公益財団法人世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)は「生物多様性」特設ページを、3月25日に実施する「EARTH HOUR(アースアワー)」に合わせて公開した。アースアワーは、世界中の人びとが同日・同時刻に消灯することで、地球温暖化防止と生物多様性の保全の意志を示す、世界最大級のグラスルーツ(草の根)イベント。毎年3月の最終土曜日の現地時間午後8時半を迎えた地域から順次照明を消し、日付変更線に近い南太平洋諸国から地球を1周する消灯リレーを行う。
2007年にWWFオーストラリアで始まり、日本では10年からWWFジャパンが主体となり開催している。開始以来、主に気候変動の問題に注力してきたが、18年からは、自然や生物多様性の損失もテーマに含めている。22年は、過去最多となる全世界で192の国と地域が参加した。
「ここ数年で生物多様性への関心は高まっているが、その言葉の意味を知っている人は約3割にとどまっている」とWWFジャパン。一方で、世界の生物多様性の豊かさを示す数値は過去50年間で69%低下しており、30年までに生物多様性の損失を回復軌道に乗せる「ネイチャー・ポジティブ」の目標を達成するためには「23年を変革の年にしなければならない」(同)と、今年の開催に思いを込める。特別協賛はソニーグループ株式会社、日産自動車株式会社、パナソニック ホールディングス株式会社、デル・テクノロジーズ株式会社、協賛企業にキリンホールディングス株式会社、西武造園株式会社などが名を連ねている。
特設ページは、特に生物多様性にはじめて触れる人に知って欲しいポイントをまとめた。公開にあたり、WWFジャパン顧問の前田智子氏がメッセージを寄せている。「『地球の健康を考えて』と言われると、大きく難しい問題に聞こえるでしょう。『大切な人の健康を考えて』ならば?」「私達は地球にあるものでできています。あなたに触れる風は、遠くの川や森の中の動物の鼻先を、姿を変えながら旅してきた。だから『地球の健康』『野生動物の健康』を考えることも、実は『大切な人の健康』を考えることと、一繋ぎ。世界が共に同じ問いを考える60分間。お料理しながら、お仕事の休憩中、この問いを反芻してみてください。謎を解くように語らってみてください」「電気を消す。毎日何気なくすることが、考えてみようと決意した表明に。まずは一緒に電気を消してみませんか?」。
【関連サイト】WWFジャパン「はじめての『生物多様性』特設ページ」
HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム
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