投資信託の選び方のポイントは?投資初心者向けのファンドも

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これから投資信託で資産運用を始めようと思っても、「投資信託は種類が多すぎて、どれを選べばいいのかわからない」と思う人もいるのではないでしょうか。実際、投資信託の数は5,590本(2022年8月時点)もあります。その中から自分に合うファンドを選ぶのは困難です。

そこで今回は、投資初心者の方でも検討しやすい投資信託も取り上げています。ファンドの選び方のポイントや注意点についても解説するので、参考にしてください。

※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定銘柄への投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。

目次

  1. 投資信託を選ぶ際のポイント
    1-1.運用コストを意識する
    1-2.純資産総額と基準価額を確認する
  2. 初心者に向いている投資信託は?
    2-1.eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
    2-2.eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)
    2-3.SBI・V・S&P500インデックスファンド
    2-4.eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
    2-5.楽天・全米株式インデックス・ファンド
    2-6.ニッセイ-<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド
    2-7.ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)
    2-8.ニッセイ日経225インデックスファンド
    2-9.セゾン・グローバルバランスファンド
    2-10.野村インデックスファンド・内外7資産バランス・為替ヘッジ型
  3. まとめ

1.投資信託を選ぶ際のポイント

最初に投資信託を選ぶときのポイントについて解説します。

1-1.運用コストを意識する

投資信託には、主に購入手数料・信託報酬などのコストが発生します。

購入時手数料とは、投資信託を販売している金融機関(銀行や証券会社)に支払う手数料です。購入時に発生し、販売手数料とも呼びます。通常、投資信託の購入額の1~3%です。ただ、最近では購入時手数料が0円になる「ノーロード」のファンドも増えています。

次に信託報酬とは、投資信託を保有している間ずっと負担する費用です。ただ、投資家が別途支払う報酬ではなく、運用資金から徴収され、販売会社・運用会社・信託銀行にそれぞれ支払われます。投資信託の銘柄ごとに信託報酬は異なり、コストが高いと負担も増えてしまうので、なるべくコストが相対的に低い信託報酬を選ぶようにしてください。

1-2.純資産総額と基準価額を確認する

純資産総額とは投資信託の規模を表したもので、組み込まれている株式や債券の時価総額のことです。規模が大きいほど人気が高いと判断できます。投資信託は投資家から集めた資金によって運用するため、運用資金の少ないファンドは十分な投資ができません。純資産額の低い投資信託は、継続が難しくなり、途中で運用をストップして繰り上げ償還を行う可能性もあるのです。

そして基準価額は、一口、または一万口あたりの値段を指します。純資産総額を口数で割ったものが基準価額です。純資産総額と基準価額は土日祝を除き毎日変動します。投資信託を選ぶときは、純資産総額が大きく、基準価額が上昇しているものを選ぶのが無難です。

2.初心者に向いている投資信託は?

それでは、投資初心者の方にも検討しやすいファンドをご紹介します(数値は2022年10月31日時点)。

2-1.eMAXIS Slim米国株式(S&P500)

基準価額 20,365円
信託報酬 0.0968%(年率・税込)
純資産残高 1兆6,449.03億円

米国を代表する株価指数であるS&P500種株価指数(配当込み、円換算ベース)に連動する投資成果を目指すインデックスファンドです。米国を代表する500銘柄に幅広く分散投資できます。純資産残高はインデックスファンドの中で最大規模を誇り、執筆時点で1兆6,000億円を超えています。

2022年になって米国株は大きく下落しているものの、同ファンドは円換算ベースのS&P500種株価指数を対象にしているので、10月末時点における1年間リターンは11.49%とプラスです。信託報酬も0.0968%(年率・税込)と低いので、つみたてNISAなどを利用した長期投資にも適しています。

2-2.eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)

基準価額 13,632円
信託報酬 0.154%(年率・税込)
純資産残高 1,666.78億円

日本も含む世界各国の株式、公社債、REIT(不動産投資信託)に投資し、購入手数料が0円のノーロードファンドです。8資産を12.5%と均等でリスクを減らした分散投資を行っているファンドで、各資産の割合は以下の通りです。

  • 国内株式:12.5%
  • 先進国株式:12.5%
  • 新興国株式:12.5%
  • 国内債券:12.5%
  • 先進国債券:12.5%
  • 新興国債券:12.5%
  • 国内REIT:12.5%
  • 先進国REIT:12.5%

