LINE証券の投資信託28本をプロが比較、初心者向けの投資信託も

老後に2000万円が必要といったニュースや新型コロナウイルスによる株価の乱高下などを背景に、若い方や働く世代の方が新たに投資を始めています。また最近では、スマホをメインデバイスとしているユーザー向けに多くの証券会社でスマホから投資信託を買いやすい環境も整備されてきています。

そのうちの一つが、昨年新規参入したばかりのLINE証券です。今回はLINE証券の特徴を説明し、現役ファンドマネージャーの視点から取扱商品のなかで有望な投資信託をご紹介したいと思います。

目次

  1. LINE証券とは
  2. LINE証券の特徴
  3. LINE証券の全取扱商品
  4. LINE証券で注目の投資信託
  5. 初心者に最も適した投資信託とは

1.LINE証券とは

LINE証券はコミュニケーションアプリのLINEが作ったネット証券サービスで、LINEの金融子会社が51%、野村ホールディングス(HD)が49%を出資して2019年8月に設立されました。その後2019年11月27日より新たに投資信託の取扱いを開始しました。

低コストのインデックス型からバランス型、アクティブ型、ブルベア型まで一通り揃っていますが、取り扱う投資信託は僅か28本と、本数をかなり厳選しています(2020年5月時点)。大手ネット証券は1,000本以上、特にSBIや楽天は2,000本以上の商品を取り揃えていますから、その違いは明らかです。

LINE証券のターゲット顧客層は若いスマホ世代の投資初心者ですから、あえて取り扱い本数を絞ることで、初心者が投資を始めるハードルを低くしているわけです。そもそもスマホユーザーを念頭にサービスを提供しており、スマホで取引をするときの操作性も優れています。

2.LINE証券の特徴

LINE証券では、「投資が怖い」というイメージがある方のために、お試しで始めるにはちょうどいいと思えるような下記のような特徴があります。

  • 全ての商品の購入手数料が無料
  • 100円から購入可能
  • LINEポイントを投資信託の購入に使えるので、ポイントが貯まっていれば元手0円で始めることもできる
  • LINE Payを使った入金操作が簡単
  • 銘柄選びが簡単

難しい言葉や表現を極力排除し、初心者に優しい投資環境が整えられています。複雑な検索条件を使って何度も絞り込む必要はなく、4つのカテゴリ(①安定的に運用、②低コスト、③リターン重視日本に投資、④リターン重視世界に投資)やシンプルな各種ランキング(リターン:3年・1年・6カ月、購入件数:週間)により、自分にあった投資信託を簡単に探すことができます。

一方で、他社と比較して取り扱っていないサービスもいくつかあります。

  • アプリはあるが、スマホ専用サイトはない
  • 積み立てには対応していない
  • NISA口座には対応していない

3.LINE証券の全取扱商品

LINE証券取扱商品のラインナップを4つのカテゴリに分けておさらいしておきます。

安定的に運用

  • eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
  • エス・ビー・日本債券ファンド
  • ブラックロックおまかせバランス投信
  • 三菱UFJ グローバル・ボンド・オープン(年1回決算型)

低コスト

  • eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)
  • eMAXIS Slim 新興国株式インデックス
  • eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
  • eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
  • eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
  • eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
  • eMAXISプラス コモディティインデックス

リターン重視 日本に投資

  • コモンズ30ファンド
  • スパークス・新・国際優良日本株ファンド
  • 東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープン
  • バリューハント日本株
  • ひふみプラス
  • 三井住友・配当フォーカスオープン
  • 楽天日本株トリプル・ブル
  • 楽天日本株トリプル・ベアⅣ
  • 楽天日本株4.3倍ブル
  • One国内株オープン

リターン重視 世界に投資

  • アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Bコース(為替ヘッジなし)
  • エマージング・ソブリン・オープン(年1回決算型)
  • スパークス・新・国際優良アジア株ファンド
  • netWIN ゴールドマン・サックス・インターネット戦略ファンド Bコース(為替ヘッジなし)
  • フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド (資産成長型)
  • フィデリティ・USリート・ファンド (資産成長型)D(為替ヘッジなし)
  • フューチャートレンド世界株
  • 楽天・米国レバレッジバランス・ファンド

2019年11月末時点において、LINE証券の取扱い投資信託の中で、モーニングスターが評価対象としているアクティブファンド13銘柄のうち、9銘柄が5つ星を獲得しています(下線付きで表示)。

