会社員がマンション投資を行うメリットとリスク対処法

低金利を背景に、サラリーマンがマンション投資に取り組む事例が増えています。この記事では会社員がマンション投資を行う場合に、どのようなメリットやリスクがあり、どう対処していくべきなのかについてご紹介します。

  1. 1 マンション投資のメリット
  2.  1-1 融資を受けやすい
  3.  1-2 副収入の確保・資産形成ができる
  4.  1-3 節税効果がある
  5. 2 マンション投資のリスクと対処法
  6.  2-1 なぜ資産価値が低下? 周囲の環境に問題があったケース
  7.  2-2 空室継続・経費増大など経営リスクを事前予測
  8.  2-3 入居者トラブルにはどう対処?
  9. 3 まとめ

1 マンション投資のメリット

「会社員がマンション投資を行う場合のメリット」として考えられるものは、①融資を受けやすい、②副収入の確保・資産形成ができる、③節税できる、などがあります。以下それぞれ説明します。

 1-1 融資を受けやすい

会社員は金融機関からの融資が受けやすい、というのがメリットのひとつといえます。

個人でマンション投資を行う場合、一部の資産家を除けば銀行から資金を借り入れる必要があります。しかし、金融機関が融資案件を審査する場合は、融資先個人の社会的な信用度とともに、「安定した収入が継続してあること」が最も重要な条件になります。そのため、収入額の変動が大きい自営業者などよりも、毎月決まった給料収入が見込める会社員の融資適確性は大きくなるわけです。

一部上場の会社員や公務員などは、融資の審査がより通りやすくなると考えられます。

 1-2 副収入の確保・資産形成ができる

会社員は、毎月決まった額の給料が入りますが、マンション投資を行うと、その給料収入に家賃収入という副収入が加わることになります。
現在は、大企業を中心に景気が上向きになってきているものの、中小企業などでは賃金が上がらず、また、将来の年金にも期待が持てなくなっています。このような背景から、多くの会社員が給料以外の副収入を確保する手段を模索しています。

毎月の家賃収入が金融機関のローン返済でほぼ帳消しになってしまうケースであっても、投資用に取得したマンション自体は、ひとつの大きな資産となります。
家賃収入という副収入に比重を置くのか、またはマンション自体の資産価値に重きを置くのかは投資戦略によって違ってきますが、この副収入の確保・資産の形成という面は投資行動の大きな動機となっています。

 1-3 節税効果がある

収益目的のマンション投資であれば毎年の黒字化を目指したいところですが、初年度は諸経費が大きくかかるため、赤字が発生してしまいます。

マンション経営で発生した赤字は給与収入と税務上相殺することができます(=損益通算)。これにより会社員は「給料から源泉徴収された税金が戻ってくる」という恩恵を受けることができます。

2 マンション投資のリスクと対処法

会社員がマンション投資を行う場合のリスクと対処法について考えてみましょう。

 2-1 なぜ資産価値が低下? 周囲の環境に問題があったケース

まずは、マンション購入の際の失敗例を紹介します。

Aさんは、会社勤めをしながらマンション投資を思い立ち、不動産業者に大まかな予算を伝えて手頃な物件を見つけるよう依頼しました。
自分も不動産投資の勉強やマンション相場の下調べをしようと思いましたが、本業の仕事が忙しかったため、結局、勉強しないまま業者任せにしていました。
そして、業者からよい物件が見つかったので下見にくるようにいわれたため、会社の業務終了後に夜間の下見を行いました。

Aさんは、その物件に問題がなさそうだったため購入し、賃貸募集を開始しました。しかし部屋は空室のままで、長期間入居希望者が現れません。
不思議に思ったAさんが、会社を休んで昼間現地に行ってみたところ、マンション玄関の近くに古い空家らしき建物があり、粗大ゴミが敷地からはみ出るほど山積みになっていました。風の向きによっては、いやな匂いまで漂ってくる始末です。以前、Aさんが下見したときは夜だったため、ゴミ屋敷周辺は暗く、よく確認できなかったようです。

その後、空家のゴミはほとんど改善されず、部屋の入居希望者も現れなかったため、Aさんは仕方なくマンションを手放すことにしました。
しかし、購入価格を大きく下回る金額でしか査定されず、その額ではローン残高がまかなえません。そのため売却はあきらめ、毎月の給料からローン返済金やマンション維持管理費を必死に払っている状況が続いています。

これは、投資に先立ってしなければいけない勉強や調査をろくに行わず、ほとんどを業者任せにしていたことによる失敗談です。

会社員の方は、毎日の仕事をこなすだけでも大変なので、不動産に関する事前勉強や情報収集などは疎かになりがちです。しかし、マンション投資を始めようとするなら、関連情報を仕入れ勉強したうえで業者と交渉することが大切です。あまり勉強せず業者に任せきりの投資家は、不動産会社の言うことを鵜呑みにし、結果、事例のような取り返しのつかない事態を招いてしまう可能性があります。

物件の下見は、夜だけでなく現地の周囲が明るい昼間にも行うことが大切です。事例のように重大なポイントを見落としてしまう危険があるからです。会社を休みづらいなどの事情もあるかと思いますが、下見を週末の休日に設定してもらうなど工夫しましょう。

