融資型クラウドファンディングや不動産投資型クラウドファンディングは、投資割合に応じて金銭的なリターンを期待することができます。少額資金からスマートフォンを通じて気軽に投資できるメリットもあり、人気の高い投資方法の一つです。
株式投資における株主優待のようなリターンが設定されている、融資型クラウドファンディングや不動産投資型クラウドファンディング案件についても増えてきています。このような優待・特典付きのファンドへの投資を検討されている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、融資型・不動産投資型クラウドファンディングで優待や特典が受けられる案件について、5社の事例を紹介します。優待のメリットや注意点についても解説しているので、ご参考ください。
※本記事は、投資家への情報提供を目的としており、特定商品・銘柄への投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
目次
- 優待・特典付きのファンドに投資するメリット・注意点
- 優待が受けられる融資型クラウドファンディング
2-1.Funds(ファンズ)
2-2.クラウドリアルティ
2-3.COMMOSUS(コモサス)
2-4.LENDEX(レンデックス) - 優待が受けられる不動産投資型クラウドファンディング
3-1.CREAL(クリアル) - まとめ
1.優待・特典付きのファンドに投資するメリット・注意点
融資型クラウドファンディング、そして不動産投資型クラウドファンディングでは数々の優待・特典付き案件があります。このような優待・特典付きの案件へ投資するメリットとしては、投資を通じて企業のサービスを実際に体験し、商品理解を深められる点にあります。
例えば、以前まで融資型クラウドファンディングでは金銭的なリターンを求める投資家の方も多く、また「匿名組合」というスキーム上、投資先の企業名やファンドの詳細が開示されていないことが多くありました。
一方、行政処分のトラブルなどが相次いだ経緯もあり、出資先企業やファンド運営状況についてしっかりと確認することの重要性が高まってきています。優待・特典付きのファンドではサービスの実体験をもとに、ファンド運営の問題がないか感覚的に確認ができるメリットがあるのです。
融資を受ける側の企業にとっても、投資家を自社のファンになってもらえるよう勧誘することができる優待特典付き案件はユーザー獲得のメリットがあり、今後も増えていくと予想されます。
一方、優待・特典付きのファンドへ投資する際の注意点として、優待目的だけで投資判断をしてしまわないように注意が必要となります。優待はあくまでも副次的なサービスであることに留意し、投資のリターンやリスクについても慎重に吟味しながら、投資判断をしていくことが重要と言えるでしょう。
2.優待が受けられる融資型クラウドファンディング
まず、優待が受けられる案件を提供している融資型クラウドファンディングサイトをピックアップしてみましょう。
2-1.Funds(ファンズ)
Fundsは「貸付型ファンドのマーケットプレイス」というコンセプトで運営されており、自社で案件の募集を直接行うのではなく、第二種金融商品取引業事業者として資金を必要としている会社にプラットフォームを提供する形をとっています。
利回りは1%~6%と全体的にやや低めですが、アイフルなどの大手企業を通じた同社子会社への融資案件など、社内の弁護士・公認会計士・社外取締役弁護士・社外取締役公認会計士の審査を通過した案件のみを取り扱っています。募集実績は275億円超(2022年12月時点)と中堅規模に位置していますが、募集を行っている会社は上場企業が多く、一定の信頼が置けるサービスと言えるでしょう。
Fundsでは、数ある融資型クラウドファンディングサービスの中でも、積極的に優待付き案件の提供を行っています。過去に優待特典があった案件を確認してみましょう。
大阪王将ファンド #1
イートアンド株式会社が運営する中華料理店チェーン、大阪王将の食事割引特典が受けられる案件です。大阪王将の一部店舗で10%の割引が受けられるだけではなく、新メニュー試食会への招待という特典もありました。
R Bakerファンド#1
こちらもイートアンド株式会社の案件です。こちらは、R Bakerというパン専門店の割引が受けられる特典が付いていました。その他にも、投資家に対し観劇チケットが提供されるキャンペーンの実施も行っています。
FinCommunity Marketing
さらに、Fundsでは、国内最大手の広告代理店、電通とタッグを組み「個人と企業を貸付ファンドでつなぐ新たなファンコミュニティ施策“FinCommunity Marketing”」の共同開発について公表しています。
FinCommunity Marketinでは、ファイナンスとファンづくりを組み合わせた全く新しい次世代型マーケティングモデルとして、お得なクーポンや商品開発者との食事会、プロジェクト進捗共有ミーティングなど、様々な投資家限定イベントの企画を予定しています。これらの取組が行われている背景もあり、より優待付きの案件が増えていくことが予測されます。
2-2.クラウドリアルティ
クラウドリアルティは、株式会社クラウドリアルティが運営する不動産投資クラウドファンディングです。メガバンクや大手のCVCなどが出資しており、WBSや大手メディアなどでも取り上げられている注目のサービスです。
クラウドリアルティでは以下のような案件で、投資家へ食事や体験イベントなどの優待特典を提供しています。
