ソーシャルレンディング会社では、投資家の登録促進などのために、投資初心者やソーシャルレンディング投資経験者を対象としたセミナーを実施することがあります。
セミナーは、普段なかなか接することのないソーシャルレンディング会社の人間と直接触れ合う絶好の機会です。セミナーに参加するのであれば、ウェブサイト上ではわからない情報もぜひ確認しておきたいところ。
そこで今回は、ソーシャルレンディング会社主催のセミナーに参加する時には、どのようなポイントを押さえれば良いのかについてお伝えします。
- ソーシャルレンディングのセミナーの申し込み方
- 参加前に質問をまとめておく
- 見ておくべきポイント
3-1.利益を出すスキーム
3-2.どのような立場の人間が登壇しているのか
3-3.段取りが手慣れているかどうか - 参加した時に聞くべきポイント
4-1.他社の不祥事をどう感じているか
4-2.融資先は何社程度あるのか
4-3.社長や経営陣の経歴
4-4.事業の拡大方針
4-5.名刺をもらっておく - まとめ
1 ソーシャルレンディングのセミナーの申し込み方
ソーシャルレンディング会社のセミナーに参加するには、ウェブや電話でセミナーの申し込みをしなければいけません。基本的にはセミナー申し込みはウェブサイト上で募集され、自分のメールアドレスや名前、連絡先などをセミナー申し込みページで入力します。その後に会社から返信メールが届きます。
返信メールには、セミナーの開催日時や場所が記載されていますので、その日時になったらセミナー開催場所に向かいます。受付では自分の名前を告げれば中に案内されますので、セミナーを受けることができます。
2 参加前に質問をまとめておく
参加前の準備としてはまず、自分が必ず確認したい質問をまとめておきましょう。セミナーでは会社側の話の後に、質疑応答の時間が設けられます。前もって気になる点をピックアップしておき、質疑応答の時間になったら挙手して質問を行いましょう。
ただし、質疑応答の時間は限られているため、一人で2個も3個も質問できません。本当に聞きたいことだけをピックアップしておき、セミナーの開催中にメモを取りながら気になったことが浮かんできたら、合わせて聞くようにしましょう。
その場でなんとなく思いついた質問では、自分も聞きたいことが明確になっていません。あやふやな内容の質問では、相手も大変回答しづらいです。貴重な質疑応答の時間をもらうのですから、予めきちんと聞くことをまとめておき、意味が分かりやすくて相手が回答しやすい質問を用意しておきましょう。
3 見ておくべきポイント
それでは実際のセミナーでは、どのような点をよくみるべきでしょうか。
3-1 利益を出すスキームがどうなっているのか
まずはそのソーシャルレンディング会社が、どのように融資と利益のスキームを構築しているかをみます。基本的にはソーシャルレンディング会社は投資家から資金を集め、資金を必要としている事業者に融資を行います。この場合、登場するのは投資家、ソーシャルレンディング会社、融資を受ける事業者の三者だけです。
しかし、会社によってはそれよりも多くの事業者が絡んでくることもあり、スキームが複雑な構造になっていることがあります。ソーシャルレンディング会社が直接事業者に融資するのではなく、その間にもう一社会社が絡んでくることもあります。
また、海外のマイクロファイナンス融資案件の場合は、マイクロファイナンス機関に融資を行い、それから個人事業主に小規模融資を行うというスキームが構築されている場合もあります。
スキームが複数存在しているソーシャルレンディング会社は、融資先が複数存在する可能性が高いです。逆に、案件でスキームが同一な構造になっている場合は、融資先の会社が非常に少ないとも考えられます。
また、maneoが募集しているセミナーでは、maneoマーケットを利用している会社も合同セミナーを行っています。セミナーに参加するときは、maneoとソーシャルレンディング会社の業務分担や責任の所在も確認しましょう。
投資家の資金がどのような流れで融資され、投資家の利益はどこから生まれてくるのかを理解しておかないと、事業者リスクや案件リスクにも繋がってきます。必ず確認しておきましょう。
3-2 どのような立場の人間が登壇しているのか
セミナーではどのような立場の人間が登壇し、投資家に対して話を行っているかもチェックしておきたいポイントです。社長本人が登壇し、投資家へ直接話をすることもありますし、社長に次ぐ立場の専務や部長などが話をする場合もあります。それ以外にも一般社員が話す会社もあります。
基本的には、より立場が上の人間が登壇する方が、投資家に対して自分の顔を出しても問題なく、きちんと話をするスタンスを取っていると考えられます。下の立場の人間しか登壇しないような会社は、信用面でやや不安が残ります。
3-3 段取りが手慣れているかどうか
また、セミナーの段取りが手慣れたものかどうかという点も、実は重要なチェックポイントです。ソーシャルレンディング業界では、できてからほんの数年しか経っていないソーシャルレンディング会社が多いのです。
