災害発生後、被災地では、食料品や飲料、衛生用品などさまざまな物資が不足しています。
しかし、「地震や台風などの被害に遭われた方に何かできることはないのか」、「自分にできることは何だろう」というように、被災地支援やボランティアの取り組み方について悩んでいる方も多いかと思います。
そこでこの記事では、迷惑をかけずに被災地支援やボランティアを行う方法と注意点について詳しくご紹介します。初めて被災地支援を行うためどのような点に注意すべきかわからない方や社会貢献について関心を持っている方、一歩踏み出す方法を探していた方は、参考にしてみてください。
目次
- 被災地の方に迷惑をかけない被災地支援
1-1.必要とされている支援物資を必要な時に送付
1-2.寄付・募金による支援
1-3.被災後の混乱が収まったあとに観光などで支援 - 被災地で迷惑をかけないようにボランティアを行う方法
2-1.被災地の状況を事前に確認
2-2.服装や復旧活動用の道具などを確認
2-3.ボランティア活動保険の検討
2-4.災害ボランティアの内容を確認
2-5.災害ボランティアセンターで受付を行った上で活動 - 被災地でボランティアを行う際の注意点
3-1.被災地支援の3原則を確認
3-2.被災地で物資の調達や支援を受けない
3-3.被災された方への配慮を忘れない - まとめ
1.被災地の方に迷惑をかけない被災地支援
被災地支援は、現地でのボランティア活動だけではありません。遠隔地から支援を行う方法があるので、それぞれの方法を理解した上で検討してみるのが大切です。
まずは、被災地の方に迷惑をかけない支援方法を確認していきましょう。
1-1.必要とされている支援物資を必要な時に送付
被災直後の物資不足を少しでも改善させたい、協力したい時は、現地で不足している物資を支援するという方法を検討できます。災害発生直後から数日もしくは1ヶ月以上の時点では、被災地でさまざまな物資が不足しています。テレビやSNSなどでは被災地で何が不足しているのか伝えられているので、支援物資を準備することも可能です。
ただし、災害発生直後は物流ルートも混乱しているので、必要な時にすぐ物資を届けられないケースも出てきます。さらに各個人が大量に物資を届けると、品物の仕分けや内容の確認に時間や手間もかかり、被災地に迷惑をかけてしまいます。
必要な時に必要な量の物を届けるのが、支援物資の基本です。支援物資を届けたい時は、被災地や物流に関する情報を逐一確認し、必要な物資を迅速に届けられるか慎重に見極める必要があります。
物流ルートの確保や現地で必要とされている物資を正確に把握できない時は、支援物資以外の方法でサポートしましょう。
1-2.寄付・募金による支援
事前準備を行わずに始められる被災地支援の1つが、募金活動への参加です。被災地支援向けの募金は、被災から数か月から1年以上経過したのち、生活再建や事業再建に取り組む方々の支援活動に充てられています。募金を行う際は、銀行振込やクレジット決済、コンビニ払いなどがさまざまな方法から選択できます。インターネット寄付の場合は、寄付を募っている団体サイトへアクセスし、クレジット決済などで任意の金額を募金していく流れです。
赤い羽根共同募金やYahoo!ネット募金で寄付を行う時は、インターネットネット寄付を選択できます。なお、募金支援の際は、募金先の団体を確認する必要があります。募金団体の中には詐欺を目的とした団体もあるので、活動内容や実績、所在地などにおかしい点がないか確認しましょう。
実際に被災地で支援を行っている団体に直接寄付をすることも現地の方々にとって大きな力になります。たとえば、地震や大雨被害の際が起きた際の災害支援活動実績がある団体として、認定NPO法人 難民を助ける会や認定NPO法人 ピースウィンズ・ジャパンなどがあります。
被災地支援は災害が起きた直後だけではなく、10年単位の長期にわたる復興支援が必要となるケースが少なくありません。被災地支援の団体に継続的に寄付をしていくことは、長期的な支援を必要とする被災地の復興活動にとってとても大きな力になります。
1-3.被災後の混乱が収まったあとに観光などで支援
