ECサイトの利用が増加するとともに、配達時に排出される温室効果ガス(CO2)も増えている。オンラインショッピングは今や生活に欠かせない手段だが、買い物をするほど環境に負荷がかかるとなると、気がとがめるという人も少なくないだろう。この排出されるCO2をポイント化し、環境保全プロジェクトへの寄付を通じてオフセットできる「CO2のポイントサイト」がある。スタートアップ企業のグリービズ株式会社が2023年6月にリリースした「ecotas(エコタス)」だ。
国土交通省によると、2022度の宅配便取扱個数は50億588万個で、前年度比5265万個・約1.1%の増加。トラック運送は49億2508万個、航空等利用運送は8080万個。配達時に排出されるCO2の量も増えていることは間違いない。
グリービズ社は、「ソーシャルグッドをもっと身近に。」を掲げるスタートアップ。社名は、「生活者の心に眠るGreenに対する潜在ニーズをVisualize(顕在化)させたい」という思いに由来する。2022年、革新的なソリューションで公共分野の課題解決に取り組むスタートアップを支援するアマゾンウェブサービス(AWS)のプログラムAWS Startup Rampに採択されている。
同社が提供するエコタスは、一般生活者がふだん通りオンラインショッピングするだけで、配送時に発生するCO2を費用負担なしでオフセットするサービス。利用者は最初に同社のウェブサイトにアクセスし、その後はいつも利用しているECサイトでいつも通り買い物を完結するだけ。
その後、配送で排出されるCO2がポイントとしてエコタスのアカウントに付与される。利用者は、ポイントを自身が応援したい環境保全団体に寄付することで、排出したCO2を相殺することができる仕組み。同社によると、費用負担なしで提供するオフセットサービスは、世界で初めて。
また、同社は環境保全プロジェクトの第一弾として、北海道紋別市・流氷の森プロジェクトと提携している。本プロジェクトは紋別市が所有す200haの市有林で、間伐を実施し整備することで、健全な森林育成とCO2の吸収を図る目的で設立された。エコタスの利用者はサービス開始と同時に、本プロジェクトへのポイント寄付が可能になる。サイトでは、これまでオフセットされたCO2量をグラム単位で公開している。
【関連サイト】ecotas
HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム
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