NISAで買う投資信託のおすすめは?投資目的別に主なファンドを紹介

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NISAを利用すれば、年間120万円までの投資信託における譲渡益や分配金に税金がかからないというメリットを享受できます。ただ、NISA対象の投資信託は数多く、どのようなファンドを選べばいいのか迷っている人も多いでしょう。この記事では、NISAでの運用に適しているファンドについて紹介します。

※この記事は2020年11月30日時点の情報に基づき執筆しています。最新情報はご自身にてご確認頂きますようお願い致します。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。

目次

  1. NISAとは
    1-1.NISAの概要
    1-2.新NISAとは
  2. NISAの投資信託選びのポイント
    2-1.低コストの投資信託を選ぶ
    2-2.分配金を多くだすものは避ける
    2-3.運用実績があるものを選ぶ
  3. NISA向けの投資信託
    3-1.インデックスファンド(初心者)
    3-2.バランスファンド(リスクを抑えたい投資家)
    3-3.アクティブファンド(積極的に値上がり益を狙う投資家)
  4. まとめ

NISAとは

NISAは”Nippon Individual Savings Account”の略で、「ニーサ」と呼ばれています。通常、投資信託を購入した場合、ファンドを売却して得た利益や分配金に対して20.315%の税金がかかります。しかし、NISAを利用すれば、年間120万円の範囲内で購入した投資信託から得られる利益が非課税になるのです(最長5年)。

NISAの概要

NISAは2014年1月にスタートしました。NISA口座で投資信託を購入した場合、売却時の譲渡益と分配金が非課税になります。ただし、特定口座や一般口座で発生した配当や譲渡益との損益通算はできません。NISAの概要は以下の通りです。

利用可能な人 日本に住んでいる20歳以上の人
非課税対象 株式や投資信託から得られる分配金や配当金・譲渡益
非課税投資枠 毎年120万円(上限600万円)
非課税期間 最長5年
投資可能期間 2014~2023年

新NISAとは

NISAは2023年に新規投資枠が終了するので、代わりに新NISAが創設されました。新NISAでは2024年から2028年まで、5年間投資できる期間が延長されます。ただし、現在のNISAとは形が変わり、新NISAでは「2階建て」になります。原則、1階部分を利用しないと、2階部分には投資できません。

1階部分は、つみたてNISAの対象商品のみ購入でき、投資上限額は20万円です。そして2階部分で通常の株式や投資信託の購入ができます。2階部分の投資上限枠は102万円。1階部分と2階部分を合わせて122万円が、新NISAの上限枠になります。

NISAの投資信託選びのポイント

NISAで投資信託を選ぶ際のポイントは、主に以下の3つです。

低コストの投資信託を選ぶ

NISAの目的は、長期での資産形成です。NISAは運用期間が5年と決まっていますが、ロールオーバー(引き続き5年間非課税で保有可能)できるので、投資信託の運用コストである信託報酬は安い方が運用成績アップにつながります。

そして、仕組みが複雑でどのように収益をだしているのかわかりにくいファンドは避けるのが基本です。仕組みがシンプルで、低コストのファンドを選ぶようにしましょう。

分配金を多くだすものは避ける

毎月分配型など分配金を多くだすタイプの投資信託は、NISAに不向きです。NISA口座内で分配金をだした分は「解約」の扱いになり、非課税枠が減ってしまうからです。

また、個別元本(購入時の値段)を下回った部分を分配金としてだすファンドもありますが、その場合は元本の払い戻しとみなされて、一般口座や特別口座で保有していても課税されません。そうしたファンドをNISA口座で購入するメリットはないのです。

年に1回か2回、もしくはなるべく分配金をださない方針で運用している投資信託を選ぶようにしましょう。またNISAでは分配金を再投資する場合でも、新規購入扱いとなり、非課税枠を使うという点にも注意が必要です。

