ソーシャルレンディングは危険?貸倒れを回避するための7つのポイント

ソーシャルレンディングのリスクの中で、最も避けたいのが「貸倒れリスク」です。貸倒れが起こってしまうと、投資資金が全額回収できない恐れがあります。日本国内でソーシャルレンディング案件を運用している会社では、これまでの貸し倒れが0件であることを謳っている会社もありますが、過去に問題がなかったからといって、今後も問題が起きないと考えるのは早計です。

むしろ、ソーシャルレンディングが新しい投資領域であることを考えると、近い将来に問題が起こると仮定して動いていくことが大切です。そこでこの記事では、投資案件での貸し倒れリスクを避ける上で、案件のどのような点に注意を払えば良いのかということを詳しく見ていきたいと思います。

  1. 案件に担保がしっかりと設定されているかを見る
    1. 換金性の低い担保は危険
    2. 担保が設定されていない案件もある
    3. 不動産担保でも注意が必要
  2. 利回りの高い投資案件にも注意する
    1. 利回りの高さは返済リスクにつながる
    2. ソーシャルレンディング会社の融資利回りもチェック
  3. 運用期間は短いほうが貸倒れリスクは低くなる
    1. 運用期間が長いと市況変動リスクがある
    2. 短期運用案件ならば会社の業績リスクが低い
  4. まとめ

1 案件に担保がしっかりと設定されているのかを見る

ソーシャルレンディングは事業用資金を必要とする会社に融資を行い、その金利を投資家に分配します。基本的に融資の際万が一にも返済できなくなった時のために担保を設定しています。
つまり貸し倒れが起きてもその担保を換金し、貸したお金が戻って来れば問題ありません。案件の詳細を見ながら担保がしっかりと設定されているかをチェックしていきましょう。

1-1 換金性の低い担保は危険

ソーシャルレンディング案件には様々な担保が設定されています。融資を受ける会社からの保証付き、または融資先の会社の社長個人の保証付き案件もあります。そういった担保の中で比較的人気が高いのは、融資先の会社が所有する不動産を担保に設定している案件です。

また中には機械や設備といった動産を担保にしたり、融資を受けた会社が権利を持つ債権や融資先の会社の事業権を担保に設定している場合もあります。

しかし債権や事業権は換金しようとしても、売却先を見つけるまでに時間がかかることもありますし、価値が大幅に下がることもあります。設備や機器などの動産も買取先を探す手間や経年で価値の下落リスクがあります。

不動産は売買市場が確立されており、換金性が高い

不動産は売買市場が確立されており、また近年の市況は都心を中心に値上がりしているため、換金性が高い担保となっています。国による公示地価など価格の基準があるため、価値も分かりやすいと言えるでしょう。

その他の担保は、不動産と比べると換金性が低くなってしまいます。そのため、これらの担保を設定している案件はややリスクが高いと考えたほうが良いでしょう。

1-2 担保が設定されていない案件もある

また全てのソーシャルレンディング案件において担保が設定されているわけではありません。海外事業への融資を中心に行っているクラウドクレジットではあえて担保を設定せず、その代わりに利回りを高くしたハイイールド型という案件を提供しています。

海外では日本と法律が異なるため、融資金利が30%~40%という案件も設定可能です。そのため投資家に対して高い利回りを提供できるのですが、融資金利が高いということは借り手にとっては返済額が大きいということになりますので返済不履行になるリスクも高くなります。

クラウドクレジットではこのようなリスクを案件情報内に提示していますので、リスクを確認した上で投資をするようにしましょう。

1-3 不動産担保でも注意が必要

また不動産が担保に設定されていても、必ずしも安心できるわけではありません。今年の2月に行政処分を受けたラッキーバンクでは、担保として設定する不動産の評価額を自社独自の基準で設定していました。そしてそれが行政処分を受ける一因になったのです。

例えば4,000万円の融資案件に5,000万円の不動産を担保として設定します。投資家がこのような情報を見れば、融資が返済できなくなっても不動産を売却すれば安全かつ妥当だと思うものです。

しかし5,000万円という不動産の評価額が独自基準で算出されたものだった場合、極端な話をすれば、実際に売却してみたら評価額5,000万円の不動産が1,000万円にしかならないこともありうるのです。

不動産を担保に設定している案件の評価額が適正なものかどうかを見極める方法の一つは、不動産評価の実績が豊富な第三者に評価を依頼することです。たとえば、レンデックスでは、大手不動産会社である東急リバブルが担保不動産の査定を行っており、自社の評価額と東急リバブルの査定額の低い方を評価額に設定することで評価額の信頼性を高める取り組みをしています。

