TECRA株式会社は不動産クラウドファンディング(CF)「TECROWD(テクラウド)」29号ファンド「Three City Towers(スリーシティータワーズ)」の募集を3月24日午後6時から開始する。カザフスタンの旧首都アルマティ市の中心に建設予定の商業施設と住居の複合施設が対象物件で、運用は4月21日から12ヶ月を予定、年間の配当利回りは9%を想定している。募集金額4億700万円 (別劣後出資1億7410万円)、最低出資金額は10万円。
対象物件は、アルマティ市街でも最も交通量が多いアルファラビ通りとナザルバエフ通りが交差するポイントに位置し、商業施設としても住居としても非常に高い需要が見込まれる中心エリア。今回のファンドの対象となるプロジェクト第一期は土地面積5821㎡、延べ床面積5万550㎡(住居部分2万6800㎡、商業施設部分2万3750㎡)の建物の建設。第一期終了後には第二期、第三期として、第一期の周囲、土地面積2万1000㎡で、55階建ツインタワーの建築を行う予定。
「プロジェクト全体では東京都心部の六本木ヒルズのような複合商業ビルの構造となっており、アルマティ市の将来の新たなランドマークとして、民間のみならず行政からも大きく期待されている」と同社。設計はドイツで著名なJuergen C.B. Willen氏が担当、建設監修は、ドイツに本社を置くKVLグループのカザフスタン現地法人KVLKが務める。
すでに開発許可を取得済である開発用地を取得し、建物の建築確認を取得するための必要資金を募るファンドで、建築確認取得後でないとプロジェクト資金の融資が実行されないため、同ファンドでも建築確認取得後に同社グループ内金融機関であるインベスコアNBFI JSCより融資を受け、TECRA社の固有財産に振り替え、配当・元本償還を行う。すでにインベスコアNBFIからの融資承諾も得た。ファンド償還後は、24年10月の竣工を目指し、建築工事を開始する。
投資家の優先出資に加え、インベスコアグループ各社が劣後出資を行っており、同ファンドの償還時に元本割れが発生した場合は、インベスコアグループが先に損失を負担する。損失がインベスコアグループの出資額を超えた場合にのみ、投資家の皆様の元本が棄損する可能性がある。
なお、ロシア・ウクライナ情勢の影響について、同社は3月8日付で見解を発表した。「カザフスタンは旧ソ連から独立した国家で、ロシアとの関係は決して浅くない。しかし、原油・天然ガス・ウランといった地下資源を豊富に有している資源国であり、最大の輸出品目である原油の輸出などにより外貨準備は潤沢、カザフスタン国内で外資企業が原油採掘を行う際に徴収するロイヤリティーの一部をプールした『国家石油基金』も巨額で、国家収支や財政の面で危機に陥る可能性は低い」と予測する。
また、輸出先もロシア以上の比率で、中国・イタリア・オランダ・ウズベキスタンといった国が多く、ロシア依存ではなく、自立した経済体制が築かれていると考えられるとして「万が一、ロシアとの関係が悪化し、貿易が途絶えるようなことがあったとしても、受ける影響は小さい。むしろ、今般の事態を受けて原油価格が上昇することにより、その恩恵を受ける可能性も高い」とした。
そのうえで「今般のロシア・ウクライナ情勢が、カザフスタン、および当社の組成するファンドへ与える影響は限定的」として、今後も、カザフスタンの不動産を対象としたファンドのリリースを検討・予定している。一方で、今後の動向に注視を続け、投資家に報告すべきことが認められた際には、適宜情報発信を行う。
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※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム
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