ANAホールディングス株式会社は5月19日、公募形式のサステナビリティ・リンク・ボンド「ANAホールディングス サステナビリティ・リンク・ボンド」を発行すると発表した。発行年限5年、発行額100億円で今年6月の発行を予定している。同日、発行に向けた社債の訂正発行登録書を関東財務局に提出した。資金は設備投資資金、運転資金、社債償還資金および借入金返済資金へ充当する。主幹事はSMBC日興証券株式会社、野村証券株式会社、みずほ証券株式会社、三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社。発行支援のStructuring AgentはSMBC日興証券。
同社グループは持続的な成長と価値創造に向け、ESG(環境・社会・企業統治)経営を中核に据えた中期経営戦略(2018年~22年度)を策定している。戦略期間中の経営の重要課題は「環境」「人権」「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)」「地域創生」の4項目で、これらに適切に対応することで「社会的価値」と「経済的価値」を同時に創造し、企業価値の向上を図る方針を掲げている。
18年度に「環境」への取り組みに関連してグリーンボンドを、19年度には「D&I」への取り組みに関連してソーシャルボンドを発行し、さらに4つ全ての重要課題への取り組みが反映されるSustainability Performance Targets(SPTs)を設定したサステナビリティ・リンク・ボンドの発行を決めた。
同社グル―プは、ESGにかかわる中長期目標を「社会要請の把握」「社会要請の整理・優先付けと目標の策定」「目標の妥当性確認と決定」のステップで定めている。グループの経営理念や戦略との一貫性・継続性、および事業におけるインパクトと環境・社会に対するインパクトを踏まえ、ESGに関する有識者との対話で妥当性も確認しながらアクションプランを作成・実行する一方、達成状況を客観的かつ多面的に把握するため、ESGにかかわる外部評価として今回選定した4つのSPTsを活用していく。
4つのSPTsのうち、23年3月31日時点で2項目以上が未達成だった場合、環境・社会に対してポジティブなインパクトを創出することを目的に活動する、一般に認知された法人・団体などに対して寄付を行い、同社のESGへの取り組みに加え、寄付による活動支援を通じて追加的にポジティブなインパクトを創出する予定だ。
【参照リリース】「ANAホールディングス サステナビリティ・リンク・ボンド」を発行いたします
HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム
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