まだ使用できるおもちゃや洋服などが家にある方、児童養護施設で暮らす子供たちのために寄付したい方の中には「どうやって施設に寄付を行えば良いのだろう」とお考えの方も多い事でしょう。
児童養護施設へ物品の寄付を行う際には、支援団体を通して寄付を行う、児童養護施設に直接寄付するという2つの方法があります。
本記事では、児童養護施設におもちゃ・洋服など物品を寄付する手順や注意点を解説していきます。
目次
- 児童養護施設とは
- 児童養護施設におもちゃ・洋服などの物品を寄付する手順
2-1.寄付方法を決める
2-2.支援団体を通して寄付
2-3.児童養護施設に寄付を行う
2-4.寄付先のルールを調べる
2-5.物資を送付する - おもちゃ洋服などの物資を寄付する際の注意点
3-1.問い合わせてから寄付を行う
3-2.施設や物品によっては寄付ができない場合も - まとめ
1.児童養護施設とは
児童養護施設は、経済的な理由や親からの虐待や暴力、ネグレクトなど、何らかの事情により保護者のいない子供たちが暮らしている施設です。2019年11月時点で全国に607の施設があり、入所している子供達の数は約32605人に上ります。
厚生労働省が2020年に発表した「児童養護施設入所児童等調査の概要」によると、児童養護施設に入所している児童の平均年齢は11.5歳、平均入所年齢は6.4歳となっています。
割合としては中学生が最も多く、次いで小学校高学年、小学校低学年となります。
児童養護施設の他に子供達への支援を行っている福祉施設は、乳児向けの施設である乳児院、母子家庭を対象とした母子生活支援施設、社会生活への適応が困難となった児童をケアする児童心理治療施設などがあります。
2.児童養護施設におもちゃ・洋服などの物品を寄付する手順
児童養護施設におもちゃ・洋服を寄付する手順は主に下記の3つとなります。
- 寄付方法を決める
- 寄付先のルールを調べる
- 物資を送付する
2-1.寄付方法を決める
児童養護施設に寄付を行う際は、①支援団体を通して寄付、②児童養護施設に直接寄付をするという2つの方法があります。
寄付を受け付けている歴史の長い支援団体では、物品が贈られた時にスムーズな対応が期待できる一方で、児童養護施設で初めて寄付されたケースなどは子供たちの手元に渡るまで時間がかかる事もあります。
しかし、児童養護施設に直接寄付をおこなうことで、「子供たちの手に確実に物品が渡る」というメリットもあります。2つの方法のどちらが自分の寄付の目的や思いと合致しているかを考え、方法を選びましょう。
なお、支援団体を通して寄付を行う際には、団体の活動内容や寄付の使い道など「寄付先の団体が信頼できるか」をチェックしておきましょう。
2-2.支援団体を通して寄付
子供達への物品寄付を受け付けている児童養護施設の支援団体に寄付を行います。
児童養護施設の支援団体の中で、物品の寄付を受け付けている団体としては「社会福祉法人子供の家」や「社会福祉法人共生会」「社会福祉法人青少年福祉センター」などがあります。
社会福祉法人子供の家では、子供たちが施設を退所した後の生活に向けた物品の寄付を募集しています。家電や家具・洋服などを必要としている可能性がありますので、電話や問い合わせフォームから連絡してみましょう。
社会福祉法人共生会には、これまでに季節のフルーツなどの食品、家電・家具・車両、テーマパークのチケットなどの寄付がありました。施設ごとに「欲しいものリスト」を公開しており、2021年5月26日現在、おもちゃや家電、タオルケットなどがリストに入っています。
時期によって必要としているものが異なりますので、事前の問い合わせを呼びかけています。
2-3.児童養護施設に寄付を行う
児童養護施設へ直接寄付を行いたい方は、自身の住んでいる地域や支援したいエリアにある児童養護施設を調べてみましょう。
社会福祉法人・全国児童養護施設協議会のホームページ内の「全国児童養護施設一覧」では、全国の児童養護施設の所在地や電話番号などを知ることができます。
自治体のホームページで寄付先の児童養護施設一覧を案内する、役所で寄付の相談を受け付けている場合もありますので、居住している又は寄付を行いたい自治体のホームページを調べてみましょう。
2-4.寄付先のルールを調べる
支援団体や児童養護施設に問い合わせを行う、ホームページを確認するなどの方法で、物品を寄付できるか、どうやって寄付を行うかを調べましょう。
多くの場合は希望している物品と一致する場合に、宅配便で送付する流れとなります。
2-5.物資を送付する
物品を段ボールや梱包資材に入れ、すきまがある場合には緩衝材を入れます。段ボールや緩衝材はホームセンターで手に入ります。
主に宅配便で支援団体や児童養護施設に送付します。殆どのケースでは寄付者が送料を負担することになるため、注意しておきましょう。
3.おもちゃ洋服などの物資を寄付する際の注意点
時期や物品・施設によって必要としているものは異なります。そのため問い合わせを行わず寄付をすると、おもちゃや洋服が本当に必要としている子供たちの手に渡らない可能性があります。
物資を児童養護施設・支援団体に寄付する際には、事前に必要可否や受付方法を問い合わせてから送付するようにしましょう。
3-1.問い合わせてから寄付を行う
例えばおもちゃを寄付したい場合、同じおもちゃが施設に複数ある、おもちゃの対象年齢に当てはまる子供がいない可能性があります。
上記のケースでは他におもちゃを必要としている施設に送ることが、子供たちに適した支援となります。対象年齢によっては、児童養護施設よりも乳児院といった他の施設が適しているケースもあります。
また自身では厚意のつもりで物品の寄付を行っても、相手の受け止め方や環境によっては逆に子供を傷つけてしまう恐れがあります。
児童養護施設に入所している児童は家庭環境が複雑である子供が多く、職員も家族との関係や精神的・情緒的なケアに重きをおいています。支援したい施設や団体には、物品を必要としているか否かを問い合わせた後で寄付を行いましょう。
3-2.施設や物品によっては寄付ができない場合も
児童養護施設や支援団体によっては、新品又は新品同様の物品を募集している所があります。
例えば、埼玉県のホームページでは以下のような留意点が記載されています。
子供たちの尊厳を傷つけるような物品(例:使い古しの衣服等)の寄贈はご遠慮ください。
個人の思い出品(雛人形等)は施設が受け取れない可能性もあります。
このように、物品の状態によっては寄付ができない可能性があります。その他、雛人形といった個人の思い出品は施設が受け取れないことがあり、物品の種類によっても寄付の可否は異なっていることが分かります。
相手のことを想って行った行為が、逆効果になってしまう可能性があります。物品を送る前に問い合わせ、事前に確認しておくことが大切です。
まとめ
児童養護施設の概要や児童養護施設におもちゃや洋服など物資を寄付する手順、寄付を行う際の注意点をお伝えしてきました。
金銭の寄付と違い物資の寄付は「相手が今この物品を必要としているか否か」が重要となります。
寄付を行う際には、事前に必要可否や受付方法などを尋ねてから送付する事で、「子供たちを支援したい」という寄付者の意図が伝わりやすくなります。この記事でご紹介した手順を参考に、慎重に検討してみましょう。
田中 あさみ
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