ふるさと納税ポータルサイト「ふるさと納税サイト「さとふる」」を運営する株式会社さとふるは6月2日、サイトに掲載しているお礼品のうち、SDGs(持続可能な開発目標)17の目標に関連するキーワードを含む登録数が、今年4月の時点で前年比約6.9倍に増加したと発表した。環境に配慮して作られたお礼品や廃棄物を再利用したもので、SDGsへの注目や自治体・事業者の意識の高まりがふるさと納税のお礼品にも反映されてきた。
ふるさと納税では、寄付金使途を指定して寄付することが可能だ。同社では20年5月から今年4月までの期間、掲載しているお礼品約25万点について「サスティナブル、エシカル、環境配慮、リサイクル、エコマーク、就労支援、バリアフリー、食育、障がい者支援、フードロス、紙ストロー、端材」といったキーワードを含むものを選出した。地域の特産品とSDGsを組み合わせた企画が増えている。
例えば、北海道下川町の「未来の人と自然へ繋ぐしもかわチャレンシ2030」。同町は北海道の北部に位置し、農業と林業を基幹産業とする町だ。町の面積の88%が森林であり、古くから森の恵みを受けながら発展してきた。特色ある寄付金の使い道として、「森林(もり)づくり事業」「SDGs 未来都市しもかわ推進事業」がある。森林づくり事業では、町の森林づくり寄付条例に基づき毎年一定額を森林づくりに活用。SDGs未来都市しもかわ推進事業では、多くの地域が抱える少子高齢化や環境・エネルギーなどの課題をいち早く解決するモデルとなる取り組みを進めている。
西日本では、熊本県小国町の「地熱と森林の恵み、人とのつながりがもたらす持続可能なまちづくりを目指して」がある。同町は九州のほぼ中央、熊本県の最北端に位置し、町の総面積の 78%を森林が占める自然豊かな町だ。豊富な地熱資源にも恵まれ、岳の湯・杖立地区には多数の温泉観光施設がある。寄付金の使い道として「環境にやさしいまちづくり」を設けており、「環境モデル都市」「SDGs未来都市」として、林業担い手育成事業など地熱とバイオマスを活かした農林業タウン構想の実現のために活用している。
ほか、大漁旗を再利用したトートバッグとTシャツ(北海道白老町)、不要になった羽毛布団を回収したアップサイクル寝袋(山梨県都留市)、端材を使った国産材キット(京都府木津川市)、農薬使用量を県が定める基準の半分以下の数値になるよう栽培した減農薬のトマト(福岡県東峰村)など。ふるさと納税制度を通じた地域活性化にも、SDGsは浸透しつつあるようだ。
同社は「ふるさとの元気を“フル”にする、ふるさとの魅力が“フル”に集まる ふるさと応援、ふるさと納税ポータルサイト」をコンセプトに、寄付者向けに「さとふる」で寄付先の自治体やお礼品の選定、寄付の申し込み、寄付金の支払いなどができるサービスを提供。自治体には同制度に関するサポート業務を行う。今年5月に6自治体の取り扱いを開始、サイトの掲載自治体数は5月末時点で計926自治体(2府18県および906市区町村)となった。
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HEDGE GUIDE 編集部 ふるさと納税チーム
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