災害発生後の混乱が収まったあとは、被災地で生産されている特産品の購入や観光などを行うことで復興支援につながります。被災地支援は、災害発生直後の復旧作業や募金だけではありません。また、災害の規模が大きければ大きいほど、復興に時間と費用もかかります。
被災地で立ち上がった新しいサービス、飲食店、復旧および再開されたお店は、多くの方が利用し続けていくことで成長していきます。観光なら被災地支援に関する専門的な知識や技術がなくとも、取り組みやすい支援の1つです。
2.被災地で迷惑をかけないようにボランティアを行う方法
被災地支援のために自ら行動したいという場合は、災害ボランティアへの参加という方法もあります。ここからは、被災地で迷惑をかけないようにボランティアを行う方法と流れについてわかりやすく紹介します。
2-1.被災地の状況を事前に確認
災害ボランティアへ参加する場合は、まず被災地の状況を情報収集しておく必要があります。
災害による被害状況は、時々刻々と変わります。場所によっては、ボランティアの受け入れ態勢が整っていないケースや、ボランティアの受け入れ人数を規制しているケースもあります。
他にも災害復旧活動の内容は、場所や状況によって大きく異なる可能性があります。被災者の方々や他のボランティア参加者へ迷惑をかけないよう、災害ボランティアの受け入れ状況や復旧活動の状況を全国社会福祉協議会などで確認するのが大切です。
2-2.服装や復旧活動用の道具などを確認
被災地の情報を確認したあとは、災害ボランティアへ向けて服装や持ち物、復旧活動に必要な道具を確認および準備していきます。以下、主に必要となる持ち物や服装を紹介します 。
- 防塵マスク
- 軍手
- 帽子もしくはヘルメット
- タオル
- 長袖と長ズボン(汚れてもいい服装)
- 常備薬
- 長靴
- 弁当
- 飲料水
- 救急用品
がれきの撤去や泥のかきだしなどといった作業は、靴や服なども汚れてしまいます。服装を検討する際は、汚れてもいいものから選ぶのが大切です。さらに作業用の軍手やタオル、長靴などを揃えておくことが、災害ボランティアへ参加する際に押さえておくべきポイントです。
服装や持ち物の他には、現地の宿泊先を確保したり交通費や食事代などの予算を確認したりしておきましょう。災害ボランティアを行う際に被災した方へ食事や宿泊先を頼ってしまっては、迷惑になったり負担をかけてしまいます。
2-3.ボランティア活動保険の検討
災害ボランティアを行う際は、被災地でのケガや損害賠償といったリスクを抑えられるボランティア活動保険について検討した方が良い場合もあります。ボランティア活動保険とは、国内のボランティア活動中に生じたケガや他者への賠償責任による費用負担を補償してもらえる保険のことです。社会福祉協議会へ登録したのち、ボランティア活動保険の加入手続きを進めることが可能です。
特にがれきやブロック塀の撤去、泥のかきだし、割れた食器や破損した家具および家電の撤去や住宅清掃といった作業中は、ケガに注意する必要があります。他にも地震被害の起きた場所では、余震によって建物の倒壊、土砂災害といったリスクも出てきます。
ボランティア活動保険へ加入しておけば、万が一ケガをしたとしても入院や治療費用などを補償してもらえます。さらに誤って被災された方の私物を壊したり紛失したりといった場合、賠償責任を保険でカバーすることが可能です。
2-4.災害ボランティアの内容を確認
災害ボランティアへ参加する場合は、どのような作業が求められているのか内容を確認しておきましょう。災害ボランティアで行われている主な作業は、以下のような内容です。
- 泥のかきだしと洗浄
- 被災された方の住宅や公共施設の内外を清掃
- 被災された方の荷物を整理、洗浄
- 避難所での炊き出し
- 災害ボランティアセンターで運営管理の協力
- 被災された方との交流
- 被災地域でのイベント企画、サロンなどの運営
災害発生直後に求められる活動は、主に復旧活動です。津波や台風、地震といった災害の場合は、住宅や公共施設の損壊、ガードレールやブロック塀などの破損といった状況になります。
そこで災害ボランティアを行っている方は、清掃やがれきなどの撤去、被災された方の私物などを整理する必要があります。
