マンション投資の出口戦略を成功させる方法は?購入時の注意点や売却タイミングも

マンション投資に関する情報を収集している方の中には、出口戦略の重要性について気になる方も多いのではないでしょうか。

しかし、出口戦略とはそもそも何なのか、どのようにして戦略を立てれば良いのかなど疑問を持つ方も少なくありません。出口戦略とは投資用マンションの購入前に立てる戦略のことであり、マンション投資の成否を左右するポイントです。

そこで本記事では、出口戦略の内容や出口戦略を意識した物件の選び方などについて解説します。

目次

  1. マンション投資の出口戦略とは
  2. 不動産投資の出口戦略を成功させるポイント
    2-1.家賃が大幅に下がらない物件を選ぶ
    2-2.資産価値が保たれやすい物件を選ぶ
    2-3.不動産投資ローンの組み方に注意する
  3. 適切な投資用マンション売却時期
    3-1.基本的には5~6年以上は保有して売却する
    3-2.市街地再開発などによって資産価値の向上を見込める時
    3-3.金融機関が不動産へ積極的に融資を行っている時
  4. まとめ

1.マンション投資の出口戦略とは

マンション投資における出口戦略とは、端的に説明すると「物件を売却する戦略」のことを指しています。

物件を売却すると、投資家の手元には物件の売却益が入ってきて、不動産投資の最終的な利益が確定します。つまり、「この投資用マンションは何年運用するか、いくらで売れることを目標とするか」などについて計画及び予測しておくことを「出口戦略を立てる」と言います。

不動産売却に失敗して売却損を出してしまうと、それまで積み上げた家賃収入を相殺することにもなりかねません。投資を締めくくるという点で、出口戦略はマンション投資における重要な要素であると言えます。

なお、マンション投資における出口戦略を成功させるためには、物件を選ぶ時点で運用期間や売却額の目安を立てておくことが必要です。

2.不動産投資の出口戦略を成功させるポイント

マンション投資において「出口戦略を成功させる」とは「売却を成功させる」とも言いかえられます。出口戦略を意識するのであれば、売却に成功しやすい物件を見極めて購入することが必要です。

2-1.家賃が大幅に下がらない物件を選ぶ

売却に成功しやすい投資用マンションの特徴としては、家賃が下がりにくいことが挙げられます。家賃と売却額が関係する理由は、投資用マンションの売却額を算出する方法にあります。

投資用マンションの売却額は、収益還元法という計算方法で決まることが大半です。収益還元法のなかでも実質利回りをベースとした方法は「直接還元法」と呼ばれ、以下の計算式となります。

直接還元法:1年間の純収益÷還元利回り=不動産価格

収益還元法で物件の売却額を設定する以上、家賃収入が下がると物件の売却額も下がってしまいます。このため、出口戦略を成功させやすい物件を選ぶためには、家賃が下がりにくい好立地の物件などを見極めることが重要です。

なお、マンションを含む投資用不動産の広告には、主に表面利回りが記載されていますが、経費やランニングコストを加味した純収益と還元利回りによる直接還元法で検証することが大切です。物件選びの際は、諸経費についても確認をしておきましょう。

2-2.資産価値が保たれやすい物件を選ぶ

投資用マンションの出口戦略を成功させるためには、購入前に資産価値が保てるかどうかという点で物件を判断することも必要です。出口戦略にマンションの資産価値が関係する理由は、多くの買主がローンを利用するためです。

ローンを利用するにあたり、買主は銀行の審査を受けることになります。銀行の審査においては、購入する物件の資産価値も重要なポイントの1つです。

例えば、RC造のマンションは木造のマンションよりも劣化が遅いため、比較的資産価値を保ちやすい不動産であると言えますが、大規模修繕工事や共用部の設備交換が適切なタイミングで行われるかなど、資産価値の保全有無を判断できるポイントは構造以外にもあるため要注意です。大規模修繕工事など共用部の工事については、長期修繕計画を参照することで判断してみましょう。

その他、物件の資産価値の低下を防ぐには立地も重要なポイントとなります。将来の賃貸需要が見込めるエリアであるかどうか、過去の人口推移や家賃推移なども検証し、判断してみましょう。

2-3.不動産投資ローンの組み方に注意する

不動産投資ローンの組み方によって、出口戦略にも影響があります。

例えば、元利均等返済方式で不動産投資ローンを利用している場合は要注意です。元利均等返済方式では毎月の返済額が一定になり、キャッシュフローを改善できるメリットがあります。

