何が違う?銀行定期預金とつみたてロボ貯蓄の利回りやリスク、手数料などを徹底比較

銀行にお金を預けていても低金利政策によりほとんどお金は増えないため、効率的な資産運用の方法が注目されてきています。

資産運用として取り組めるものには、株式投資、投資信託、ポイント投資、クラウドファンディング投資、不動産投資など様々ありますが、最近登場した「One Tap BUY」(ワンタップバイ)が提供している「つみたてロボ貯蓄」は、株式投資と投資信託の2つの特徴を併せ持つ、スマートフォンで手軽に資産運用を始めたい方に向いたサービスです。

この記事では、銀行定期預金と「つみたてロボ貯蓄」を利回り・リスク・手数料などで比較し、詳細に解説していきます。これから資産運用を始めたい方、投資に興味のある方は参考にしてみてください。

目次

  1. つみたてロボ貯蓄とは
    1-1.高分配・高配当コース
    1-2.積み株コース
  2. 「銀行定期預金」と「つみたてロボ貯蓄」の比較
    2-1.利回りの比較
    2-2.リスクの比較
    2-3.手数料の比較
    2-4.始めやすさ・利用しやすさの比較
    2-5.最低必要金額の比較
    2-6.積み立ての比較
    2-7.中途解約の制限の比較
    2-8.手間と時間の比較
  3. まとめ

1 つみたてロボ貯蓄とは

つみたてロボ貯蓄」は、スマートフォン専用の証券会社「One Tap BUY」が2019年5月にスタートした新しいサービスで、株式を対象に積立投資を行うことができるものです。定期的に一定額の金融商品を購入する「ドルコスト平均法」でリスクを平準化し、運用状況に応じて分配金・配当金ももらえるという特徴があります。

また、売却についても原則365日24時間で売却することができることに加え、積み立てたお金を定期的に自動売却する「自動定期売却」機能では、年金のように毎月お金を受け取ることも可能です。

なお、「つみたてロボ貯蓄」には、3万円以上から始められる「高分配・高配当コース」と、1,000円以上から始められる「積み株コース」があります。それぞれのサービス内容を詳しく見ていきます。

1-1 高分配・高配当コース

高分配・高配当の銘柄を定期・定額に購入し積み立てていくコースです。購入銘柄は、米国の株式市場に上場しているETF(5銘柄)やBDC(2銘柄)で、これらを毎月買付けていくコースです。

海外ETFは米国の株式市場であるナスダック証券取引所など金融商品取引所に上場している投資信託のことで、BDCは投資信託のように投資家から資金を集め、中堅企業や新興企業等の事業開発を金融面及び経営面からサポートする投資会社のことです。

購入金額の設定は3万円以上1万円単位となり、購入タイミングは「毎月」の好きな日付から自由に設定できます。

このように、事前に設定した銘柄・時期・金額に従い、ETFやBDCの自動購入・積立を行うことで積立残高に応じた分配金や配当金が貰えます。(※運用状況によっては、分配金・配当金が支払われない場合があります)

1-2 積み株コース

あらかじめ設定した銘柄・時期・金額に従い、株式を自動的に購入し積み立ててくれるコースです。毎回の購入金額は1,000円以上1,000円単位で設定することができます。購入する銘柄は米国株式で、世界的に有名な企業を中心に厳選した38銘柄となっています。

2 「銀行定期預金」と「つみたてロボ貯蓄」の比較

「銀行定期預金」と「つみたてロボ貯蓄」の違いを「利回り」「リスク」「手数料」「始めやすさ・利用しやすさ」などの項目から比較していきます。

2-1 利回りの比較

銀行定期預金の金利は金融機関によって差があります。みずほ銀行など大手都市銀行の1年もの定期預金の金利は現在、年0.01%程度となっています。一方、ネット銀行の金利はそれよりもやや高い傾向にあり、例えばSBJ銀行では1年ものが預入金額にかかわらず0.35%、オリックス銀行では1年ものが100万円以上で0.20%となっています。

「つみたてロボ貯蓄」と同じ積立方式での貯蓄ができる積立定期預金の金利の場合、金利が高いものでイオン銀行の預け入れ全期間が年0.08%、ソニー銀行の1年ものが年0.05%となっています。

(注)定期預金金利は2019年6月24日時点、積立定期預金金利は2018年10月18日時点の数値です。

他方、「つみたてロボ貯蓄」における「高分配・高配当コース」の利回りは以下のようになっています。

種類 銘柄 年利の目安
BDC ARCCエイリスキャピタル 8.72%
BDC MAINメインストリート 6.74%
ETF PFF優先株式&インカム証券 5.60%
ETF EMBドル建新興国債券 5.47%
ETF HYGドル建ハイイールド社債 5.29%
ETF USIGドル建投資適格社債 3.43%
ETF TLT米国国債20年超 2.42%

