世界各地で支援活動を行うAAR Japan[難民を助ける会](AAR)は11月から「年末募金キャンペーン」を開始し、ウクライナ侵攻やパキスタン洪水、中でも現地で生活する障がい者など弱い立場に置かれた方への支援で協力を呼び掛けている。
パキスタンで発生した記録的な洪水は、国土の3分の1が水没、死者数1500人超の大惨事となった。8月25日、政府が非常事態を宣言。AARのパキスタン・イスラマバード事務所は洪水発生の直後から緊急支援を開始し、全域が水没した地区で食料配付や給水、衛生啓発などに連日取り組んでいる。
AARは「災害発生時に重視するのは迅速な対応、そして障がい者などのより支援が届きにくい方々への配慮」と説明。AARが支援する地域には、日雇い労働者などの貧困世帯が多く、また、約380名の障がい者が生活しているという。AARは、最初に障がい者世帯に1家族あたり小麦・コメ・食用油など食料計30キロ、ミネラルウォーター、石けんなどを配付。給水車も手配して水を供給した。
ロシアによる軍事侵攻が長引くウクライナでは、身体・知的障がい者と家族が厳しい状況に置かれている。安全な場所に避難することが難しいのに加え、多くの施設が活動停止を余儀なくされ、「障がい者団体の代表は『長引く戦争のストレスで、障がい者も家族も疲れきっている』と訴えている」(AAR)状況だ。
AARは障がい者と介護者が一時的に離れてお互いのストレスを軽減する「レスパイト・ケア」の実施をサポートしている。障がい者が一時滞在施設を訪問し、静かで安全な環境で散歩などを楽しめるようにすることで、介護を担う家族もひと息つくことができる。
他の地域から避難して来た障がい者を受け入れて収容人数が膨れ上がったり、行政からの予算が大幅に削減されたりした施設もある。AARは資金面でそうした施設をサポートするとともに、障がい障がい障がい者への現金支給も行っている。
冬が近づく中、パキスタンでは夏季の災害が未だ爪痕を残し、ウクライナでは、市民がエネルギー不足による厳寒を警戒している。自分ができる支援を、歳末に実行してみてはどうだろうか。
【関連サイト】AAR Japan「年末募金キャンペーンサイト」
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HEDGE GUIDE 編集部 寄付チーム
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