ふるさと納税は、新型コロナウイルス対策や災害の被災地支援といった用途が広がり、テレビCMも放映され、2020年は認知度が向上した年といえるだろう。しかし、制度の内容はどこまで理解されているだろうか。株式会社PLAN-Bが12月17日に発表したふるさと納税に関するアンケートでは、回答者の52%がふるさと納税を「しない」と答え、残りの半分が「する」と「迷っている」を二分するという結果だった。
調査は、同社が運営する家事に関する情報サイト「カジナビ」を介し、全国のクラウドソーシング利用者1173名(年齢・性別不問)で12月1日から3日まで実施した。回答者の性別は男性31%、女性69%、年代は10代1%、20代27%、30代36%、40代25%、50台9%、60代以上2%となった。
質問は「今年はふるさと納税した(する予定)?」とその理由、「寄付金はいくら?」「選んだ(選ぶ予定の)返戻品」 「何を重要視して選ぶ?」と、ふるさと納税に関する自由記述。「今年、ふるさと納税しますか?」という質問に対し、半数以上が「しない」と回答。残りの半分が「する」と「迷っている」で、ふるさと納税の寄付金額自体は年々増加傾向にあるが、調査では実質4分の1の人しか利用していなかった。
ふるさと納税をする/しない/迷っていると回答したグループに分けて、その理由をランキングにすると、迷っている理由は、「よく分からない」(58%)が1位で、「資金的余裕がない」(25%)、「興味がない」(7%)となった。
逆に、ふるさと納税をする理由は「節税対策」と「返礼品がほしい」が二分している。同社は「ふるさと納税=節税対策という間違った認識。納めるべき税金を寄付という形で前払いしているだけ」と釘を刺している。実質2000円の負担額で豪華な返礼品を貰えるのはお得であることは確かだが、厳密には節税対策とはいえない。
寄付額については、1年で「1〜3万円」(43%)、2番目が「1万円未満」(28%)で、合わせると全体の71%を占めた。さまざまな返礼品の中で、支持されている品物は、1位が「肉」、2位「お米・パン」肉はぜいたく品、米・パンは日々の食費の節約として選んでいるようだ。
「よく分からない」という理由でふるさと納税に手をつけられない点、寄付している人も節税対策という認識を持っているのは現行制度が抱える課題といえるだろう。同社は「返礼品やお得感に目が行きがちだが、『寄付先の自治体に愛着が湧いた』『被災地への寄付だから返礼品目的ではない』という回答も紹介している。
HEDGE GUIDE 編集部 ふるさと納税チーム
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