iDeCoにおすすめの金融機関は?手数料・取扱商品数から比較検証

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iDeCoとは、個人型確定拠出年金と呼ばれる任意で加入できる私的年金制度です。iDeCoでは自分で掛金を拠出して、自分で運用方法を選択します。運用成績次第では運用益が発生しますが、掛金については税制上の優遇を受けられるため、国民年金や厚生年金だけでは不安な方、フリーランス、個人事業主の方に向いている資産運用方法の1つです。

iDeCoをスタートする場合、iDeCoを取り扱っている金融機関でiDeCo口座を開くことが必要になります。しかし、どうやって金融機関を選べばよいのかわからないという方も多いといえます。

そこで、今回は数あるiDeCo取扱金融機関の中から、主な金融機関をピックアップし、比較検証を行いました。これからiDeCoの加入を検討している方に向けて、手数料や取扱商品数などにも触れていきます。iDeCoの運用をスタートする際の参考にしてください。

目次

  1. 金融機関を比べる前に知っておきたいiDeCoとは
    1-1.60歳までは引き出せない
    1-2.税制上の優遇を受けられる
    1-3.どこで加入しても必ず手数料が発生する
  2. iDeCo対応の主な金融機関を比較
  3. 運用管理手数料よりも重視すべき信託報酬
    3-1.投資信託の信託報酬とは
    3-2.信託報酬の確認ポイント
  4. 投資信託の取扱数は各社で異なる
  5. まとめ

1.金融機関を比べる前に知っておきたいiDeCoとは

iDeCo用の金融機関を比較する前に、iDeCoの基本を確認しておきましょう。

1-1.60歳まで引き出せない

iDeCoは、原則として「60歳まで自分で掛金を拠出して運用する」ものです。60歳になるまでは、積み立てているお金を引き出せない仕組みとなっています。いざという時のための貯金ではなく、あくまで私的年金制度であることを留意する必要があります。家計を圧迫するほどの掛金を無理に拠出しないよう注意しましょう。

1-2.税制上の優遇を受けられる

iDeCoには3つの税制優遇制度が適用されます。

掛金全額所得控除

iDeCoの掛金は全額所得控除となります。毎月10,000円を拠出した場合、一年で12万円を課税所得から控除することができます。そのため所得税・住民税額を抑えながら資産運用が可能になります。

運用益は非課税

iDeCoでは運用によって利益が出ても、所得税や住民税などの税金はかかりません。通常の株式投資や投資信託等で利益がでた場合は一律20.315%(2020年8月時点)課税されるため、この点でもiDeCoのメリットは大きいといえます。

受け取り時も税金負担が軽減される

iDeCoは、60歳を過ぎての掛金受け取り時にも公的年金等控除を受けられるため、税負担は最小限で済みます。

1-3.どこで加入しても必ず手数料が発生する

iDeCoは、各金融機関によって手数料が異なりますが、どの金融機関で加入しても以下の手数料は必要です。

  • 加入時手数料……2,829円
  • 掛金を拠出している場合の月額手数料……171円
  • 掛金を拠出せず運用している場合の月額手数料……66円
  • 給付手数料……1,488円(1回につき)

2.iDeCo対応の主な金融機関を比較

iDeCoを取り扱う人気金融機関の手数料や取扱商品数を比較していきましょう。口座管理料や取扱商品数にはそれぞれ違いがあるため、あらかじめ確認が必要です。

項目 月額口座管理料 当該金融機関への移管手数料 他金融機関への移管手数料 取扱商品数
マネックス証券 無条件で0円 0円 4,400円 26本
楽天証券 無条件で0円 0円 4,400円 31本
みずほ銀行 260円(条件を満たせば0円) 0円 0円 15本
りそな銀行 2年間0円/2年目以降267円〜322円 0円 0円 28本
三菱UFJ銀行 260円〜385円 0円 0円 42本

