ふるさと納税総合サイト「ふるさとチョイス」を運営する株式会社トラストバンクは6月23日、東京都内に住む20代以上の男女1078名に実施した「地方暮らしに関するアンケート」の結果を発表した。新型コロナウイルスを機に、都市部の人口密集リスクやライフスタイルの見直しなど、地方暮らしへの関心が高まっている傾向がわかった。
まず、地方暮らしに「関心がある」は56%で、2017年6月の同社調査の48%より8ポイント増加した。特に20~30代の回答者は「すでに二地域居住やワーケーションなどを始めている」人の56.2%、「すでに地方暮らしをすると決めている」人の45.8%を占め、若い世代は関心度、行動力ともに高い。さらに「新型コロナウィルスの感染拡大で地方暮らしへの関心が高まりましたか?」という質問には「とても高まった」が14.2%、「やや高まった」が31.8%と、関心が高まった人は半数に迫る。一方で「変わらない」は53.3%と過半数だった。
「あなたの望む地方暮らしのスタイルは?」という質問で、最も多かったのは都市と地方を往来する「二地域居住」の42.4%。「移住定住」は31.1%、仕事と休暇を両立する「ワーケーション」も24.3%となった。自由回答には「都市部で暮らし、地方とは特産品でつながる」といったスタイルも挙げられた。
「地方暮らしで望む働き方」は「現在と同じ会社(転勤やリモートワークなど)」が22.7%、「地方圏の会社(就業や転職)」が13%、「独立(起業、自営業、フリーランス)」(21.2%)、「働く予定はない」(21.2%)、「特にこだわらない」(20.9%)と、大きな差はなかった。自由回答には「地域に多少なりとも貢献できるボランティアなど」といった希望もあった。
地方暮らしに関心をもった時期について、新型コロナの流行期(2020年2月以降)が18%で、20年1月までの15.4%から上昇した。地方暮らしを始める時期は「特に決めていない」が57%の一方、「1~5年以内を考えている」も23.3%。検討理由は「自然豊かな環境で暮らしたいから」が最多の6割超。その中でコロナの影響を探すと、検討理由に「新型コロナや災害など都市部の有事のリスクが心配だから」が約2割を占める。自由回答には「リモートワーク慣れにより東京に住まなくても良いと感じた」という意見もあった。
地方暮らしに関心がある人のうち、ふるさと納税の経験者は約4割を占めた。制度の利用率は約2割を上回り、地方暮らしの関心層はふるさと納税の利用率も比較的高い。寄付した自治体で地方暮らしをしたいと思う人は、約6割に上った。地方暮らししたい東京以外の自治体のトップ3は、北海道(15.7%)、長野(15.4%)、静岡(11.4%)。ただし「特に決まっていない」も15.9%。選んだ理由は「出身地または過去に住んでいた」「旅行などで訪れたことがある」「自然豊かな土地だから」がそれぞれ約3割だった。
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