運用実績があるものを選ぶ

NISA専用の投資信託もありますが、購入する場合は新規設定ではなく、実績のあるファンドを選ぶようにしましょう。

投資信託には、規模を表す「純資産総額」と、価値を表す「基準価額」があります。純資産総額とは、投資家から集めた資金の総額に、ファンドの運用成果を加えた金額です。純資産総額の大きいファンドの方が、より幅広い銘柄に投資できます。純資産総額は、ファンドの運用実績や分配された金額によって、増えたり減ったりします。

一方の基準価額とは、投資信託の売買価格のことです。純資産総額を販売している口数で割って求めます。株式の場合、株価はリアルタイムで変動しますが、投資信託の場合は1日1回表示されるファンド1万口当たりの基準価額で売買されます。

ファンドを選ぶときは、純資産総額が大きく、基準価額が上昇しているものを選ぶのが無難です。

NISA向けの投資信託

それでは、NISAで運用するのに適したファンドを紹介します。

インデックスファンド(初心者)

インデックスファンドは、日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)のような指数に連動するファンドです。たとえば、日経平均株価に連動することを目指すインデックスファンドであれば、東京証券取引所に上場している銘柄のうち、代表的な225銘柄に分散投資しているのと同じ効果が期待できるのです。指数に連動するため値動きが分かりやすく、運用コストも安いので、初心者に適したファンドといえます。

主なファンド

※SBI証券の投資信託販売金額人気ランキング(2020/11/2~30集計)より抜粋

バランスファンド(リスクを抑えたい投資家)

バランスファンドとは、債券や株式などひとつの資産だけでなく、複数の市場や資産にバランス良く投資する投資信託です。たとえば、国内債券と国内株式、外国債券と国内株式など異なる市場や資産で運用します。複数の資産に分散投資するので、バランスファンドは手軽にリスクを抑えた運用をしたい投資家に適しています。

投資信託は少額から購入できますが、国内債券・国内株式・外国債券・外国株式など複数の資産に投資しようとすると、通常はまとまった資金が必要になります。しかし、バランスファンドなら1つの銘柄で複数の資産に投資できるので、少額から分散投資したいと考えている人は、バランスファンドの購入を検討すると良いでしょう。

主なファンド

  • 三菱UFJ国際-eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
  • 三井住友TAM-世界経済インデックスファンド
  • 楽天-楽天・米国レバレッジバランス・ファンド

※SBI証券のバランスファンド販売金額人気ランキング(2020/11/2~30集計)より抜粋

アクティブファンド(積極的に値上がり益を狙う投資家)

アクティブファンドとは、目安となるベンチマーク(指数)を上回る運用成果を目指す投資信託です。たとえば、日本株で運用するアクティブファンドの場合、代表的な株価指数である日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)などを上回る成果を目指すものです。

アクティブファンドでは、運用のプロであるファンドマネージャーが、銘柄の緻密な分析や調査を行い、その結果をもとに投資します。ただ、その分、信託報酬などの運用コストがインデックスファンドよりも高い傾向があるのです。

市場平均を上回る運用成果を目指したい人は、アクティブファンドが適しています。ただし、運用成果はファンドマネージャーの腕にかかっているので、大きな損失がでる場合もあるので注意が必要です。

主なファンド

  • SBI-SBI 日本株4.3ブル
  • SBI-SBI 日本株3.8ベア
  • レオス-ひふみプラス

※SBI証券の投資信託販売金額人気ランキング(2020/11/2~30集計)より抜粋

まとめ

NISAは、年間120万円までの投資に対する譲渡益や分配金に税金がかからない制度です。ただ、少しでも運用益を高めるために、きちんと運用実績を調べたり、低コストのファンドを選んだりすることが大切です。また、リスクを抑えたい投資家はバランスファンドが、値上がり益を積極的に狙いたい投資家は、アクティブファンドが向いています。

自身の投資目的に合わせて、長期的な目線で運用するファンドを選んでみてください。

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山下耕太郎

一橋大学経済学部卒業後、証券会社でマーケットアナリスト・先物ディーラーを経て個人投資家・金融ライターに転身。投資歴20年以上。現在は金融ライターをしながら、現物株・先物・FX・CFDなど幅広い商品で運用を行う。ツイッター@yanta2011