ユニセフの活動内容や寄付金の使い道は?これまでの活動実績も

ユニセフは世界の子供たちの命や人権を守る国連機関で、特に発展途上国の子供たちの医療・衛生環境の整備、教育支援などの取り組みを積極的に行っています。

1946年に創立した歴史ある団体で、1965年にはノーベル平和賞を受賞、2022年現在約190の国と地域で活動しています。市民からの募金に加え各国政府からの拠出金で成り立ち、グローバルに活動している点が特徴です。

本記事ではユニセフの概要と寄付金の使い道、主な実績4つを解説していきます。

目次

  1. ユニセフとは
  2. ユニセフの寄付金の使い道
  3. ユニセフの主な実績4つ
    3-1.乳幼児死亡率が減少
    3-2.学校に通えない子供たちへの教育支援
    3-3.安全な飲み水の提供
    3-4.紛争・災害などの状況下にある人々への支援
  4. まとめ

1.ユニセフとは

ユニセフ(unicef)ユニセフ(UNICEF:国連児童基金)は、1946年に第1回国連総会で第二次世界大戦によって荒廃した国々の子供たちを支援するために創設された国連の機関です。翌年には粉ミルクや砂糖・医薬品などのユニセフによる援助物資が、アメリカからヨーロッパに送られています。

2022年時点では、「すべての子どもの権利が実現される世界をめざして」をビジョンに掲げ、活動が行われています。例えば、発展途上国での保健・衛生、医療・インフラ面など困難な状況にある子供たちへの援助、先進国の子供たちの健康状況や権利保護のモニタリングなどを通じ、世界の子供の命と権利を守る活動など、様々な分野・国々での活動が特徴的です。

寄付金の多くは発展途上国の子供たちの支援へ活用されており、災害や紛争など緊急時にも金銭や物資などで現地の子供たちへ援助活動を行っています。

なお、ユニセフはユニセフ協会(国内委員会)が活動する33の国と地域を含め、現在約190の国と地域に拠点があります。本部はニューヨーク、ヨーロッパにはスイスのジュネーブに事務所があります。

その他、デンマークの首都コペンハーゲンには、支援物資の購入・保管・発送を行う物資供給センターが、フィレンツェ(イタリア)には主に世界子供たちの状況把握・分析・情報発信を行うイノチェンティ研究所があります。

ヨーロッパ・アフリカ・アメリカやカリブ諸国・中東など世界7ヵ国に地域事務所があり、そのうちの1つに日本の「UNICEF東京事務所」があります。

日本とユニセフは戦後間もない1949年、ユニセフから粉ミルク・衣料が日本の子供たちへ提供されたことをきっかけに協力関係が始まり、翌年に日本政府はユニセフの予算に拠出をスタートしました。

UNICEF東京事務所はニューヨーク本部直轄の事務所として、公益財団法人日本ユニセフ協会と協力しながら日本の支援団体や・専門家などとユニセフを結ぶ窓口として活動しています。

2.ユニセフの寄付金の使い道

ユニセフの2020年における収入の総額は75億4,800万ドルで、その内66%が各国の政府・政府間組織から拠出されています。

2020年に10万ドル以上の協力があった日本の団体・企業は、認定NPO法人世界の子どもにワクチンを日本委員会、FNSチャリティキャンペーン・伊藤ハム株式会社などがあります。

なお、ユニセフの2020年における事業支出割合は以下の通りです。子供の生存と成長の割合が最も多く、次いで教育・環境となっています。

事業出資割合(2020年)

事業出資割合(2020年)

※画像引用:unicef「ユニセフ活動の成果2020

事業出資割合(2020年)地域別

事業出資割合(2020年)地域別

画像引用:同上

地域別ではサハラ以南のアフリカ、中東と北アフリカ・アジアが多くを占めています。

日本ユニセフ協会では2020年の募金額は総額224億88万円で、うち83.1%(186億2,000万円)はユニセフ本部を通じて世界の支援に、16.9%は日本国内でユニセフの広報活動や子供たちの権利問題解決のための活動費に使用されました。

3.ユニセフの主な実績4つ

ユニセフは各国の政府や支援団体と75年間、発展途上国の医療やインフラ整備などの活動を行っています。それぞれの実績を詳しくみて行きましょう。

  • 乳幼児死亡率が減少
  • 学校に通っていない子供たちへの教育支援
  • 安全な飲み水の提供
  • 紛争・災害などの支援

3-1.乳幼児死亡率が減少

アフリカ・アジアの発展途上国では、衛生環境が整っていない影響で肺炎・下痢性疾患・マラリアなどによる5歳未満の乳幼児の死亡率が高く、1990年には年間1,250万人、2.5秒に1人、1日に約3万4,000人の子供が亡くなっていました。