撤去作業以外には、避難所での炊き出しや交流、災害ボランティアセンターの運営管理などといった活動も重要です。特に交流活動は、災害や避難生活で疲弊したり心が傷づいたりしている被災者を少しでも癒すことができる大切な活動といえます。
2-5.災害ボランティアセンターで受付を行った上で活動
災害ボランティアを行う上で欠かせないポイントが、災害ボランティアセンターでの受付登録と報告や記録です。
災害ボランティアセンターは、社会福祉協議会で実施されている災害ボランティアの運営管理組織です。具体的には、被災地で災害ボランティアをスムーズに進められるよう、個人でのボランティア参加者と支援活動の必要な場所をマッチさせています。
そのため、災害ボランティア参加者は、迅速に支援を必要としている場所へ赴くことが可能になります。さらに被災地を災害ボランティアセンターのバスなどで移動できるため、移動の負担を軽減することが可能です。
復旧活動を行ったあとは、災害ボランティアセンターへ報告することで、これからどのような支援を行えばいいのかセンター側で分析と改善を行ってもらえます。長期的かつ効率的な支援には、災害ボランティアセンターへの協力も重要です。
3.被災地でボランティアを行う際の注意点
ここからは、災害ボランティアで被災地に迷惑をかけないために注意すべきことを解説していきます。
3-1.被災地支援の3原則を確認
災害ボランティアを始める際は、被災者中心、地元主体、協働という災害ボランティアセンターの3原則を参考にしましょう。
- 被災者中心:被災者のニーズをくみ取ったり寄り添ったりしながら復興、復旧活動のサポートを行っていく
- 地元主体:被災地支援を行う際は地元の考え方やコミュニティについても配慮しながら復興活動を進めていく
- 協働:個人による災害ボランティア参加であっても、他のボランティア参加者やNPO法人、復旧関連の関係機関と連携しながら取り組んでいく
※参照:全国社会福祉協議会地域福祉部「災害時の支援」
被災された方へのサポートを行う際は、言葉にも配慮しながら寄り添うことも大切です。他にも災害ボランティアセンターやボランティア参加者の意見を通すのではなく、被災された方の生活、地元スタッフの負担を考慮しながら長期的な視点で支援を考える必要があります。
災害ボランティアを始める前に3原則を覚えておけば、被災された方や他のボランティア参加者などへ迷惑をかけず、かつ円滑に復旧作業を進めることが可能です。
3-2.被災地で物資の調達や支援を受けない
災害ボランティアでは、自己完結の考え方を持っておくことが重要です。被災地で買い物や飲食してしまうと、現場の大きな負担につながりますし、被災された方に迷惑をかけています。
災害ボランティアへの参加を決めた場合は、食料品や飲料水を自身で用意しておきます。さらに宿泊先も事前に決めておき、現地で混乱を招かないよう配慮しておくことも重要なポイントです。
他にも現地でのケガや体調不良は、他のボランティア参加者や被災者への負担につながります。そのため、ボランティア作業を始める際は、体調やケガに注意が必要です。
3-3.被災された方への配慮を忘れない
災害ボランティア中の行動や言動には特に配慮を忘れず、被災された方に寄り添うことも注意点であり大切なところです。被災された方は、災害により家族や友人、知人、自宅や大切な物、仕事など失っている状況です。さらに慣れない避難所での生活や先の見えない状況で、大きなストレスや不安を抱えています。
可能なかぎり言動や行動に配慮し、交流や支援を積み重ねていくことで、心の復興につながります。
まとめ
被災された方の迷惑にならないよう被災地支援を始めるには、個人による支援物資のリスクや募金団体の確認など、支援方法の注意点を押さえておく必要があります。また、災害ボランティアへ参加する場合は、必要なものを現地で調達しないよう、服装から持ち物などを事前に準備しておくのが基本です。
被災地支援に強い関心を持ち始めた方や自分にできることは何か悩んでいる方は、今回の記事を参考にさまざまな支援方法を調査したり行動に移したりしてみてはいかがでしょうか。
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菊地 祥
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