一般社団法人日本承継寄付協会は12月22日、「遺贈寄付に関する実態調査2022」の結果を発表した。遺贈寄付は、財産の一部または全部を、遺言などによって社会課題の解決のために非営利活動法人などに寄付すること。調査は2020年から3回目、全国の50~70代の男女1000名で、世代別、性別では50代、60代がそれぞれ男女各167人、70代が男女各166人。調査は公益財団法人トラスト未来フォーラムが実施、分析した。
第1問は、両親や配偶者、親族が地域や社会のために少額(数万円~、財産の1%~数%)の生前の寄付、遺贈寄付をしていた場合にどのように感じるかを聞いた。1位は「自分の使いたいお金の使い方ができて良かったなと思う」35.7%、2位「地域や社会に貢献できて嬉しい」18.9%、3位「親族として誇りに思う」17.1%と、好意的な評価が占めた。
遺贈寄付の実践意向者は46.8%と約半数に上り、遺贈寄付を「具体的に理解している」層は75%となった。遺贈寄付を考えた場合、どの程度金額を実践したいと思うかを訊ねたところ、具体的理解層の12.5%が「100万円以上」の意向を示した。理解が進んでいる人の方が遺贈寄付の意向が高く、また高額を寄付する傾向がうかがえた。これについて同協会は「少額でも遺贈寄付できることを知ってもらうことが重要。お金持ちでなくてもできるのが遺贈寄付という本来の意味を改めて広めていきたい」という見解を示した。
調査では、遺贈寄付を考えたことがあるが、「断念した」人や「不安に思う」人、あるいは「まだ準備をしていない」人に、理由を訊ねた(複数回答)ところ、昨年同様、「寄付したお金がどのように使われるか不明瞭」35.5%が最多。次いで「遺贈寄付のやり方がわからない」31.4%、「誰に・どこに相談したら良いか分からない」31.2%が続いた。
そこで、相談機関を利用する場合、どのような事を重視するかを訊ねる(複数回答)と、「支援機関の信頼性」55.7%が突出して高かった。「寄付された財産がどのように使われたかを監督してくれること」35.4%は2番目で、遺贈寄付の意向がある人に特に多い。同協会では「遺贈寄付は、自分が人生で使い切れずに残った財産からの寄付。遺贈寄付であれば寄付したい人が増える可能性がある。実現する方法を伝え、相談先を明確にしていくことも今後の課題」としている。
質問は、ほか「遺贈寄付の希望団体」「法定相続⼈と寄付⾦額の関係」「家族への遺言書作成に対する希望」「日本の社会課題に対する寄付への経験」「10万円以上を寄付することに対する考え」について聞いた。結果は2023年1月17日に実施のイベント「相続・資産運用業務における第3の提案〜あなたの仕事がお客さまと社会貢献をつなぐ〜」でも取り上げる予定。また、調査結果に関連して、専門家を紹介・報酬を助成する「フリーウィルズキャンペーン」を実施中だ。申請期間は23年2月28日まで。
【イベント】「相続・資産運用業務における第3の提案 〜あなたの仕事がお客さまと社会貢献をつなぐ〜」申込ページ
【キャンペーン】フリーウィルズキャンペーン
【関連サイト】一般社団法人 日本承継寄付協会
HEDGE GUIDE 編集部 寄付チーム
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