モーニングスターは、信託報酬率を5段階でランク分けしています。LINE証券で取扱っている投資信託28銘柄のうち、「eMAXIS」シリーズなど15銘柄が最もコストが低いランクとなっています。ちなみに、インデックスファンド7銘柄は全て低コストの「eMAXIS」シリーズです。

またLINE証券でしか購入できない専用ファンドが3つあり、そのうち2つは類似ファンドと比べて0.2%程度信託報酬が安くなっています。

※モーニングスター株式会社:中立的な立場で投資信託を評価する機関であり、世界規模で金融・経済情報を提供している会社。

4.LINE証券で注目の投資信託

かなり厳選された28本の投資信託であり、初心者にとっても適した銘柄ばかりですが、そんな中でも、2019年11月27日に投資信託の取り扱いをスタートしてから2020年1月6日までの保有者数・累計買付金額・累計買付件数などを加味した人気ランキング上位3銘柄は、下記の通りとなっています。全て5つ星獲得銘柄となっています。

  • 1位:東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープン
  • 2位:netWIN ゴールドマン・サックス・インターネット戦略ファンド Bコース(為替ヘッジなし)
  • 3位:アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Bコース(為替ヘッジなし)

参照:LINE証券公式note

ここで、5つ星銘柄全てを下記の通りまとめて比較してみました。

商品名 リターン(3年) 標準偏差 信託報酬 シャープレシオ(概算) 純資産額
東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープン 21.16 18.75 1.58 1 43,142
netWIN ゴールドマン・サックス・インターネット戦略ファンド Bコース(為替ヘッジなし) 17.38 17.9 2.09 0.8-0.9 426,445
アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Bコース(為替ヘッジなし) 14.59 15.51 1.73 0.7-0.8 139,081
スパークス・新・国際優良日本株ファンド 6.83 17.04 1.8 0.5-0.6 90,988
ひふみプラス 5.24 16.87 1.08 0.4 524,485
One 国内株オープン 『愛称 : 自由演技』 2.55 17.39 1.76 0.4-0.5 18,486
フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド (資産成長型) -1 11.32 1.65 0 32,050
エマージング・ソブリン・オープン(年1回決算型) -1.59 10.63 1.73 0 11,889
エス・ビー・日本債券ファンド 1.29 2.02 0.41 0.8 7,469

※標準偏差:一般的には統計学における散布度(バラツキ)を計測する手法のことを指す。 金融商品ではリスクを数値化する際にも使われる
※シャープレシオ:投資のリスク(価格変動)の大きさに比べてどれだけリターン(収益率)を得られるか、運用効率の高さを示すもの

5.初心者向けの投資信託とは

投資する方のリスク許容度によりますが、長期で保有する前提であれば、信託報酬が掛かり続けることを勘案した上でトータルリターンを見ていくことは大事です。加えて、マイナスになった時に慌てて解約しなくてもよいレベルのパフォーマンスのばらつき(標準偏差)が求められます。

前項の5つ星銘柄の比較表のうち下3つが債券ファンドとなりますが、全体の傾向としては長期で持てば持つほどリターン面において株が優位になります。一方で、債券ファンドは標準偏差が小さくリスクが小さいことが示されています。

収益だけを求めるなら『東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープン』、値動きの安定性を求めるなら『エス・ビー・日本債券ファンド』が向いているということになります。

ここでもう一点考えておきたいことが、コロナ後の世界についてです。人とのつながりをできるだけ避け、ネットでの繋がりが増えそうな気配が漂っています。

そうなると、信託報酬は高いものの、常に時代の先を見据え一歩先の投資テーマを追求し、現在はIoT時代の拡大を見据え、IoT、クラウドコンピューティング、AIを主な投資テーマとしている『netWIN ゴールドマン・サックス・インターネット戦略ファンド Bコース(為替ヘッジなし)』も期待できそうです。

ただし、現在米中がITの主導権を握ろうと熾烈な争いを繰り広げていますが、アメリカが負けるとなった時に、即座に撤退することは想定しておかなければなりません。

※ IoT:Internet of Thingsの頭文字を取ったもので、モノがインターネット経由で通信することを意味する

まとめ

LINE証券の投資信託は28本と、他のネット証券に比べてかなり厳選されています。投資初心者に特化したサービスというだけあって商品は選びやすく、また初心者でも運用しやすいものが揃っています。

この記事も参考としつつ、ご自身の投資目的に応じてよく調べながら証券会社や投資信託選びを進めてみてください。

※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。

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HEDGE GUIDE 編集部 投資信託チーム

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