住友生命保険相互会社は4月1日、「インパクト志向金融宣言」に署名したと発表した。今後は「責任投資をさらに推進し、社会課題の解決に貢献することにより、インパクト創出に一層取り組む」と打ち出す。責任投資はESG(環境・社会・ガバナンス)を含む中長期的な持続可能性(サステナビリティ)を考慮した資産運用で、具体的には ESG 投融資とスチュワードシップ活動を指す。同社は22年度からインパクト投資を責任投資の柱の一つと位置づけ、今年度はファンドを中心に約200億円の投資を計画している。
同宣言は「投融資などの金融を通じて社会課題を解決する」という考え方に基づき、インパクト投資の推進活動を行う国内イニシアティブ。署名機関には、アセットマネジメントOne株式会社、ANRI株式会社、株式会社ウィズ・パートナーズ、株式会社環境エネルギー投資、株式会社かんぽ生命保険、株式会社キャピタルメディカベンチャーズ、京都信用金庫、GLIN Impact Capital、グローバル・ブレイン株式会社、株式会社静岡銀行、株式会社新生銀行、第一勧業信用組合などが名を連ねる。住友生命が加わり、署名機関数は28になった。
同社は、持続可能な社会の実現と中長期の運用収益向上の両立を目指し、責任投資を推進している。20年度から3ヶ年累計で「テーマ投資実行目標5000億円」を掲げ、SDGs達成に資する案件へのファイナンスを推進しており、21年度までの2年間で約3700億円のテーマ投資を行った。
21年度は4月に温室効果ガス(GHG)排出量の2050年ネットゼロ達成を表明、6月には資産ポートフォリオのGHG排出量の2030年削減目標を設定し、主にファイナンスと対話活動(エンゲージメント)を通じた気候変動対応に注力した。10月には国際イニシアティブ「Net-Zero Asset OwnerAlliance」に加盟、国内外の機関投資家との連携強化にも取り組んだ。
同年度には、全ての運用資産において、資産特性を踏まえつつ、投融資判断にESG要素を考慮したESG インテグレーションを開始した。今後は、「住友生命の資産運用は全て責任投資である」と明確に位置づけ、責任投資を推進していく。
実際に社会課題の解決に繋がっているか、インパクトを確認することも重要だとして、22年度から過去に実施したテーマ投資案件のうち、開示情報があるなど測定可能な案件を対象に、投資を通じたインパクトを測定、内容を開示していく。将来は資産運用全体で創出されたインパクトの測定にも取り組む方針だ。
【参照リリース】住友生命保険相互会社「インパクト志向金融宣言への署名について ~持続可能な社会の実現に向けた責任投資の更なる推進~」
【関連サイト】インパクト志向金融宣言
HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム
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