一般社団法人日本承継寄付協会は4月22日、静岡市と「遺贈寄付を通じた地方創生の推進に関する連携協定」を締結した。同市への遺贈寄付に関する情報発信や相談業務の連携を行う。特に、同市に寄せられる遺贈寄付に関する相談については、必要に応じ同協会が専門性をもって対応していく。
寄付による社会貢献活動への関心が高まる中、同市でも寄付にかかわる相談が年々増加している。個人が遺言で遺産を公益法人、NPO法人、学校法人、国立大学法人といった公益性の高い団体や機関などに寄付する「遺贈寄付」への市民ニーズも高まっていることから、連携して遺贈寄付の普及を図っていく運びとなった。
田辺信宏市長は「遺贈寄附はこれからの法的な枠組みであり、今後の新しい社会貢献のあり方の一つ。休眠してしまうかもしれない資金を市政に活用させていただくこともできる。日本承継寄付協会は、社会貢献をしたい方の想いを全国的に発信していくという活動を展開しており、スピード感をもって協定にまで結びついて嬉しく思う」とコメント。ポストコロナの時代に向けて制度をPRしていくとともに、全国的な先駆けとして同市の積極的な姿勢をアピールしていく。
同協会の三浦美樹代表は「協会が行った調査でも、遺贈寄付に興味を持つ層は「やり方がわからない」という回答が最も多く、寄付の方法や相談先に困っている方がいることが伺えた。静岡市の相談業務について連携することで「いつかふるさとに恩返しをしたい」「相続財産は地元に残らないが、少額遺贈寄付で地元にも貢献したい」という方々の想いを形にしたい」と意欲を見せる。今年度無料配布する「遺贈寄付はじめてBOOK」や8月に予定している遺贈寄付費用の助成キャンペーンも活用していく。
同協は、地域や社会の未来のために財産の一部寄付することで社会貢献をしたいと考える人を支援し、持続可能な経済社会の実現を促進するためのプラットフォームの役割を担う。具体的な計画は①専門家育成研修・支援、「承継寄付診断士」認定講座の開催、遺贈寄付支援時に使える相談業務ツールの提供②相談業務・ 相談窓口の拡充・支援、寄付希望者からの相談業務③調査・啓発活動④遺贈寄付の情報発信⑤遺贈寄付の遺言書作成費用の助成(無料遺言書作成キャンペーン)がある。
「『遺贈寄付はお金持ちがするもの』といった誤解を解消し、寄付したい人が誰でも無理なく寄付できる体制を整えることで、承継寄付の間口を広げ、『おもいやりのお金が循環する社会』を目指していく」としている。
【関連サイト】一般社団法人 日本承継寄付協会
HEDGE GUIDE 編集部 寄付チーム
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