思い出を交換する新しい書店「思い出書店」、寄付型クラウドファンディング7/21まで

株式会社スタジオユリグラフは、沖縄県で運営する「思い出書店」を全国に広げるため、クラウドファンディングサービスREADYFORにて、2024年7月21日まで継続寄付型クラウドファンディングを実施している。

「思い出書店」は、“だれかの思い出”が綴られた本と“あなたの思い出”を綴った本を交換できるサービスだ。利用者は、本に思い出を記した帯を巻き、思い出書店に設置された本棚に預ける。そして、他の誰かの思い出が書かれた本と交換して持ち帰る。交換を通じて、見知らぬ誰かとの交流が生まれ、思いがけない本との出会いを楽しむことができる。

「思い出書店」の特徴は3つ。1つ目は、だれかの思い出が綴られた本との出会い。本のタイトルや著者ではなく、帯に書かれた「思い出」をきっかけに、思わぬ本との出会いを楽しめる。2つ目は、売買ではなく「交換」であること。お金ではなく思い出を交換することで、人や本の縁をつないでいく。3つ目は帯と数冊の本だけで生まれる書店であること。仕入れや選書などの専門知識は不要。誰でも、どんな場所でも、思い出書店を始めることができる。

現在、「思い出書店」は沖縄県で1拠点が運営中。236冊の本が登録され、320回もの交換が行われるなど、利用者から好評を得ているという。

近年、電子書籍の普及や活字離れなどにより、全国的に書店の減少が進んでいる。出版文化産業振興財団の調査によると、書店がない自治体は全国で27.7%、沖縄県に至っては56.1%にもおよぶ。今後は、クラウドファンディングで得た資金を元に、沖縄県内の書店ゼロ自治体を中心に、カフェや雑貨屋、公民館、病院など、様々な場所に拠点を設置していく予定。将来的には、沖縄県外にも活動の幅を広げ、全国各地に思い出書店を増やしていく計画だという。

クラウドファンディングの目標人数は50人(目標金額は10万円/月)。支援金は帯の制作・管理費、運営メンバーの人件費などの持続可能な運営費と拠点オーナーの募集、拠点や沖縄書店とのイベント共催などの書店ゼロ自治体解消に向けた活動費に充てられる。

スタッフは「『思い出書店』は、単に本を交換する場所ではなく、本を通じた人と人との出会いや、地域コミュニティの活性化を目指しています。私たちの活動に共感し、応援してくださる方がいらっしゃいましたら、ぜひご支援をお願いいたします」とメッセージを発表した。

【関連サイト】「本屋さんが身近にない」地域に、思い出書店を増やしたい!

The following two tabs change content below.

岡村 幸治

フリーライター。2020年までスポーツニッポン新聞社で野球記者を務め、読売巨人軍やアマチュア野球などの取材、原稿執筆を担当。得意分野はスポーツ、旅行、ニュース記事。中立でわかりやすい記事を心がけています。 
Twitter:@koji__O