新型コロナウイルスによる影響の長期化に対する不安や将来の年金不安から、投資や資産運用に興味を持つ方が増えています。そのような中、リスクを抑えて少額から投資ができる不動産投資型クラウドファンディングが注目されています。
この記事では、不動産投資型クラウドファンディングが気になっている方やi-Bondを検討されている方に向けて、i-Bondの特徴やメリット・デメリット、評判などについて詳しく解説します。効率的な投資を求めている方、預貯金より高いリターンの資産運用を探している方、少額投資・低リスクの不動産投資を検討している方は参考にしてみてください。
目次
- i-Bond(アイボンド)とは
1-1.ミドルリスク・ミドルリターンの不動産投資型クラウドファンディング
1-2.運営者は東証JASDAQスタンダードの上場企業
1-3.WEB(オンライン)で全て完結する利便性の高いサービス - i-Bondのメリット
2-1.現金化がタイミングよくスムーズにできる
2-2.投資口座の維持や運用上の取引(申込・買取など)の手数料は無料
2-3.1口1万円からはじめられる
2-4.優先劣後方式などのリスク軽減 - i-Bondのデメリット
3-1.低リスクな反面、リターンはやや低め
3-2.元本割れをするリスクがある - i-Bondの評判・概要
- i-Bondの始め方
- まとめ
1.i-Bond(アイボンド)とは
i-Bond(アイボンド)は、東証JASDAQスタンダードに上場している株式会社マリオンが2019年5月から提供している不動産投資型クラウドファンディングです。「お金 第3の置き場」をコンセプトに作られたファンド(クラウドファンディング)商品で、第1のお金の置き場である「預貯金」よりもハイリターン、第2のお金の置き場である「投資」よりもリスクを抑えて設計されているのが特徴です。
1-1.ミドルリスク・ミドルリターンの不動産投資型クラウドファンディング
日本銀行の「預金種類別店頭表示金利の平均年利率等について」によると、2020年8月現在の普通預金の金利は0.001%、定期預金の金利は0.003%~0.004%と低く、数年~数十年お金を預けていたとしても大きなリターンを得ることは難しくなっています。
物価上昇などのインフレリスクを含めて考慮すれば、預貯金に置いておくことで、むしろマイナスになる可能性もあると言えるでしょう。
一方、i-Bondでは、預金金利よりもずっと高い1.5%(税引き前)のリターンを設定しており、預貯金のように無期限で利用できます。
ハイリスク・ハイリターンの投資ではリスク管理が難しく、コロナショックのような社会の変化や経済状況の変化によって、蓄えてきた資産が大きく減る可能性もあります。
そこでi-Bondでは、首都圏を中心とした賃貸マンションを複数で構成することで分散効果に期待することができ、優先劣後方式による投資家保全(5%以内の損失に限り、運営者の株式会社マリオンが負担)の仕組みとなるファンドを組成し、投資家のリスクを軽減させるように努めています。
預貯金より高いリターン、株式などの投資よりも低いリスクで、i-Bondは、「預貯金」と「株式などの投資」の中間に位置する「ミドルリスク・ミドルリターン」の資産運用です。投資家の資産運用のポートフォリオに新しく加えたり、メインとなるお金の置き場として利用するなど、幅広い利用方法に期待されています。
1-2.運営者は東証JASDAQスタンダードの上場企業
不動産投資型クラウドファンディングは、日本では比較的歴史の浅い投資商品です。不動産に関するソーシャルレンディング(貸付型クラウドファンディング)などの投資商品では投資家の資金を企業に融資(貸付)する仕組みであるため、過去には貸付先の貸し倒れ等により投資家にも大きな影響を与えることが起こっています。
このような新しい投資商品においては、運営者の財務基盤や信頼性を確認し、投資家が預けたお金が戻ってこなくなるリスク(事業者リスク)を慎重に考慮する必要があります。
事業者リスクの観点で考えたときに、i-Bondの運営者である株式会社マリオンは東証JASDAQスタンダードに上場しており、不動産賃貸サービス産業を中心に30年以上の業歴を持つ企業です。不動産投資に関する豊富なノウハウと多くの実績を持っている点が特長と言えるでしょう。