~紡~石不動之町 京町家再生プロジェクト
出資金額が60万円(12口)以上である場合に、京料理の昼食券(2名様まで、1名様あたり最大5,000円相当)を交付いたします。本物件にご宿泊の際に鴨川沿いにある飲食店にてご利用いただけます。5月・9月にご利用の場合は鴨川沿いの川床にて京料理をお楽しみいただけます。(但し、ご予約時の天候や席の状況により川床の予約が確定できないこともございますのでご了承ください。またお酒等の飲み物代は別途ご負担いただきます。3名様以上でのご利用の場合、3名様以上の人数分の追加料金は、別途お客様にてご負担頂きますことをご了承願います。)
ADDress 北鎌倉プロジェクト
出資金額が50万円以上である場合に、北鎌倉のシェアアトリエ「たからの庭」の陶芸体験(毎日開催)、「宝庵」の坐禅体験・茶道体験(各月1回程度開催)のいずれかの利用券(2名様まで、1名様あたり最大5,000円相当)を交付いたします。(現地までの交通費は別途ご負担いただきます。3名様以上は追加料金を別途ご負担頂きますことをご了承願います。)
特典(2)
出資金額が300万円以上である場合に、ADDressのおためし会員権(30日間)と、ADDress代表佐別当氏とのランチorディナー同行権を提供します。
クラウドリアルティを通じて資金を調達した施設が、投資家に対しその施設を利用して更にファンになってもらおうという取り組みの意図が伺えます。宿泊だけではなく、体験を味わえるユニークな内容が魅力です。
2-3.COMMOSUS(コモサス)
COMMOSUS(コモサス)は、株式会社コモサスが運営する融資型クラウドファンディングサービスです。コモサスは、2022年8月にCAMPFIREグループからマネジメントバイアウト(MBO)を完了したことに伴い、CAMPFIRE Ownersから名称変更をしたサービスとなります。
案件によって最低投資額は異なりますが、1万円から投資が可能なファンドもあり、あまり投資の経験のない人でも少額から始めることができるメリットがあります。予定分配率も3.0%〜7.0%と幅広く、リスクとリターンのバランスも検討しやすいのが特徴です。
コモサスの前身であるCAMPFIRE Ownersでは、過去に以下のようなユニークな特典を提供したことがあります。
アルコール除菌剤開発ファンド
出資対象は除菌剤の開発ですが、同研究所で開発した製品の提供を受けることができるのです。これも他のサイトではなかなか見られない、ユニークな優待特典だと言えます。
2-4.LENDEX(レンデックス)
レンデックスは、株式会社レンデックスが提供するソーシャルレンディングサービスです。2000年創業の企業であり、ソーシャルレンディングには2017年から参入しています。取り扱う案件は不動産の購入やリフォーム、運転資金のためのファンドが中心です。
ソーシャルレンディング事業では2019年11月に人気の格闘技イベント「RIZIN」の運営資金を募集し、開始わずか20秒で目標額に達するなどして話題にもなりました。LENDEXでは、過去に以下のような案件の提供を行っています。
医療ファンド 1号
こちらでは歯科医院への融資を行うことで、歯科医院の施術費用が割引される特典です。
保険対象外の歯科施術となると、高額の費用となる事があります。1つの施設でしか利用できないため特典を利用できる人は限られますが、優待を受けられる金額も数万円規模になることもあり、金銭的なメリットも大きい特典と言えます。
3.優待が受けられる不動産投資型クラウドファンディング
不動産投資型クラウドファンディングでも優待を受けられる案件は数多くあります。具体的にはどのような優待・特典があるのか見て行きましょう。
3-1.CREAL(クリアル)
CREALは、2018年12月から運用を始めた不動産投資型クラウドファンディングサイトです。運営元は東証グロース上場企業のクリアル株式会社です。CREALでは、1口1万円と少額からの不動産投資が可能になっています。
また、不動産投資型クラウドファンディングでは、ファンドで購入した不動産を売却した際に値下がりが起きれば、投資家が損失を被る可能性を含みます。しかし、不動産価格の低下率が10%までであれば、CREALが損失を負うことで投資家のリスクはある程度抑えられるスキームを採用しています。
CREALでは、過去に以下のような案件の募集を行っています。
- ちくらつなぐホテル
- ホテル アマネク 浅草吾妻橋スカイ
どちらも、レジャーやリゾート関係のホテル案件であり、投資することでその施設の宿泊費割引サービスが受けられるというものです。不動産投資型クラウドファンディングで、投資対象が宿泊施設となっている案件では、こういった宿泊費割引サービスを投資家に優待として提供しているものが多くみられます。
まとめ
融資型クラウドファンディング、そして不動産投資型クラウドファンディングには数々の優待付き案件があります。宿泊費の割引サービスだけではなく、自社開発商品、また各種の割引サービスが提供されるなど、その内容も多彩になってきています。
自分が利用したいと思うサービス、また利用しやすいサービスを選びながら、投資先としての信頼性もチェックし、投資先を選んでいきましょう。
HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム
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