ユニセフでは、安全な水・ワクチン提供、栄養改善など環境を整備する活動を行っています。この結果、亡くなった子供の数は1990年の1,250万人から2019年には520万人に減少しました。

なお、生後28日以内の新生児の死亡率は5歳未満児死亡率の47%を占めていましたが、1990年から2018年にかけて出生1000人あたり37人から17人と52%減少しています。

※出典:unicef「5歳未満児死亡

3-2.学校に通えない子供たちへの教育支援

2018年時点、世界における6歳から11歳の児童たちの中で約5,900万人(8%)、12~14歳の児童の約6,200万人(約16%)が学校に通っていないという社会問題があります。このような社会問題に対してユニセフが行った活動の事例を見てみましょう。

アフガニスタン・アコンダン村に住むロババさん(16歳)、ファティマさん(13歳)、ザーラさん(11歳)の3人姉妹も両親が働けず19歳の兄が一人で働き生計を立てていたため、十分な教育を受けられずじゅうたんを編んで、家計を助けていました。

このアコンダン村は2016年に、ユニセフが支援する「ゴールデン・ビレッジ」プログラムに参画して以来、状況がはるかに改善されたという経緯があります。

ユニセフでは、アコンダン村に対して、「子供たちへの予防接種の実施・15歳未満の女子全てに学校に通わせる」、「児童婚の撤廃などの目標を達成する」などの目標達成を公式に約束しました。プログラムにより3人の姉妹全員が学校に通い、教育を受けられるようになりました。

※出典:unicef「アフガニスタン「妹たちを学校に」兄と教育がつなぐ3姉妹の未来

3-3.安全な飲み水の提供

2020年時点、世界で安全な飲み水を使用できる人の割合は74%で、約20億人が安全に管理された水を飲むことが出来ません。

2015年に採択されたSDGs(持続可能な開発目標)では「2030年までに、すべての人々の、安全で安価な飲料水の普遍的かつ衡平なアクセスを達成する。」を目標の1つに掲げています。

ユニセフは中東・北アフリカ地域で水と衛生設備の環境を整えるための支援を行う、イエメンでパートナー団体と協議の上で、井戸に給水タンクを繋げ蛇口を備えた貯水所を設置するなどの活動を各地で行いました。

結果、世界で安全に管理された飲み水を利用できる人の割合は、2000年の62%から2020年には74%に改善しています。

※出典:unicef「水と衛生

3-4.紛争・災害などの状況下にある人々への支援

ユニセフでは紛争や災害によって困難な状況にいる人々への緊急支援・人道支援を行っています。シリアでは2011年から紛争が続いており、2016年には約652人の子どもが殺害され600万人以上が国民避難民となりました。

ユニセフはシリアからエジプト・ヨルダン・イラクに避難した1万9,000人以上の世帯に対し、持続的に現金を給付しました。加えてトルコ・レバノンで暮らす約26万4,000人に、緊急現金給付・物資引換券による支援を行っています。

2017年にはロシア・トルコ・イランが中心となりシリア国内各地域での停戦の実現に向けた3ヵ国の会合「アスタナ・プロセス」を立ち上げています。

しかし、一定の成果は出たものの、2022年3月時点で全土での停戦には至らない状況です。紛争・災害などの影響は長期化しやすいため、長期的・持続的な支援が重要であることが分かります。

※出典:unicef「緊急支援・人道支援

4.まとめ

ユニセフでは寄付金を主にアフリカ・アジア・中東の子供たちの生存と成長、教育支援などに活用しています。これまでの主な実績としては、5歳未満児死亡率の減少、安全な飲み水を使用できる人の割合増加などがあり、紛争・災害時には緊急支援を行っています。

寄付や支援を行う際は、「寄付金がどのように使われているのか」という視点を持ち、適切な団体の活動に繋がるように心がけておくことが大切です。寄付を検討している方が、本記事を参考に、ユニセフの活動内容について理解を深めて頂ければ幸いです。

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田中 あさみ

田中 あさみ

経済学部在学中に2級FP技能士(AFP)の資格を取得。ライターとして不動産投資を含む投資や年金・保険・税金等の記事を執筆しています。医療系の勤務経験がありますので、医療×金融・投資も強みです。HEDGE GUIDEでは不動産投資を始め、投資分野等を分かりやすくお伝えできるよう日々努めてまいります。