1-3.WEB(オンライン)で全て完結する利便性の高いサービス
i-Bondは、申込から、買取(現金化)請求など全ての手続きがオンラインで完結します。
24時間365日いつでもサービスを利用して手続きすることができるため、平日に忙しい方でもサービスの運営時間などを気にすることなく、資産運用を行うことができます。
2.i-Bondのメリット
i-Bondの主なメリットを確認していきましょう。
2-1.現金化がタイミングよくスムーズにできる
一般的な現物不動産投資(ワンルームマンション投資、アパート投資など)では、不動産(現物)の性質上、将来的に売却できない、または、売却を希望する時期に売却できないなど、現金化する時間(タイミング)が問題となります。
しかし、i-Bondでは買取請求(現金化)を24時間365日WEB(オンライン)受付を可能としていることから、現金が必要になりそうなタイミングで資金を引き出すことができます(即日入金ではなく、買取請求受付後の5営業日後に振込)
お金の自由度が高いことは、特に投資資金に余裕のない方にとってもメリットがあります。また全ての手続きはオンラインで完結するため、時間的な拘束もありません。
2-2.投資口座の維持や運用上の取引(申込・買取など)の手数料は無料
投資の利益率に大きな影響をもたらすのが手数料です。預貯金でも口座管理手数料を検討する銀行も出てきていることから、お金の置き場を慎重に選ぶ必要性も増しています。
また、株式投資などの場合、株式売買の度に手数料が発生したり、入出金の度に手数料が発生したりすることもあるため、柔軟な運用にはコストがかかります。
一方、i-Bondでは金融機関の振込手数料は投資家負担ですが、投資口座の維持や運用上の取引(申込・買取など)に関しては手数料が発生しないというメリットがあります。
2-3.1口1万円からはじめられる
個人で現物不動産投資を行おうとする場合、物件購入には数百万円~数千万円、数億円の資金が必要となり、多くの方が金融機関のローンを組んで投資を始めることになります。また、固定資産税などの税金負担、その他諸手続きの手間もかかります。
しかし、i-Bondでは1口1万円と少額から首都圏を中心とした賃貸マンションの不動産に投資できます。また、予定分配率1.50%(税引前)と現物の不動産投資よりは低い水準ですが、複数の不動産に分散しているため、自分で投資を行うよりもリスクを抑えながら効率的な不動産投資ができます。さらに、24時間365日WEB(オンライン)で資金を引き出すことができる手軽さがあります。
2-4.優先劣後方式などのリスク軽減
i-Bondでは優先劣後方式を採用しています。優先劣後方式とは、事業による利益、または損失などに優先順位をつけるものです。
i-Bondでは、損失が発生した場合でも、劣後に入る株式会社マリオンが損失を引き受ける形(5%以内に限る)を取ることで、投資家のリスクの軽減に努めています。
経済状況の変化によって、投資対象ファンドの不動産のポートフォリオ(投資先の組み合わせ)を変更可能、また複数の不動産で構成されるi-Bondは中・長期の運用に適しており、効率的な投資ができます。
3.i-Bondのデメリット
ここまで、i-Bondのメリットについてご紹介しました。次に、デメリット・リスクについてしっかり把握しておきましょう。
3-1.低リスクな反面、リターンはやや低め
i-Bondのリターンは年1.50%(税引前)と預貯金より高いものの、他の不動産クラウドファンディングやソーシャルレンディングにおいては5~10%前後の商品などもあり、比較するとやや低めな水準と言えます。大きなリターンを得たい方にとっては、少し物足りないと感じることもあるでしょう。
しかし、そのようなリターンの高い商品は、「貸付先の貸し倒れリスク」「運用期間中は中途解約できない」などのリスクや制約・制限を伴います。それぞれのメリット・デメリットをよく考えて、無理なく運用・管理ができるポートフォリオを組む意識が大切です。
3-2.元本割れをするリスクがある
