「欲しいものを買いながら社会貢献したい」「気軽にできる寄付に興味がある」という方は多いのではないでしょうか。このような場合、寄付付き商品を購入する事で売上金の一部又は全額を寄付することができます。
寄付付き標品を購入するには、自動販売機やふるさと納税、購入型クラウドファンディングを利用するなどの方法があります。
本記事では寄付付き商品について、寄付になる買い物の事例6つを解説していきます。
目次
- 寄付付き商品とエシカル消費
- 寄付・社会貢献ができる買い物の事例6つ
2-1.子供の未来応援国民運動の寄付付き商品
2-2.フェアトレード商品
2-3.地方自治体・共同募金会のホームページから購入
2-4.寄付型自動販売機
2-5.ふるさと納税
2-6.購入型クラウドファンディング - まとめ
1.寄付付き商品とエシカル消費
人や社会・環境などに配慮して商品・サービスを購入することを「エシカル消費」と呼びます。「エシカル(ethical)」とは英語で「倫理的・道徳的」という意味です。
エシカル消費は、寄付付き商品・サービスを始め公正な貿易を目的としたフェアトレード商品の購入やエコ商品・リサイクル商品、地元の店などでの物品の購入も含まれます。
日常での買い物で寄付付きの商品・サービスを選択することによって、地域・環境・社会へ良い影響を及ぼすことができる可能性があると言えるでしょう。
2.寄付・社会貢献ができる買い物の事例6つ
- 子供の未来応援国民運動の寄付付き商品
- フェアトレード商品
- 地方自治体・共同募金会のホームページから購入
- 寄付型自動販売機
- ふるさと納税
- クラウドファンディング
2-1.子供の未来応援国民運動の寄付付き商品
内閣府が2015年に開始した「子供の未来応援国民運動」は、子供の貧困対策を国・自治体がNPO団体と連携して行うプロジェクトです。「子供の未来応援基金」では寄付を募り、集まった寄付金は学習支援を行う団体や子ども食堂・児童養護施設などの運営資金として活用されています。
子供の未来応援国民運動のホームページでは寄付付き商品の紹介を行っており、お菓子やCD・DVDなどを購入すると売り上げの一部が基金に寄付されます。花や観葉植物などのレンタルサービスもあります。商品は寄付付き商品紹介ページに掲載されている、販売元の企業のホームページから購入できます。
2-2.フェアトレード商品
フェアトレードとは「公平・公正な貿易」を意味します。フェアトレードは途上国の原料・製品を適正な価格で継続的に購入し、労働者の環境向上や環境保全などを目指す貿易です。
発展途上国は先進国との貿易において立場が弱く、現地で生産した日用品や食品などを相場よりも安い価格で取引せざるをえないという現状があります。その結果、途上国では安く生産するため人件費が削られ劣悪な労働環境で働く人が増える、過剰な農薬で環境を破壊するなどの事態が起こっています。
厳密にはフェアトレード商品の購入は寄付ではありませんが、公平な消費行動を通した社会貢献という意味では共通していると言えるでしょう。
例えば、千葉県木更津市ではフェアトレードの推進活動としてフェアトレード商品を取り扱っている企業・団体などを公式ホームページやSNSで紹介しています。(※参照:木更津市「フェアトレードの推進」)
JICA(独立行政法人国際協力開発機構)でもファッションショーやトークショーなどの啓発・普及活動が行われています。2021年10月には金沢市と連携し、金沢市役所前でフェアトレードバザーやファッションショー・トークショーを開催しました。(※参照:JICA「フェアトレード=買い物で参加する国際協力」)
また、フェアトレード商品は一般社団法人わかちあいプロジェクトの「フェアトレード商品紹介ページ」や、特定NPO法人フェアトレード・ラベル・ジャパンの製品情報検索ページで探すことが可能です。その他、JICAが開発途上国の食事を提供する東京都新宿区市ヶ谷にある「J’s Café」でもNGO団体、青年海外協力隊OB・OGなどが取り扱うフェアトレード商品を紹介・販売しており、様々な形でフェアトレードを推進する活動が行われていることが分かります。
2-3.地方自治体・共同募金会のホームページから購入