2 利回りの高い投資案件にも注意する

案件を選ぶ際、利回りの高さだけで選んでしまっているという方も少なくないでしょう。しかし、投資家の利回りが高い案件は、融資先に対して高い金利で融資を行っていることになります。以下では、この点について詳しく見ていきましょう。

2-1 利回りの高さは返済リスクにつながる

ソーシャルレンディングの案件には8%や10%など、高い利回りが得られるものもあります。投資家が8%や10%の金利を得られるということは、融資を受ける側はそれよりも高い金利で融資を受けているということになります。

現在、世間的にはマイナス金利の影響で融資の金利額は低下しています。例えば不動産投資用のローンでも、1%台で融資が受けられる金融機関もあります。そんな市況の中で10%以上の金利で融資を受ける会社は、金融機関から融資が受けられない、または自分たちで資金調達の手段を持たない会社なのです。

高い金利で融資を受ければ返済側の負担が増えるため、返済不履行のリスクも高まります。そのため、案件の貸し倒れが発生する可能性も高くなるのです。

2-2 ソーシャルレンディング会社の融資利回りもチェック

では、融資金利の低い案件を中心に選べば返済リスクは抑えられるのでしょうか。実は必ずしもそうとは言えないのです。たとえ投資家への利回りが5%でもソーシャルレンディング会社が自分たちの営業利益を多く取っていれば、融資金利が非常に高い可能性はあります。

たとえば、こういったケースも考えられます。

投資家の利回りは5%ながら、ソーシャルレンディング会社が10%の利益を確保。そして融資先に金利15%で融資をしている。

実際の融資金利が何%なのかを明示しているソーシャルレンディング会社は非常に少ないのが現状です。実際の融資金利や事業者利益(手数料)を公開している会社を利用することで、返済遅延や不履行のリスクを軽減することが可能となります。

たとえば、業界最大手のmaneoの案件詳細では、投資家の利回りだけでなく実際の融資金利、そしてmaneoの営業者利益を確認することが可能です。

また、トラストレンディングというソーシャルレンディング会社でも、案件情報の目立つ場所に融資や営業者利益の金利を記載しているので投資前に確認をすることができます。

3 運用期間は短いほうが貸倒れリスクは低くなる

ソーシャルレンディングの案件情報にはどの程度の期間で運用をするかが明示されています。運用期間が短い案件を選ぶことで、貸し倒れリスクを避けることが可能です。

3-1 運用期間が長いと市況変動リスクがある

ソーシャルレンディング案件で短いものは運用期間1~2ヶ月、長いものでは24~36ヶ月などがあります。このような長期運用案件になると、その間に様々なリスクが発生する可能性があります。

例えば太陽光発電案件の場合は、台風によって設備が損害を被る可能性があります。また海外案件の場合、政治的なリスクや紛争リスクなど「カントリーリスク」と呼ばれるリスクも考えられます。

案件の運用期間が長ければ長いほど、こういった様々なリスクの発生を考えなければいけません。貸し倒れリスクを避けるのであれば、基本的には短期案件を選ぶようにし、長期案件を選ぶ際には、どのようなリスクが発生する可能性があるかを想定してから、投資を判断するようにしましょう。

3-2 短期運用案件ならば会社の業績リスクも低い

短期運用案件であれば会社の業績リスクは抑えられます。市況の変化が起きると、融資を受けた会社の業績が悪化し、返済の遅延や不履行を起こしたり、最悪の場合は倒産に追い込まれることもあります。

しかし運用期間が1か月や3ヶ月という短期案件であれば、会社の運転資金が尽きる可能性は低いと考えられます。ソーシャルレンディング会社も融資の際にはその会社の財務状況をチェックしますので、短期間で倒産する可能性のある会社には融資を実行しません。

最短1ヶ月から投資可能なオーナーズブックなどで3ヶ月未満の案件を中心に投資していけば、融資先の業績によるリスクの影響を受けにくくすることが可能です。

4 まとめ

ソーシャルレンディングでは、投資先を決めて投資を実行した後に投資家ができることは、無事に元本と利息が返済されるのを待つことだけです。それだけに最初の案件選定が投資の成否を大きく左右することになります。

安易に利回りだけで投資案件を決めるのではなく、今回ご紹介したリスクを色々な会社・案件で比較しながら慎重に投資先を決めるようにしましょう。

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HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム

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