しかし、返済開始当初は支払金利の割合が高く、元金はほとんど減らない点に気を付ける必要があります。元利均等返済方式でローンを利用していると、早い段階で物件を売却する場合は期待していたほど元金が減っておらず、物件を売却しても手残り金がほとんど出なかった、という結果になることもあります。

一方で、元金均等返済方式によって返済する場合は、元金が返済開始当初から一定になります。出口戦略も見据えてマンション投資をする場合は、元金均等返済方式のローンを利用すると、計画的に元金を減らしやすい点が大きなメリットです。ただし、返済開始当初は返済額そのものが大きくなるため、毎月の利益を出しづらい点がデメリットとなります。

【関連記事】不動産投資ローン、元利均等返済と元金均等返済はどっちがお得?特徴を比較

3.適切な投資用マンション売却時期

マンション投資の出口戦略とは、物件の売却時期や売却額について見当をつけておくことと解説しました。しかし、投資用マンションを売却するのはいつ頃が良いのかわからないという人もいるのではないでしょうか。投資用マンションの売却時期について解説します。

3-1.基本的には5~6年以上は保有して売却する

投資用マンションの売却時期として目安になるのは、物件を購入した翌年1月1日以降5年が経過した後です。つまり、物件を購入してから5年から6年の間が最初に訪れる売却のタイミングと言えます。

5年から6年と曖昧な表現をしているのは、譲渡税の税率が切り替わるタイミングが関係するためです。投資用マンションを売却すると、発生した売却益に対して譲渡税が課税されます。譲渡税の税率は物件の保有期間によって以下のように変化します。

  • 物件購入の翌1月1日以降5年未満で売却した場合(短期譲渡):39%
  • 物件購入の翌1月1日以降5年以降が経過してから売却した場合(長期譲渡):20%

※参照:国税庁「土地や建物を売ったとき

物件の売却時期によって税率が19%も変わってきます。このため、出口戦略によって利益を拡大するためには、譲渡税率を下げられる5~6年の保有期間の後が基本的な戦略となるのです。

3-2.市街地再開発などによって資産価値の向上を見込める時

マンション投資の出口戦略を成功させるための方法としては、不動産価格の相場が上昇している時期に物件を売却することも考えられます。しかし、相場の上下動について正確な予測をするのは専門家でも困難です。

一方で、市街地再開発などによって周辺環境が変化する場合は、相場の上下動とは無関係にマンションの価値が上がることも考えられます。

市街地再開発は周辺住民の利便性を向上させ、再開発が完了すれば周辺には人が集まってくることが期待できます。住宅需要が喚起されるため、もともと建っているマンションの価値も上がる可能性があります。

市街地再開発の予定や計画については、自治体のホームページに記載されています。めぼしい物件が見つかったら、立地するエリアにおける再開発計画の有無について確認してみるのも有効です。

3-3.金融機関が不動産へ積極的に融資を行っている時

不動産投資は金融機関の融資を活用して行われるため、金融機関の融資姿勢によって価格が大きな影響を受けることがあります。

金融機関の融資姿勢を推し量るのに重要な指標の一つが「金利」です。金利が低いほど実質的な不動産の取得費が下がり、購入者が増えることで物件価格の向上につながる傾向があるためです。

2022年3月時点、日本の長期金利は非常に低い水準で推移しています。金利が低い水準の時に売却を検討するなど、金利動向を見ながら売却のタイミングを推し量ることも行ってみましょう。

【関連記事】東京のマンション価格が上がった理由は?金利や経済動向から買い時・売り時を検証

まとめ

マンション投資における出口戦略の成否は、エリア選び・保全計画・ローンの返済方式など、物件購入前の時点で決まることが大半です。

物件の購入時に重要なポイントはいずれも事実に基づいて判断することです。イメージで物件やローンの返済方式などを決めてしまうと、期待していた結果を出せないことも考えられます。

マンション投資の出口戦略を立てるためには、事前に投資目的を据えて置き、購入時点で物件のパフォーマンスを数字で確認することが大切です。不動産会社へも相談しながら、出口戦略を立ててみましょう。

The following two tabs change content below.
アバター

HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム

HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チームは、不動産投資や金融知識が豊富なメンバーが不動産投資の基礎知識からローン融資のポイント、他の投資手法との客観的な比較などを初心者向けにわかりやすく解説しています。/未来がもっと楽しみになる金融メディア「HEDGE GUIDE」