ソーシャルレンディング投資では意外な経費が発生することもあります。経費を計上することができれば、所得税や住民税の納税額を抑えることが可能になります。そこで、ソーシャルレンディング投資で経費にできるものには何があるのか、ここでは確認していきましょう。
目次
1.交通費
ソーシャルレンディング投資を行う前に、各ソーシャルレンディング会社が主催するセミナーなどに出席することもあるでしょう。セミナーに出席することでソーシャルレンディングのことをよく理解し、より安全な投資先を選ぶことが可能になります。
また、既に投資を始めている人でも、例えばソーシャルレンディング会社が新しい事業を始めることでその説明会に出席したり、ソーシャルレンディング会社に直接出向いて話を聞いたりする人もいるかもしれません。
その際の交通費はソーシャルレンディング投資に欠かせないものとして、経費として認められるケースが多くなります。遠方から東京のソーシャルレンディング会社に行った場合、数万円単位の経費になることもあります。必ず領収書などを取っておきましょう。
また、ソーシャルレンディングの投資家同士の集まりなどに参加した際の交通費も経費として計上可能です。
2.通信費の一部
ソーシャルレンディングは第二種金融商品取引業事業者にもとづいて運営されています。 第二種金融商品取引業では、事業者によるインターネット上での資金の募集を事業の一環としています。つまり、ソーシャルレンディング投資はインターネットを利用できる環境にあることが前提となっているのです。
そのため、スマートフォンや家庭用のネット回線など、通信費の一部がソーシャルレンディング投資に必須の経費として認められることもあります。ただし、通信費の全額が認められるケースは、まずありません。インターネット回線をソーシャルレンディング投資に限定して利用していることは考えにくいからです。
定期的に情報をチェックするなどの理由であれば、スマホにかかった通信費の10%から20%程度が必要経費として認められる可能性はあります。税理士などに聞いてみると良いでしょう。
3.書籍やセミナーへの参加などにかかった費用
ソーシャルレンディング関係の書籍が最近は増えています。インターネット上のソーシャルレンディング関係のサイトだけではなく、投資家などが書いたソーシャルレンディングの著書、また、ソーシャルレンディング会社が出版した本などを購入して勉強する事でソーシャルレンディングについて深く知ることができます。
そういった書籍の購入費はソーシャルレンディング関係に必要な経費として認められます。書籍を購入した場合はレシートなどを必ず取っておきましょう。また、ソーシャルレンディング関係の有料セミナーに参加する時も、セミナー代が経費として認められます。
最近では東京ビッグサイトで投資関係のフェアなどが行われており、ソーシャルレンディング会社のいくつかが参加しています。イベントに参加する時の入場料や現地までにかかった交通費なども経費に計上可能です。
4.入出金の手数料
ソーシャルレンディング関係の経費で最も多くの人が体験しているのは、口座での入出金にかかる手数料などの費用でしょう。最近ではデポジット口座を持たないSBI ソーシャルレンディングのような会社もありますが、それでも大半のソーシャルレンディング会社では、まずはマイページ内の登録口座に入金した後に投資対象を選ぶ方式が主流です。
口座への振込手数料はソーシャルレンディング投資の経費になります。また、毎月の分配金や償還された元本を口座から出金するときの手数料も経費になります。これらについても、きちんとメモをして覚えておきましょう。
5.他の雑所得での損失
直接的に経費にできるわけでありませんが、ソーシャルレンディング投資の所得を他の雑所得と損益通算することで節税が可能になることもあります。
例えばソーシャルレンディングで年間30万円の所得を獲得していたものの、仮想通貨投資で20万円の損失が発生してしまった場合、ソーシャルレンディングの30万円の儲けと仮想通貨投資の20万円の損を損益通算して年間の雑所得を10万円にできます。
ソーシャルレンディングの所得は雑所得に該当しますから、同じように雑所得に該当する仮想通貨売買による損益などは損益通算が可能です。 一方で、FXや株式投資の損益のように分離課税の対象となるもの、また不動産投資による所得などとは損益通算はできません。
他にも、ソーシャルレンディング会社A社での投資で40万円の所得が上がったものの、B社では20万円の損失を被ったという場合、ソーシャルレンディング会社同士の損益通算も可能です。
6.年間の雑所得が20万円超だった場合は、必ず確定申告を行う
そしてもう一つ忘れてはいけないポイントとして、給与所得以外の雑所得が20万円超となった場合は、必ず確定申告を行うことです。
ソーシャルレンディングの分配金が投資家に分配される時には、20.42%の源泉徴収が行われます。一般的に源泉徴収ではあらかじめ納付予定の額よりも多めの金額を納付することになります。そのため、確定申告によって納めすぎた税金が戻ってくるのです。
例えば1年間で表面利回りが7%のソーシャルレンディング案件に250万円を投資した人の場合、収入は175,000円となります。そのうち20.42%が源泉徴収されるため、手元に入ってくる実際の収入は139,265円です。
まとめ
ソーシャルレンディング関係の経費はそれほど種類が多くないものの、細かな経費が色々と発生することがお分かりいただけたことと思います。特にセミナーや投資家同士の会合に出席する時にかかった交通費などは、経費として計上できるのですが、つい忘れがちになります。
ただ、これまでに挙げた経費がすべて認められるかについては、税務署の裁量次第であることは否めません。経費の内容を聞かれたときは詳しく説明できるよう、また、証拠を残せるようにセミナーの内容を記したプリントや領収書などを手元に残しておくと良いでしょう。
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HEDGE GUIDE 編集部 ソーシャルレンディングチーム
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