i-Bondは投資家のリスクが軽減されるように設計されている商品ですが、それでも元本保証がされているわけではありません。
もしも、社会情勢や経済状況などに大きな変化が生じ、投資対象不動産の鑑定評価額が大きく下落することで元本割れが生じる可能性があります。
サービス開始以降、2020年8月まででi-Bondの元本割れは起きていませんが、中・長期で運用することを考える際は、社会情勢や経済状況等の大きな変化には注意することが必要です。
4.i-Bondの評判・口コミ
i-Bondの利用者からは次のような意見や感想が寄せられています。
- 「銀行にお金を預けるよりずっとリターンが高い」
- 「他社のソーシャルレンディングより流動性が高い。」
- 「株や投資信託のように元本が変動することも少ない」
- 「貯金や投資に代わる第三のお金の置き場として利用している」
- 「電話サポートが丁寧だったのでスムーズに申し込みができた」
- 「1口1万円は手軽で、自分で不動産を運用するより分散投資もしやすい」
- 「リスクが低いのはメリット、でも分配金は若干物足りない」
※上記はすべて個人の感想です。サービスのご利用にあたっては、ご自分でもよく情報収集をされた上で最終的にご判断下さい。
預貯金や投資といった従来のお金の置き場と比較して商品を評価する声が寄せられています。流動性が高く、利回りも預貯金より高いという商品特性に好感を抱く利用者が多いのが特徴です。
また、WEB(オンライン)によるサービス提供には賛否ありますが、電話での問い合わせやサポートが可能でサポートも手厚く丁寧という点も評価されています。
i-Bondの分配金は他のソーシャルレンディングと比較すると低めであるため、利回りが低くてもリスク軽減を重視した運用を好む方に向いているでしょう。リスクとリターンのバランスは、i-Bond単体ではなく他の投資商品との組み合わせで調整することも検討してみましょう。
5.i-Bondの始め方
i-Bondでは、i-Bondでは、全てWEB(オンライン)で手続きを行うことになるので、インターネット環境は必須です。スマートフォンだけでなく、タブレットやパソコンなどのデバイスからでも可能です。
準備するものとして、メールアドレスと本人確認書類(運転免許証や健康保険証など)を準備する必要があります。また、後で銀行口座の情報も必要になります。
まずは、i-Bondの会員登録のページにアクセスし、会員登録を行います。会員登録では、メールアドレスやパスワードなどを入力すると、入力したメールアドレスにログインIDが届きます。
届いたIDを使ってi-BondのWEBサイトからログインし、会員登録の手続きを行います。ここでは、個人情報の入力や本人確認書類のアップロードなどが必要です。
すべての手続きを終えると、株式会社マリオンで審査を行ってから、「本人確認キーが記載されたハガキ」が登録住所に2~3日ほどで郵送されます。
届いた本人確認キーをWEBで入力することで会員登録が完了となり、商品画面から出資申込ができるようになります。
出資したい場合は、出資申込画面で希望する口数(1口は1万円)を入力します。すると、振込先が記載されたメールが届くので、10日以内に指定の振込先に振り込みを行えば完了です(この際の金融機関の振込手数料は投資家負担です)。
まとめ
「お金 第3の置き場」として商品設計されたi-Bondは、預貯金より高いリターンと他の投資より低リスクな特徴を持つ投資商品です。中長期の資産運用やポートフォリオの強化、効率的な投資を考えている人にとっては新たな選択肢のひとつとなり得るでしょう。
i-Bondは2019年5月よりサービス開始された新しいサービスです。これまでプロの世界で展開されてきた商品設計を個人向けに新たに商品設計された新しい不動産投資のひとつとして、興味のある方は商品の特徴やリスク等をよく把握した上で、検討してみてください。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム
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