この事例は、自分の確認不足が原因で、問題がある物件を業者の言い値で高く購入してしまい、あとになって資産価値に悪影響が出ていることに気がついたものです。
投資では、物件選びは業者任せにせず、疑問に感じる箇所は自ら調べたり質問したりして、十分に納得したうえで契約することが必要です。

 2-2 空室継続・経費増大など経営リスクを事前予測

次に、賃貸経営計画が甘かった失敗例をご紹介します。

会社員のBさんは、自己資金があまりありませんでしたが、業者に勧められるままに投資用中古マンションを購入しました。
物件の購入資金はほとんどを銀行の融資でまかない、その返済には月々の家賃収入を充てることを考えていました。計画では、マンション投資は初年度を除き若干の黒字となり、自分の給与収入にマイナスの影響はないはずでした。

しかし、物件購入時にかかる諸経費が融資の対象とならず、資金に余裕がないBさんは、他から借金して支払う羽目になりました。
6月の入居募集開始後は空室状態がつづいてしまい、実際に入居者が入ったのが翌年1月となったため、半年間以上にわたりローン返済とマンション維持管理費の支出だけが重なる状況でした。

さらに追い打ちをかけたのが、入居者が入って間もなくの給湯器の故障です。Bさんの手元にはもう予備資金はなく、給湯器交換費用は、高い利息の消費者金融から借りなければいけませんでした。

ここにきてBさんは、賃貸経営が事実上破綻していることを自覚しました。

この事例では、問題点がいくつかあります。

まず、自己資金がほとんどないにもかかわらず、購入に踏み切ったことです。この場合、必要資金のほとんどを融資に頼ることになりますが、融資の対象になるのは物件購入価格のみで、仲介業者手数料などの「購入にかかる諸経費は対象とならないこと」に注意すべきです。

2番目の問題点は楽観的な資金計画です。賃貸経営では「募集しても空室がつづく」「突発的な設備修繕が発生する」などの事態をある程度想定に入れた資金計画を立てる必要があります。事例のように余裕のない資金計画は早期に破綻する原因となります。

3番目の問題点は、6月に入居募集を開始するスケジュールの立て方です。会社員の多くは、3月の年度末に近づくと決算や人事異動で忙しくなります。その波を乗り越えて、仕事が落ち着くのは5月のゴールデンウィーク頃です。そのため、多くの会社員が手頃な投資用マンションを探そうと動き始めるのは、時間的に余裕ができる「5月」頃になり、「6月」に入居募集という流れになります。
しかしその時期には、3~4月の入学・就職・転勤など人が多く移動する時期は過ぎており、「募集をしてもなかなか部屋が埋まらない」ことが想定されます。会社員がマンション投資を行う場合は、他の会社員に先んじて動き、春の移動シーズンに的を絞ったスケジュールを立てることが効果的な方法となります。

 2-3 入居者トラブルにはどう対処?

ここで、失敗例を紹介しましょう。

Cさんは、会社勤めをしながらマンション投資を行い、3軒まで増やしていきましたが、委託料を節約するため、管理会社の誘いを断り自己管理を行っていました。
全室に入居者が入っていましたが、ある時期に設備の故障が相次いで発生してしまいました。

ある1軒では、排水管の水漏れが発生し、Cさんの仕事中に連絡がきましたが、ちょうどその週は自分の仕事に追われて余裕がなく、修繕業者の手配が遅れてしまい、住人は激怒。クレーム対応に多くの時間を割くことになりました。

また別の1軒では、入居者が夜の仕事に就いていたため、Cさんは深夜に給湯器故障の連絡で起こされてしまいました。この時もクレーム対応が長くかかり、Cさんは体調不良のため、翌日の仕事で大きなミスをしてしまいました。

自己管理では、設備故障時のクレーム対応や修繕業者の手配などすべて貸主が行わなければなりません。また、設備故障のなかでも水回り関係は特に迅速な対応が求められます。そのうえ、入居者は職業や生活の時間帯が大きく異なることもあります。

この事例からも、会社員が自分の仕事をしながら複数の物件を自己管理することは、時間的・労力的に難しい場合があると考えられます。
会社員の大家さんは、あらためて自分の勤務状態や管理物件数などを確認し、スムーズに管理・運営できない場合は管理会社に任せることも検討したほうが良いでしょう。

3 まとめ

会社員がマンション投資を行う場合のメリットとリスクについてみてきました。
そこには、いろいろ魅力的なメリットがある反面、さまざまなリスクを抱えています。
リスク対策として、投資計画の策定や現地調査、物件選定でほとんどを業者任せにするのではなく、自らも情報収集に努め、疑問点は納得できるまで質問するなど自分の目でしっかりと確認することが大切です。

特に賃貸経営では、会社員という多忙な生活をよく認識し、自分が管理できる範囲と業者に任せた方が効率的な部分とを十分に検討したうえで、上手に業者とつき合っていくことが重要です。資金的・時間的に無理のない投資計画と賃貸経営を心がけましょう。

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HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム

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