株式会社センス・イット・スマートは、高知県土佐市が2023年10月2日から11月5日まで実施した「令和5年度とさ健康ウォーキングチャレンジ事業」において、同社が開発した特許取得済のスマートフォン向けウォーキングアプリ「運動サプリGH」での平均目標達成率が90%を超えたと発表した。
「令和5年度とさ健康ウォーキングチャレンジ事業」では土佐市民がペアを組み、自分が歩かないとペアの相手がコインを獲得できないインセンティブを設計。チャレンジの成果に応じてコインが分配され、1週間の目標歩数を達成すると、ペアの相手に500円分の地域商品券と交換可能なコインが付与される仕組みで行われた。
チャレンジに成功した場合、ペアにコインが付与されるが、失敗した場合、ペアの相手はコインを受け取れない。参加者は互いにこのチャレンジを実施し、ペアの相手のために歩くという利他的動機付けが促された。参加者218人のウォーキングチャレンジ平均目標達成率は92.2%。参加者の平均歩数は参加前の5141歩から8280歩と3149歩増加した。
産業医・精神科専門医の種市摂子氏は本事業の結果について以下のようにコメントした。
「これまでの多くの研究から、他者に利益をもたらす行動(例えば寄付、ボランティア、援助)が幸福感(Well-being)の向上に寄与することが示されています。同様に、運動もWell-beingの向上に繋がり、メンタルとフィジカルの健康に良い影響を与えます。
ウォーキングチャレンジは、単なる運動だけでなく、他者との結びつきを通じて互恵的な関係を築くことで、双方のWell-beingを向上させる独自の特徴を持っています。自力で運動を続ける努力は素晴らしいことですが、苦手な方や運動環境が整っていない方も中断することがあるでしょう。しかし、他者とのつながりを活用することで、運動の継続と目標達成の可能性が高まります。このウォーキングチャレンジが他の自治体や企業に広まれば、社会全体に健康とWell-beingの雰囲気が広がり、新しい文化として受け入れられることが期待されます」
センス・イット・スマートによると、本アプリを活用した健康維持・増進サービスを利用するメリットとして、地域住民の健康維持・増進の寄与、健康経営を推進している地場企業の支援などが挙げられるという。同社は土佐市での成功を踏まえ、健康経営研究会賛助法人会員、健康経営アライアンス会員として、企業の持続可能な健康経営の実現を支援するため、従業員の健康促進に最適なプログラムを提供していく。ウォーキングイベントの企画、運営、結果報告から、最適なインセンティブ設計の立案、アプリの使用方法説明、チャレンジ実施前後のアンケート調査や体力測定の実施、また次回のイベント実施に向けた改善案の提案まで、ワンストップでサポートするとしている。
【参照リリース】【人のために歩くことで自分が幸福感を得られる】高知県土佐市のウォーキングイベントで特許取得済「運動サプリGH」を活用した利他的インセンティブ設計によって参加者の行動変容を促し、平均目標達成率92%達成
岡村 幸治
Twitter:@koji__O
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