地域猫の殺処分対策や避妊・去勢手術補助、飼育放棄対策のための動物保護クラウドファンディング(CF)が増加している。ふるさと納税ポータルサイト「さとふる」を運営する株式会社さとふるが1月24日発表したデータによると、ふるさと納税を活用した同社のCF「さとふるクラウドファンディング」では、地域猫の殺処分対策や、飼育放棄対策などの動物保護・育成関連の事業への寄付が、2019年からの4年間で約10倍に増加している。中でも犬や猫保護の関連事業は他の事業と比べてCFの目標達成率が約2.6倍と、寄付者の関心が高いことがわかった。
19年に動物愛護管理法が改正され、22年6月にはブリーダーやペットショップなどで販売される犬や猫へのマイクロチップ装着が義務化されるなど、保護に注目が集まっている。一方、地域ネコの繁殖拡大による殺処分や、イヌ・ネコの多頭飼育崩壊による飼育放棄などの問題も相次いでおり、自治体ごとに対応しているのが実情だ。
日本獣医師会によると、オス猫の去勢手術にかかる費用の相場は、およそ1万~1万5千円前後とされており、自治体で殺処分の対策として避妊・去勢手術の補助を行っているものの、限られた財源から補助金を捻出することが難しい地域も多い。こうした状況から、同社は「CF型ふるさと納税を活用する動きも増加していることがうかがえる」としている。
さとふるCFは2018年にスタート。自治体が事業起案者になるため、地域が抱える課題や新しい取り組みに対して直接支援することができる。さとふるCFでは「こんな商品を開発したい」「文化遺産を修繕したい」など、約250事業の寄付を募集してきた。そんな中で目立ってきているのが犬や猫の保護に関わる案件だ。
例えば、愛知県みよし市の「人と動物が共生するまちみよし市へ。地域ねこの避妊去勢手術支援プロジェクト」は目標金額100万円、寄付金は、市が実施する地域ねこ避妊去勢手術補助金の財源として活用される。「やむを得ず殺処分されてしまう猫や交通事故に遭って命を落としてしまう猫を減少させるだけでなく、鳴き声や糞尿による地域トラブルの解決にも繋がる」として支援を呼び掛けている。
地域の特産品をお礼品にする自治体もある。静岡県静岡市の「さくらねこ支援」活動では、寄付に対して同市の名産である本山茶(ほんやまちゃ)100g×3本 合計300gをお礼品として送っている。
2月22日は「猫の日」。猫の日制定委員会が1987年に制定した記念日で、猫の鳴き声「ニャン」と数字の語呂を合わせた。11月1日は、「ワン」と1を関連させた「犬の日」だ。全国的な課題となっている小さな命の保護について、できることがあるか。こうした記念日をきっかけに、考えてみてはどうだろうか。
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HEDGE GUIDE 編集部 ふるさと納税チーム
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