(数値は2019年7月末時点のものです。将来の分配金・配当金の支払い及びその金額について保証するものではありません。また、運用状況によっては、分配金・配当金が支払われない場合があります)

「つみたてロボ貯蓄」の公式サイトでは、積立貯蓄のシミュレーションが行えます。上表の中で、ARCCエイリスキャピタルに毎月3万円、10年間積み立てを行った場合、結果は以下のようになります。

つみたてロボ貯蓄のシミュレーション

銀行定期預金の利回りはほぼゼロに近いですが、「つみたてロボ貯蓄」は後述のリスクがあるものの、高い利回りが期待できるというメリットがあります。

2-2 リスクの比較

銀行定期預金は「貯蓄」として定義されるもので、経済情勢や景気動向が悪化しても元本割れを起こして貯蓄額が減るなどのリスクは基本的にありません。また、預け入れの途中で国の政策金利が変わっても、預入時の利率が途中で変わることは原則としてありません。預入時の利率は満期日まで変わらず、その面のリスクもありません。

ただし、預け入れている銀行が経営破綻してしまった場合は、預金額が全額戻ってくる保障はありません。日本では、預金保険機構により原則として「決済用預金」以外の預金は、全て定額保護されることになっています。

具体的には、金融機関が破綻した場合に、定期預金を含む一般預金は、合算して元本1,000万円までと破綻日までの利息が保護されることになっていますが、1,000万円を超える預金は、「金融機関の財務状況に応じて」支払われることになります。

一方、「つみたてロボ貯蓄」はサービスの名称に「貯蓄」という言葉が入っていますが、その中身は一般に「投資」と呼ばれるものです。購入した株や金融商品は、経済動向や相場の変動次第で上がることもあれば下がることもあります。購入した株や投資信託の価格が下がれば、投資額が元本割れを起こし損失になる可能性もあります。

ただ、積み立て投資はそのような価格変動を「ドル・コスト平均法」で銘柄の買い付け価格を平準化し「時期(時間)の分散」をする手法です。価格が一時的に下落しても、そのぶん口数を多く買えるため、マーケットが上昇に転じれば利益額も大きくなります。

また、「つみたてロボ貯蓄」の顧客資金は、みずほ信託銀行で分別管理されるため、運営元のOne Tap BUYが破綻しても顧客のお金は守られる仕組みになっています。さらに、預入先のみずほ信託銀行が破綻した場合でも、信託法により信託財産は守られます。

2-3 手数料の比較

銀行定期預金の手数料は、サービス自体は無料ですが、資金を入金する際の振り込み手数料が発生します。一般的に普通預金の口座にある資金を定期預金に預け入れる際、同じ銀行の同じ支店同士であれば手数料はかかりませんが、別の銀行や同じ銀行の別支店に振り込む際は振込手数料がかかります。通常、手数料額は108円から数百円となります。

出金の際は、銀行の窓口で引き出せば手数料はかかりません。また、ATMでの出金も、時間内であれば無料としている金融機関が増えています。加えて銀行定期預金に解約手数料は発生しません。

一方、「つみたてロボ貯蓄」もサービス利用料はかかりません。ただし、「高分配・高配当コース」は取引コストがかかりませんが、「積み株コース」では株取引の都度、取引コストが発生します。

また、米国株やBDC、ETFなどを購入するために為替手数料がかかります。為替手数料は、積み株コースで1ドルあたり35銭、高分配・高配当コースで1ドル当たり1円かかります。

さらに、入金の際の振り込み手数料は、銀行定期預金の場合と同様にかかるほか、出金の際にも以下のような手数料が発生します。

出金額 みずほ銀行あて 他銀行あて
3万円未満 108円 270円
3万円以上 216円 378円

このようにコスト面で比べた場合、銀行定期預金では入金手数料のみが発生するのに対し、「つみたてロボ貯蓄」では、株の取引コスト(積み株コースのみ)、為替手数料、入金手数料、出金手数料など様々なコストが発生します。

2-4 始めやすさ・利用しやすさの比較

従来、銀行定期預金を始めるためには、店頭窓口で定期預金の口座を開設し、資金を振り込む必要がありました。最近では、各金融機関でインターネットバンキングを使った定期預金口座の開設ができるようになり、資金の振り込みもインターネット経由で行うことが可能です。

ただし、スマートフォンや携帯から定期預金に関する手続きをモバイルバンキング経由で行おうとする場合、パソコンを使ったインターネットバンキングに比べて一定の制約があります(一部の手続きのみ可能など。金融機関ごとに扱いが異なります)。

一方、「つみたてロボ貯蓄」は、スマートフォンから手続きができるように設計されているため、口座開設から積み立ての設定、その他各種手続きを簡単に行うことができます。

2-5 最低必要金額の比較

次に、サービスを利用するための初期必要金額(最低必要金額)で比較します。

銀行定期預金は、ある程度のまとまった資金を預け入れることが想定されていますが、まとまった資金がなくても定期預金を始めることは可能です。例えば、みずほ銀行の「みずほスーパー定期」では、預入金額・単位が「1円以上・1円単位」となっています。