幅広い資産に分散投資できるので、株式だけのファンドよりもリスクを抑えた運用が可能です。長期的にリターンが期待できる初心者向けのファンドといえます。

2-3.SBI・V・S&P500インデックスファンド

基準価額 18,644円
信託報酬 0.0938%(年率・税込)
純資産残高 7,366.58億円

米国の代表的な企業500銘柄で構成されるS&500種株価指数(円換算ベース)に連動したパフォーマンスを目指すインデックスファンドです。S&P500種株価指数は米国株式市場の動向を表す代表的な株価指数で、ニューヨーク市場の時価総額の約75%をカバーしています。

世界でも代表的な大企業に投資できるのと、かなりの低コストで運用できるのが魅力です。

2-4.eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)

基準価額 17,321円
信託報酬 0.1144%(年率・税込)
純資産残高 7,391.76億円

日本、先進国、新興国の株式に投資し、「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース)」に連動したパフォーマンスを目指すインデックスファンド。原則、為替ヘッジは行いません。

MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスは、各国市場の時価総額上位約85%をカバーする広範なインデックスで、世界中の幅広い銘柄に分散投資できます。

購入時の手数料、信託財産留保額は0円と低コストに加え、全世界の株式に投資ができるのが特長です。

2-5.楽天・全米株式インデックス・ファンド

基準価額 20,991円
信託報酬 0.132%(年率・税込)
純資産残高 7,551.24億円

米国式市場の小〜大型株までの時価総額を加重平均した株価指数である「CRSP USトータル・マーケット・インデックス(円換算ベース)」に連動したパフォーマンスを目指すファンドです。

購入時手数料、解約手数料が0円と、手数料のコストも抑えられ、手軽に全米のほぼすべての株式に投資できるのが人気のポイントです。

2-6.ニッセイ-<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド

基準価額 27,585円
信託報酬 0.1023%(年率・税込)
純資産残高 4,428.69億円

日本を除き主要な先進国の株式に投資。MSCI コクサイ インデックス(配当込み、円換算ベース)に連動したパフォーマンスを目指すインデックスファンドです。

購入手数料は0円。人気の理由は、純資産額が多く、低コストで先進国に幅広く分散投資できることです。

2-7.ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)

基準価額 27,207円
信託報酬 1.81%(年率・税込)
純資産残高 1兆657億円

主に世界の高配当利回りの公益株に投資するアクティブファンド。公益企業は電力やガス、水道、通信など日常生活に不可欠なサービスを提供しており、景気の良し悪しに左右されにくく、収益基盤が総体的に安定しているという特徴があります。

2-8.ニッセイ日経225インデックスファンド

基準価額 33,106円
信託報酬 0.275%(年率・税込)
純資産残高 2,055.85億円

日経平均株価(日経225)に連動したパフォーマンスを目指すインデックスファンドです。日経平均株価はニュースなどの目にする機会も多いので、初心者でも値動きがわかりやすいというメリットがあります。

2-9.セゾン・グローバルバランスファンド

基準価額 20,229円
信託報酬 0.56%±0.02%程度(年率・税込)
純資産残高 3,439.57億円

このファンド1本で国内外の株式と債券に分散投資できます。基本ポートフォリオは株式50%、債券50%とリスクを抑えつつリターンを得ることを目指しています。為替ヘッジは行いません。

購入手数料、再投資される収益分配にも手数料は0円。信託報酬のコストは高めですが、国際分散投資ができ、リスクを抑えながらリターンも獲得できるのが人気の理由です。

2-10.野村インデックスファンド・内外7資産バランス・為替ヘッジ型

基準価額 15,000円
信託報酬 0.55%(年率・税込)
純資産残高 181.8億円

国内外の株式、債券、REITを主要対象とするバランスファンドで、株式、債券、REITに3分の1ずつ均等に投資します。毎月リバランス(当初の割合が崩れてしまったときに元の状態に戻す)を行い、各資産への基本投資割合を掛け合わせた合成指数に連動したパフォーマンスを目指します。

幅広い金融商品に分散投資しているので、リスクを抑えた運用をしたい投資家に適したファンドです。

まとめ

投資信託を購入する際はコストである購入手数料、信託報酬を確認し、できるだけ低いコストでの運用を目指しましょう。また、純資産総額や基準価額もチェックするようにしてください。下がり続けているファンドは避けるのが無難です。

複数のファンドを購入すれば、よりリスクを抑えた運用が可能です。ネット証券を利用すれば100円から購入できるので、複数のファンドに分散投資することをおすすめします。

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山下耕太郎

一橋大学経済学部卒業後、証券会社でマーケットアナリスト・先物ディーラーを経て個人投資家・金融ライターに転身。投資歴20年以上。現在は金融ライターをしながら、現物株・先物・FX・CFDなど幅広い商品で運用を行う。ツイッター@yanta2011