不動産投資に興味はあるものの、投資は始めていないという方からよく聞く声が、「不動産投資は投資金額が大きくて怖い」「ローンを借りてまで投資はしたくないけど、預金は運用してみたい」というものです。
たしかに、従来のマンション投資やアパート経営などは、不動産投資の投資金額が1,000万円単位の大きな金額となるため、躊躇をしてしまうという方も少なくありません。こういった流れを受けて、最近では少額から始めることができる不動産投資が注目を集めるようになってきました。
この記事では、気軽に始めることができる新しい不動産投資の手法について、詳しくご説明をしていきたいと思います。
- 従来の不動産投資は多額・長期・高利回り
- 「不動産をみんなで購入・融資する」という新しい投資
- Jリート(投資信託)の違いは?
- 投資手法ごとの特徴比較表
従来の不動産投資は多額・長期・高利回り
従来型の不動産投資は、投資に必要な金額が数百万円~数千万円の規模となり、不足金額をローン借入でまかなう必要があります。また、初期費用や税金などの関係で投資を開始してから5年以下では、ほとんど利益を出すことができません。そのため、投資期間も10年単位の長期投資となるという特徴があります。
また、投資を始める際の手続きが多く、売買契約の締結、融資手続き、購入後の登記手続き、税金の支払いなどが発生します。また、運用期間中は管理会社とのやり取り、売却時には媒介契約の締結、売買契約、登記抹消、売却益の確定申告など、投資を始めてから売却をするまで非常に多くの手続きをこなす必要もあります。
「不動産をみんなで購入・融資する」という投資
この従来型の不動産投資に対して、人気が高まっているのが「不動産をみんなで購入・融資する」というクラウドファンディング型の不動産投資です。
不動産の購入資金や不動産への融資資金を1人でまかなうのではなく、複数人から集めることで小口投資が可能になったことに加えこれまでは企業や金融期間しかできなかった、数億円の融資プロジェクトにも個人が参加できることになりました。
また、クラウドファンディング型の投資のメリットは、投資期間が従来型よりも短期間であることが多いという点です。不動産投資は、一度始めるとなかなか撤退するのも難しいのですが、クラウドファンディングによる融資などの場合は、プロジェクトが数ヶ月~数年で完了することが多いため、比較的短い期間で投資資金を回収することが可能です。
融資型のクラウドファンディング
融資型のクラウドファンディング(ソーシャルレンディング)で使われることが多いのが匿名組合契約というものです。これは、投資家がクラウドファンディング会社に投資をして、集まった資金をクラウドファンディング会社が有望な先に投資するという代理的な投資形態になります。匿名組合契約では、投資先を開示できない制約があるため、クラウドファンディングからの情報開示は投資先を特定できない限定的な範囲となります。
投資型のクラウドファンディング
一方、不動産投資型のクラウドファンディングは投資先が開示されています。また、投資家保護の仕組みもかなり整っており、たとえば東証一部に上場するインベスターズクラドが運営するクラウドファンディング「TATERU Funding」などでは、個人投資家の資金分(ファンド資金全体の3割)を「優先出資」とすることで、不動産価格の下落などで投資資金が減少しても3割までであれば個人投資家の資金が優先的に保護されるという仕組みにしています。
不動産への少額投資(1万円~)や短期間(1ヶ月~)での投資が可能で、元本割れリスクの軽減策なども取られた上で、3%~5%の高い利回りを期待できるということで、不動産投資に興味はあるけど躊躇しているといった方からの人気も高くなっています。
Jリート(投資信託)との違いは?
では、同じく少額投資・短期間での投資が可能なJリートとクラウドファンディングの違いは何でしょうか? Jリートとクラウドファンディングの大きな違いは、リスクの大きさとなります。Jリートは1年間で数十%の値動きがあるため、不動産投資やクラウドファンディングなどと比べてハイリスク・ハイリターンの投資となります。
そのため、不動産投資を検討している人にとって、これまでは多額・長期の従来型の不動産投資か、少額・短期であるもののハイリスク・ハイリターンのJリートしか投資の選択肢がなかったのですが、最近になって少額・短期でリスクをおさえたクラウドファンディング(融資型・投資型)という選択肢が増えたということになります。
投資手法ごとの特徴の比較表
上記で取り上げた従来型の不動産投資、Jリート、クラウドファンディングを、投資金額や投資期間などの特徴ごとに比較表にまとめてみると、以下のようになります。
比較項目 | 従来の不動産投資 | Jリート(投資信託) | クラウドファンディング(融資型・投資型) |
---|---|---|---|
一口の投資金額 | 数百万円~数千万円 | 数万円~数十万円 | 出資型:1万円~(OwnersBookなど) 購入型:50万円~(一口家主iAssetなど) |
投資期間 | 5年~30年 | 数ヶ月~数年 | 数ヶ月~数年 |
資産の保有形態 | 物件 | 証券 | 出資型:債権 購入型:物件の一部を所有 |
リスク(利回り) | 小さい(4%~10%) | 大きい(マイナス数十%~数十%) | 小さい(3%~7%) |
元本割れリスク | あり | あり | あり(優先出資の場合は一定額まで元本割れなし) |
その他のリスク | 滞納リスクや天災リスクなど | リート投資法人の破綻リスク | クラウドファンディング会社の破綻リスク |
投資の手続き | 多い(売買契約、融資、登記など) | 非常に少ない(口座開設のみ) | 少ない(口座開設や匿名組合契約など) |
売却・解約手続き | 多い(売買契約、登記抹消、確定申告など) | 非常に少ない | 非常に少ない(確定申告など) |
レバレッジ手法 | ローン借入(フルローン可能) | 信用取引(自己資金に対して3.3倍) | なし |
まとめ
1万円から不動産投資ができるクラウドファンディングは、急激に市場が拡大しています。本格的にマンション投資やアパート経営などを始めてみる前に、少額で不動産投資を体験できる機会となりますので、これから不動産投資を始めたい方や手元の資金を効率よく運用したい方は、一度検討されてみてはいかがでしょうか?
- 1万円から投資できるソーシャルレンディングサービス4選
- 手数料が安いソーシャルレンディングサービス4選
- 不動産担保があるソーシャルレンディングサービス3選
- 利回り10%以上が狙えるソーシャルレンディングサービス3選
- 大手が運営しているソーシャルレンディングサービス4選

HEDGE GUIDE 編集部 ソーシャルレンディングチーム

最新記事 by HEDGE GUIDE 編集部 ソーシャルレンディングチーム (全て見る)
- SBIソーシャルレンディング、出資金の振込手数料を無料とするクイック入金サービスを開始 - 2019年2月15日
- 1口2万円から、利回り7.0%、運用12ヶ月、ソーシャルレンディングのレンデックス「不動産担保付きローンファンド34号」15日12時募集開始 - 2019年2月15日
- 1口5万円・年利回り7.0%・25日12時まで、SBIソーシャルレンディングがSBISLメガソーラーブリッジローンファンド22号募集 - 2019年2月14日
- オンライン貸付ファンド「Funds」で、デュアルタップが「台東区XEBECファンド#1」を15日募集開始 - 2019年2月11日
- 日本初の株式投資型クラウドファンディング「ファンディーノ」、累計成約額17億円突破 - 2019年2月10日