一方、つみたてロボ貯蓄の株・金融商品の購入額・単位では、高分配・高配当コースでは「3万円以上・1万円単位」、積み株コースでは「1,000円以上・1,000円単位」となります。

初期必要金額で比べると、どちらのサービスも少額から始めることができます。

2-6 積み立て機能の比較

積み立て機能とは、一定のスケジュールに基づいて定期的に積み立てを行い、元金を増やしていくサービスです。

本来、銀行定期預金は、初めにまとまった一定の金額を預け入れて運用するのが目的であるため、通常の定期預金に積立機能はありません。しかし、定期預金の中にも、積立機能がある「自動積立定期預金」という種類があります。

例えば、三菱UFJ銀行の「自動つみたて定期預金」では、積立方法で「自動振替」と「随時入金」が利用できます。自動振替は普通預金などから振替を行うもので、そのサイクルは、毎月・3ケ月ごと・年1~2回の特定月から選べます。振替金額は1万円以上です(Eco通知利用、またはインターネットバンキング利用の場合は1,000円から)。

随時入金は、銀行窓口・ATM・インターネットバンキングなどを利用して好きな時に入金ができます。入金額は、1円以上・1円単位となっています。

一方、「つみたてロボ貯蓄」では、株や金融商品をあらかじめ顧客が設定した銘柄・金額・購入タイミングに従って、定期的に定額の購入を行い積み立てていきます。購入するタイミングは、毎月・毎週・毎年などのサイクルから選ぶことができ、毎月の場合は「毎月○日」と購入日付も自由に設定できます。

2-7 中途解約の制限の比較

次は、「中途解約ができるか」「ペナルティはあるか」などについて比較します。

銀行定期預金は、あらかじめ預金者が預入期間を決めて始める預金のため、中途解約は想定されていません。そのため、銀行定期預金の中途解約は原則できませんが、至急現金を用意しなければならなくなった場合など、預金者にやむを得ない事情が生じたケースなどでは中途解約を認めることもあります。その場合には、当初の利率よりも低い普通預金並みの「中途解約利率」が適用されます。

一方、「つみたてロボ貯蓄」は、顧客がいつでも好きな時に中途解約ができます。一定期間、株の購入を停止したい時は「休止」、停止ではなく辞めたい場合は「終了」の手続きを行うことになります。また中途解約によるペナルティもありません。

2-8 運用の手間・時間の比較

銀行定期預金では、インターネットバンキングを使って定期預金の口座開設や資金の振り込みを行えば、手間と時間はさほどかかりません。ただし、預金額や積立額、預金の期間などを決めるには、検討する時間が必要になることもあるでしょう。

一方、「つみたてロボ貯蓄」は、スマホで手続きができるため、始めるまでの手間と時間はあまりかかりませんが、自分が購入して積み立てを行う米国株やBDC、ETFなどの銘柄選定では、ある程度の企業研究や情報収集が必要なため、銀行定期預金に比べると手間や時間が必要になる場合もあります。

銘柄選びを資産運用の楽しみと捉える方もいれば、負担に感じる方もいるので、向き・不向きが分かれる項目と言えます。

3 まとめ

様々な視点から「銀行定期預金」と「つみたてロボ貯蓄」を比較してきました。各項目の特徴をまとめて評価を付けると、下表のようになります。

比較項目 銀行定期預金 つみたてロボ貯蓄
利回り ★★★
リスク(安全性) ★★★
手数料(コスト) ★★★
始めやすさ・利用しやすさ ★★ ★★★
最低必要金額 ★★★ ★★★
積立機能 ★★★ ★★★
中途解約 ★★ ★★★
手間と時間 ★★★ ★★

(星3つによる評価です。星が多いほどメリットが大きいという意味になります)

初めての貯蓄・投資などに際して、コストをかけずに安全に資金を保管したい場合は「銀行定期預金」、多少のコストや値下がりリスクがあっても配当金・分配金を受け取りながら資産を運用していきたい場合は「つみたてロボ貯蓄」を選んでみてはいかがでしょうか。

The following two tabs change content below.
HEDGE GUIDE 編集部 少額株式投資・ロボアドバイザーチーム

HEDGE GUIDE 編集部 少額株式投資・ロボアドバイザーチーム

HEDGE GUIDE 編集部 少額株式投資・ロボアドバイザーチームは、少額株式投資やロボアドバイザーに関する知識が豊富なメンバーが株式投資の基礎知識から少額投資やロボアドバイザーのポイント、他の投資手法との客観的な比較などを初心者向けにわかりやすく解説しています。/未来がもっと楽しみになる金融メディア「HEDGE GUIDE」