法人名義でソーシャルレンディング口座を開設するメリット、デメリット

不動産投資など副業を行っている人の中には、個人事業主として投資を行うのではなく、法人として資産の運用を行っている人もいます。ソーシャルレンディング会社に口座開設を検討する時は個人だけではなく、法人での口座開設も可能なのかどうかという点が気になる人もいるでしょう。

ではソーシャルレンディングにおいても法人として口座を開設し、運用した方がいいのでしょうか。そこでソーシャルレンディングで法人口座を開設するメリットとデメリットについて考えてみましょう。

目次

  1. ソーシャルレンディングでも法人名義での口座開設は可能
    1. 法人用口座開設の手順は個人とほぼ同じ
    2. マイナンバーは法人用のものを使う必要がある
  2. 法人でソーシャルレンディング投資することのメリット
    1. 投資金額が多ければ法人が有利
    2. 短期運用案件に投資することで資金運用の無駄をなくす
  3. 法人口座でソーシャルレンディング投資する際の注意点
    1. 投資額や所得が少額であれば個人で投資したほうが良い
    2. 案件の運用期間中に資金を引き出せない点には要注意

1 ソーシャルレンディングでも法人名義での口座開設が可能

maneoマーケットやそのシステムを流用しているいわゆるmaneoグループ、またクラウドクレジットオーナーズブッククラウドバンクといった大手のソーシャルレンディング会社など、大半のソーシャルレンディング会社では法人名義での口座開設が可能です。

ただし個人名義での口座開設とは多少流れが違っていますので、以下で詳しく見ていきましょう。

1-1 法人用口座開設の手順とは

例えばmaneoマーケット、そしてmaneoマーケットのシステムを流用している会社を例に挙げてみましょう。

まず、個人での口座開設は、以下のような流れとなります。

  1. ウェブサイト内で個人情報など必要事項を記入
  2. 運転免許証などの身分証明書を提出
  3. 確認後送付されるハガキに記載される数字を記入
  4. 投資家登録の完了

しかし法人での開設に関しては、maneo系列の会社では以下のように個別対応となっています。

>◆法人での運用・投資をご希望の方
『会社の余裕資金を短期で運用したい』というご要望を多くの法人から頂いております。
maneoでは、法人での登録も受付致しております。
個別に対応しておりますので以下の連絡先までご連絡下さい。

1-2 マイナンバーは法人用のものを使う必要がある

またもう一点注意があります。現段階では必須ではありませんが、ソーシャルレンディング会社では投資するにあたり、マイナンバーの提出を求めています。2019年以降投資を行うにあたっては、マイナンバーの提出が必須になってきます。

法人にも、法人番号と呼ばれるマイナンバーが付与されています。そのため今後法人で口座開設してソーシャルレンディング投資をする際には、法人番号の提出が必要になります。これから法人名義で口座を開設しようという人は、あらかじめ法人番号を登録しておきましょう。

2 法人でソーシャルレンディング投資することのメリット

では具体的に法人でソーシャルレンディング投資することのメリットとは一体何になるでしょうか。結論から言えば、「節税ができる」という点になります。

2-1 投資金額が多ければ法人が有利

個人として投資する場合と法人として投資する場合では、それぞれ所得に対する税率が変わってきます。例えば資本金が1億円未満の小規模企業で、所得が800万円未満の法人では法人税率は15%、800万円を超えても23%です。

一方でサラリーマンが副業目的で投資して得た利益と、給与所得を合わせた総所得が330万円を超える個人の場合、所得税率は20%です。660万円を超えると23%、900万円を超えると一気に跳ね上がって33%です。

税額の違いも見てみましょう。

仮に給与総額が600万円で各種税金や控除を差し引いた手取り収入が400万円、そしてソーシャルレンディングの利益が150万円だとします。この場合の所得は合計で550万円となり、所得税率は20%です。つまり550万円の所得から110万円が税金になります。

ところが所得が600万円の法人の場合、その法人税率は15%。つまり税金は90万円です。

またソーシャルレンディング投資で多額の利益があり、給与所得と合わせて1,500万円に達する場合の税率は33%。所得税額は500万円近い数字になってしまいます。
一方で法人に1,500万円の所得があっても法人税は23.2%。法人税額は約350万円です。

このように所得税の金額においては、個人事業主よりも法人の方が有利になることが多いのです。ただし所得税以外にも個人事業主やサラリーマンの場合は住民税が存在しますし、法人の場合は法人住民税や法人事業税がかかってきます。また、法人から役員報酬を支払う際には、報酬額が個人の所得に加算され、所得税が課税されるという点にも注意をしておきましょう。

基本的には所得税率が大きく上がる900万円を一つのラインとして、個人事業主もしくは副業として投資するのか、また法人を作って投資するのかを考えた方が良いでしょう。

2-2 短期運用案件に投資することで資金運用の無駄をなくす

法人がソーシャルレンディング投資を行うことのもう一つの大きなメリットには、短期集中で投資ができる点が挙げられます。企業として投資を行う場合、事業の開発や店舗の開発など、投資においても1年から2年スパンでの計画が必要となることが多く、計画を立てるための時間も必要です。また利益が出るまでの時間もかかります。

しかしソーシャルレンディングであれば、分配金は投資した翌月から入ってきます。運用期間も最短でなら1ヶ月、その他にも3ヶ月や6ヶ月といった比較的に短期での投資が可能で、利益が入るのも早い案件を選べます。

事業立案がままならず、資金を眠らせてしまうことがもったいないという時には、その余剰資金をとりあえずソーシャルレンディング投資に回せば毎月の分配金収入が見込めます。

このように短期運用案件を中心に投資すれば資金の取り回しもよく、手軽に収益をあげられるのがソーシャルレンディング投資のメリットと言えます。

3 法人口座でソーシャルレンディング投資する際の注意点

では、法人口座を開設し、ソーシャルレンディングに投資する際のメリットやリスクには何があるでしょうか?

3-1 投資額や所得が少額であれば個人で投資したほうが良い

所得金額がそれほど多くない人は、わざわざ法人を作る必要はありません。例えば給与所得が400万円の人の場合、給与所得者控除などを差し引くと年間の所得は200万円台になることが多いです。その場合の所得税率は10%になります。法人の税率は最低でも15%ですから、個人事業主もしくはサラリーマンの方が税金は安くなります。

また法人はたとえ赤字でも、毎年一定の費用が発生します。その他にも税務署への申告や手続きなど、個人事業主よりも煩雑な経理関係の処理が必要となってきます。税理士に事業委託するにしてもその費用を考えれば、法人は年間数十万円の維持コストがかかります。

こういった点を考慮に入れると、収入が少ない方にとっては個人で投資した方が良いと言えるでしょう。

3-2 案件の運用期間中に資金を引き出せない点には要注意

また法人に限ったことではありませんが、ソーシャルレンディング投資は案件の運用期間中に自由に資金を引き出すことができないというデメリットもあります。

特に法人の場合、急に現金が必要になることもあり、決算に合わせて数字を調整しなければいけないこともあります。そういった際にソーシャルレンディングに投資していると自由に資金を運用できず、会社の運営に思わぬ影響がでることもありえます。

また投資である以上、必ずしも利益が出るとは限りません。短期運用の案件でも損失が発生する可能性は想定しておかなければいけません。返済遅延が起きた時には、運用期間以上に資金が長期間拘束される可能性もあります。こういったリスクにもよく注意しておきましょう。

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HEDGE GUIDE 編集部 ソーシャルレンディングチーム

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