それでも、セミナーの段取りが手慣れたものであり、登壇する人間の話も流暢に進むのであれば、ビジネス経験に加えてセミナーの開催経験も豊富であることが推測できます。
しかし、全く段取りができておらず、登壇する人間もセミナーで話したことがないような人間の場合、その会社の経験値の低さが浮き彫りになります。
必ずしもセミナーに慣れているからといって信用できるわけではありませんが、投資家に不安を持たせないためには、会社はできるだけスムーズな段取りで行う必要があります。不慣れな上に準備不足な状態で、投資家の前に姿を現してしまうこと自体、その会社の業務に対する意識の低さや体制面の未熟さが分かってしまうのです。
4 参加した時に聞くべきポイント
質疑応答の時間が設けられた場合、限られた時間内で気になる点をしっかり質問しなければいけません。では、どんなことを聞いておくべきでしょうか。
4-1 他社の不祥事をどう感じているか
ソーシャルレンディングの現状では、投資家も安全な投資先を見極めなければいけない局面に来ています。そこで、行政処分などの問題を最近起こした他のソーシャルレンディング会社の業務内容や、行政処分に対してどう思うかを聞いてみると良いでしょう。
他の会社のことをどの程度研究しているのかを示すポイントにもなりますし、行政処分を受けないため、投資家の安全を守るため、どのような取り組みをしているのかという点を聞きましょう。その会社のコンプライアンス遵守の精神を推し量ることができます。今のタイミングであれば「金融庁の指導にあったように、御社では融資先の社名は明らかにしないのか」なども、ぜひ聞いておきたいポイントです。
4-2 融資先は何社程度あるのか
それと同時に重要となるのが、融資先の会社が何社あるのかという点です。実際に融資先の数を細かく公開している会社はありませんし、貸金業法の都合で公開できないとも言われます。
一方、「御社には複数の融資先があるのか」「どのような事業を展開する会社に融資しているのか」などは回答がもらえやすい質問です。
ソーシャルレンディング会社で問題を起こしたみんなのクレジットやラッキーバンクは、ほぼ1社にのみ融資を行っていました。1社のみに融資を行っていると、融資先の事業が破綻した場合、ソーシャルレンディング会社も共倒れし、投資家の損失が発生する可能性が高くなります。
融資先がきちんと分散されていれば、一社で貸し倒れが起きたとしても、全ての案件に影響が及ぶわけではありません。ある程度リスクを分散できるようになってきます。
どのような事業に融資しているのか、どのような会社とパイプを持っているのかを知るために、融資先のことについても聞いておきましょう。
4-3 社長や経営陣の経歴
社長や経営陣の経歴も、可能であれば聞いておきたいところです。なぜソーシャルレンディング会社を起こしたのか、これまでどのような事業を手掛けてきたのかなど、インターネット上の経歴だけではわからない経営陣の素性がわかることがあります。みんなのクレジットのように経歴に問題がある社長は、信用できないケースもあるのです。
4-4 事業の拡大方針
ソーシャルレンディング業務を行っている会社でも、「オーナーズブック」を運営するロードスターインベストメンツのようにソーシャルレンディング以外の事業に乗り出す会社もあります。
ソーシャルレンディング事業でどのような拡大方針を取っていくのかは、最も注目するべき点ですし、他の事業展開の可能性も聞いておきたいところです。他の事業で収入があれば、ソーシャルレンディング事業が赤字でも倒産したり、急に事業が停止されたりすることなく、投資家への返金もスムーズに行われるでしょう。
4-5 名刺をもらっておく
せっかくセミナーに行ったのですから、登壇者や社員の名刺をもらっておきましょう。名刺には社長や社員個人のメールアドレスや携帯電話番号、会社の電話番号などが掲載されています。特に個人の携帯番号やメールアドレスはホームページ上には載っていない情報ですので、緊急の場合の連絡先として活用できます。
会社に何かあった場合、会社の代表電話が通じなくても、個人の携帯番号に電話をかけて連絡が取れるケースもあるのです。可能であればその場に来ている社員全員の名刺をもらうようにしましょう。
5 まとめ
ソーシャルレンディング会社にとってセミナーは会員を増やす絶好の場であり、投資家にとっては会社の雰囲気を知る絶好の機会となっています。ホームページだけではわからない社長や社内の雰囲気、ソーシャルレンディング事業に対してどのような姿勢で取り組んでいるかといった点をセミナーで細かくチェックしておきましょう。
一度の参加でよくわからなかった場合は、もう一度参加しても良いでしょう。大金を投資するのであれば、納得するまでその会社に接する機会をできるだけ多く持つようにしましょう。
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HEDGE GUIDE 編集部 ソーシャルレンディングチーム

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