※上記数値はいずれも2020年8月時点の情報です。

iDeCoでは、必ず支払わなければならない手数料とは別に上記の手数料が必要です。インターネット証券系は、月額口座管理料がほとんど無料ですが、他金融機関への移管手数料がかかります。一方で都市銀行などの金融機関では、月額口座管理料がかかるものの、他の金融機関への移管手数料はかかりません。

長期間金融機関を変えない場合は、インターネット証券でのiDeCo加入の方が経済的メリットは大きくなる可能性があるといえます。

3.運用管理手数料よりも重視すべき信託報酬

iDeCoの手数料を比較した場合、インターネット証券会社は一律で運用管理手数料が無料となっています。しかし、iDeCoにおいて重要なのは運用管理手数料よりも、主な投資対象となる投資信託に発生する信託報酬です。

3-1.投資信託の「信託報酬」とは

信託報酬とは、各投資信託に設定されている、運用益から差し引かれるコストのことです。場合によっては、運用益が出ていても信託報酬を支払うことで元本割れしてしまうこともあります。

そのため、iDeCoで資産運用をする場合は、投資信託のリスク・リターンだけでなく、信託報酬にも注目しておきましょう。

3-2.信託報酬の確認ポイント

信託報酬は、各投資信託の詳細ページに必ず記載されています。信託報酬が低ければ運用コストが低く、信託報酬が高ければコストが高くなり利益の減少につながります。

信託報酬が低いほどリターンは大きくなると考えられがちですが、一概にそうとは言い切れません。例えば、日経平均と同じ値動きをする商品であれば、どれを選んでもパフォーマンスに大差は出ないため、より信託報酬の安い投資信託のほうが有利になる可能性があります。

しかし一方、積極運用で利益を目指すファンドは信託報酬もリスクも高く、手数料負けせずに好成績を出しているものもあれば、日経平均に連動するファンドなどに比べて大きくパフォーマンスが劣っているものもあります。そのため、信託報酬と同時に運用実績や商品の性質も理解しておく必要があるのです。

4.投資信託の取扱数は各社で異なる

iDeCoのメリットは、自分の運用によって将来の年金額を増額できる可能性があることです。しかし、市場の下落リスクにも備えなければなりません。そのため、バランスよく商品を選択して運用していくことでリスク分散につなげることが必要です。

そして、積極的な運用の際に重視したいのは取扱商品数です。商品数が多いほど、リスクヘッジを行いながら資産運用がしやすくなるためです。

なおiDeCoの主な対象商品となる投資信託は、指数に連動した運用を目指すインデックスファンドと、指数を上回るリターンを目指すアクティブファンドに分かれており、また運用される資産の種類に応じて以下のタイプに分けられます。

  • 国内株式
  • 外国株式
  • 国内債券
  • 外国債券
  • 商品(コモディティ)
  • 不動産(REIT)
  • 上記を組み合わせた「バランス型」

まとめ

iDeCoは国内の様々な金融機関で取り扱われており、どの金融機関で加入すればよいか迷いやすいものです。自分で選べない方は以下のポイントに絞って、iDeCoの金融機関を絞り込んでみましょう。

  • 手数料体系(口座管理手数料、他社移管手数料)
  • 取扱投資信託の内容(信託報酬、運用実績など)
  • 取扱商品数

iDeCoは、所得税や住民税の負担が軽減され、運用益も非課税です。そのため、資産運用だけでなく、節税を検討している方にも良い制度です。しかし、あくまでも私的年金制度という立ち位置のため、加入した場合は原則として60歳まで引き出せない点には注意が必要です。

メリット・デメリットをふまえた上で、iDeCoの実施および利用する金融機関を検討してみてください。

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鈴原 千景

Webライター。内容として、わかりやすくを心掛けながら金融、不動産関係・ふるさと納税の記事を多く執筆している。日本株・米国株、投資信託、仮想通貨、ロボアドバイザーを運用中。