地方自治体のホームページや地域の共同募金会でも寄付付き商品の紹介・購入を掲載している所があります。
例えば、北海道札幌市では札幌のまちづくり活動に役立てられるさぽーとほっと基金に売り上げの一部が寄付される寄付付き商品を札幌市役所ホームページで公開しています。(※参照:札幌市「寄付つき商品のご紹介」)全て地元企業の商品で、ラーメンやコーヒー、寄付付き自動販売機などが紹介されています。
その他、社会福祉法人福岡県共同募金会の寄付つき商品では、2021年3月17日時点で124社の商品を紹介しています。パンやボールペンなど商品のジャンルは多岐に渡り、様々な種類の商品が紹介されています。
2-4.寄付型自動販売機
寄付型自動販売機は、自動販売機の製品(主に飲料)を購入する事で売上げの一部を寄付することができます。
例えば、先に述べた子供の未来応援基金の「子供の未来応援基金 寄付型自動販売機」は飲料の売上げ1本ごとに10円が子供の未来応援基金に寄付される仕組みです。
公益財団法人日本財団の「日本財団チャリティー自販機」もドリンク1本につき10円を社会貢献プロジェクトに寄付されます。こちらは全国で8,000台以上が設置され、累計の寄付額は18億円に上り、「子ども第三の居場所」「難病児支援」「日本財団夢の奨学金」などに活用されています。このような寄付型自販機を見つけた時には、飲み物を購入することで寄付が可能です。
2-5.ふるさと納税
ふるさと納税は、自身で選んだ自治体に一定額の寄付を行い、寄付額のうち2,000円を超える金額を所得税(控除しきれない場合は住民税)から控除される制度です。
ふるさと納税には返礼品があり、地域で生産された肉や米などの食料を始め、自治体で使える食事券や宿泊補助券、植物やカブトムシ・めだかなどユニークなものも存在します。寄付金は子育て支援や環境保全、文化芸術活動などに活用されており総務省のふるさと納税ポータルサイトで各地方自治体の活用事例が公開されています。
なお、ふるさと納税には「ワンストップ特例制度」があり、サラリーマンでふるさと納税先の自治体数が5団体以内の方は申請書を提出することで確定申告を行わなくても寄付金控除が受けられます。ただし、サラリーマンでも一定の給与所得・雑所得を上回っている方は確定申告が必要となるため、確定申告で寄付金控除を申請することになります。
2-6.購入型クラウドファンディング
クラウドファンディングは、資金を必要とするNPO団体・地方自治体などがプロジェクトを公開し、多数の人から資金を集める資金調達方法です。クラウドファンディングには寄付型・購入型・投資型の3種類があり、購入型では1口1,000円程度から資金を提供する代わりに一定の製品・サービスをリターンとして受け取る事ができます。
クラウドファンディングサイトにはCAMPFIREや Makuakeなど多数のサイトがあり、ジャンルやリターン別などでプロジェクトを検索することが可能です。ただし、購入型のクラウドファンディングは、目標額に達しないと成立しないもの、サイト掲載時に資金が不要なものが多い傾向にあります。募集を行っている団体の実績などを確認し、選ぶ際には慎重に検討しましょう。
なお、寄付型クラウドファンディングの例としては、岡山県瀬戸内市では、2021年12月からふるさと納税制度を利用した「ガバメントクラウドファンディング®」で寄付金を募り、開始から16日目で目標金額の300万円を達成しました。この寄付金は飼い主のいない猫の不妊去勢手術費補助金制度に活用する予定です。
3.まとめ
寄付や社会貢献が出来る買い物には、寄付型自動販売機や寄付付き商品・フェアトレード商品の購入などがあり、多くの商品・サービスはオンラインで購入できます。
オフラインでは、寄付型自動販売機は側面に「寄付が出来る」「売り上げの一部が寄付されます」などと書かれているものがあります。日常、街中で意識して探すことで見つかることもあるでしょう。
この記事を参考に寄付・社会貢献できる買い物について知り、今後に活かしていきましょう。
田中 あさみ
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