために、認定NPO法人になる実務上のハードルが高く、諦めてしまっているケースもあります。

認定NPO法人以外にも、様々な事情により認可を取得していない団体は少なくありません。適切に寄付金を支援に繋げていくためにも、自身の寄付の目的に合わせて調べた上で寄付を行うことが大切です。

【関連記事】寄付前にチェックしたいNPOの決算報告書、どう読めばいい?

2-5.寄付金控除の可否

国や地方公共団体、一定の法人に対し「特定寄付金」を支出した場合には「寄付金控除」として所得控除を受けられます。控除を受けたい方は寄付先の団体が寄付金控除の対象となっているかをチェックしましょう。

国税庁によると特定寄付金は、「教育又は科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献その他公益の増進に著しく寄与するものとして、所得税法施行令第217条で定めるものに対する当該法人の主たる目的である業務に関連する寄付金」と定義されています。

具体的には以下の団体が挙げられています。

  • 独立行政法人
  • 地方独立行政法人のうち、一定の業務を主たる目的とするもの
  • 自動車安全運転センター、日本司法支援センター、日本私立学校振興・共済事業団及び日本赤十字社
  • 公益社団法人及び公益財団法人
  • 私立学校法第3条に規定する学校法人
  • 私立学校法第64条第4項の規定により設立された法人で専修学校若しくは各種学校の設置を主たる目的とするもの
  • 社会福祉法人
  • 更生保護法人
  • 特定公益信託のうち、その目的が教育又は科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献その他公益の増進に著しく寄与する一定のものの信託財産とするために支出した金銭
  • 政治活動に関する寄付金のうち、一定のもの(寄付をした人に特別の利益が及ぶと認められるもの・政治資金規正法に違反するものを除く。)
  • 認定特定非営利法人等に対する寄付金のうち、一定のもの(寄付をした人に特別の利益が及ぶと認められるもの・2021年4月1日以降に支出する出資に関する業務に充てられることが明らかなものを除く。)
  • 特定新規中小会社により発行される特定新規株式を払込みにより取得した場合の特定新規株式の取得に要した金額のうち一定の金額(800万円を限度(2020年12月31日までは1,000万円)とします。)

※参照:国税庁「一定の寄附金を支払ったとき(寄附金控除)

寄付金控除は、該当する年に支出した特定寄付金の合計額もしくは総所得金額等の40%相当額から2千円を差し引いた金額が対象となります。控除を希望する方は、ホームページや電話などで寄付金控除の可否を確認してから寄付を行いましょう。

【関連記事】寄付金控除となる対象団体は?金額の上限や申請手順も解説

3.「募金詐欺」「義援金詐欺」に注意する

寄付や義援金を装った詐欺が行われるケースもあります。このようなトラブルに巻き込まれてしまうと自身の大切な資金が失われるだけでなく、支援を必要としている方に適切なサポートが行われなくなってしまいます。

2015年には、関西圏の街頭で「難病の子供たちを救う」という名目で募金活動を行い、実際には自身のために使う現金を合計で約 76万 5,900円を善意の通行人から搾取した男が逮捕されています。なお、被害者には被害回復給付金を支給する「犯罪被害財産支給手続」を行う事が官報に掲載されました。(※参照:検察庁「犯罪被害財産支給手続開始決定公告」)

その他、2018年に発生した西日本豪雨被害に対する支援を行うとして、電話やFAXを使い口座に義援金を振り込ませる特殊詐欺の被害が発生しています。(※参照:金融庁「義援金等を装った詐欺にご注意!<平成30年7月豪雨関連>」)

上記のような詐欺被害に遭わないためにも、少しでも怪しいと感じたら団体・個人の活動内容を調べ、詳細を聞くなどで確認してから寄付を行うことが大切です。

まとめ

より良い支援を行うために、自身の寄付への思い・考えとの合致、寄付者の負担軽減などを考慮しながら、団体の実績・財務情報の調査を行い総合的な観点で寄付先・方法などを決定することが重要です。

募金詐欺や義援金詐欺などの事例がありますので、怪しいと感じた時には寄付先の調査は念入りに行いましょう。この記事を参考に、チェックポイントを参照しながらより良い支援に繋げていきましょう。

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田中 あさみ

経済学部在学中に2級FP技能士(AFP)の資格を取得。ライターとして不動産投資を含む投資や年金・保険・税金等の記事を執筆しています。医療系の勤務経験がありますので、医療×金融・投資も強みです。HEDGE GUIDEでは不動産投資を始め、投資分野等を分かりやすくお伝えできるよう日々努めてまいります。