文部科学省は11月1日、「寄附ポータルサイト」を開設した。寄付を通じて教育・科学技術・スポーツ・文化に関するプロジェクトを応援することを目的にしており、同省所管の研究機関や博物館、美術館、子供や研究者を支援する機関、高専などへの寄付情報を掲載。「文部科学行政の根幹である『人』や『未来』にフォーカス、様々な機関や法人が、魅力的なプロジェクトを立ち上げました。日本に活力をもたらし、人々が豊かに暮らす社会をつくるため、寄附を通じて、プロジェクトに関わってみませんか?」と呼び掛けている。
同省では、教育や科学技術、スポーツ、文化などの振興に民間資金の活用を図ることが不可欠として、寄付を促進する施策の検討を開始。省内を横断的に公募した若手職員を中心としたチームが検討を重ねた。中央省庁としてさまざまなプロジェクトの情報を効率的に発信、寄付に繋げる手段として同ポータルサイトの立ち上げに繋がった。
寄付で応援したいプロジェクトは、プロジェクト名のほか目的、注目キーワード、組織・法人/個人で探すことができる。目的は「日本の未来を担う若者たちにエールを」「世界をリードする技術開発に貢献したい」「日本の文化芸術を盛り上げたい」「日本のスポーツを盛り上げたい」「子どもの体験活動を応援」の5つ。注目キーワードは「国際交流」「地方創生」「高等専門学校」「未知の発見」「技術の探求」「修理・整備・その他」となっている。
寄付したいプロジェクトが見つかったら、サムネイルの「詳細を見る」をクリックし、プロジェクトの詳細を説明したページに移動。移動したページでは、プロジェクトの具体的内容や目標金額、特典等を確認できる。実際に寄付する場合は、各プロジェクトを実施している機関や法人のウェブページに移動し、案内にしたがって手続きする。
開設時は13法人の19プロジェクトを掲載。寄付の目標額が最も高いのは日本学生支援機構の「トビタテ!留学JAPAN」プロジェクトの100億円。少額なのはJAXA・宇宙航空研究開発機構の「宇宙から見た地球の姿をみんなの暮らしへ」衛星データ利用研究等の100万円。高等専門学校では、佐世保工業高等専門学校からは、それぞれ目標額300万円の2つのプロジェクトが掲載されている。
寄付を行った場合、税制上の優遇措置が受けられる。個人については、一定額を所得税の課税所得から控除することができる「寄附金控除」の制度があり、法人へ寄附金を支出した場合は所得控除制度が適用され、寄附金額(総所得金額の40%が上限)から2000円を差し引いた額が課税所得から控除される。
さらに、一定の要件を満たした国立大学法人等(学生等に対する修学支援事業や、研究等支援事業への寄附に限る)または学校法人などへ寄附金を支出した場合も税額控除制度の適用を受けられる。寄附金額(総所得金額の40%が上限)から2000円を差し引いた額の40%を所得税額から控除(所得税額の25%が上限)できる。税額控除制度は、所得控除制度と比較して、いずれか有利な方法を選択することが可能。サイトでは税制上の優遇措置についても詳細に説明している。
【関連サイト】文部科学省 寄附ポータルサイト
HEDGE GUIDE 編集部 寄付チーム
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