ソーシャルレンディングで失敗しないための7つのリスクヘッジ手法

投資で失敗したくないと考える方は多いと思います。長い間で溜めたお金はもちろん、投資について勉强した時間もタダではありません。すべてをプラスに活かしたいのは当然ですが、確実に儲かるわけではないのも、投資の特徴です。

ただ避けられるリスクを学ぶだけでも、投資の安全性は変わります。そこで今回は、ソーシャルレンディングで失敗しないためのリスクヘッジ手法(予測できる危険に備えて、あらかじめ対策をとること)についてご紹介したいと思います。以下では、まずソーシャルレンディングのリスクを整理した上で、それぞれのリスクを避けるための手法をひとつずつ見ていきましょう。

  1. ソーシャルレンディングにおける8つのリスク
    1. 元本割れリスク
    2. 流動性リスク
    3. 返済遅延リスク
    4. 早期償還リスク
    5. 融資先企業の匿名化リスク
    6. 事業者の倒産リスク
    7. 融資先の審査リスク
    8. 海外案件の為替リスク
  2. ソーシャルレンディングにおけるリスクヘッジ手法とは?
    1. 分散投資をする
    2. 事業内容に気をつける
    3. 担保&保証付きの案件を選ぶ
    4. 短期案件を選ぶ
    5. 元利一括返済の案件は選ばない
    6. 為替ヘッジができる案件を選ぶ
    7. 実績のある事業者を選ぶ
  3. 3.まとめ

ソーシャルレンディングにおける8つのリスク

ソーシャルレンディングで投資を行うには、様々なリスクがあります。どういった部分に注意が必要なのでしょうか。

1-1 元本割れリスク

リスクのひとつ目は、元本の保証がないことです。ソーシャルレンディングは、インターネット上で事業者を通じて、投資家が企業へ資金融資を行うサービスです。ただこれはあくまで”投資”であり、”融資”とは意味が異なります。

本来の融資は、元本の返済は絶対です。返済されない場合は担保の差し押さえによって、返済金を調達できます。しかしソーシャルレンディングでは、あくまで資金融資が投資という形になります。元本が返されない場合、担保の設定がなければ、そのまま貸し倒れとなる可能性が高いです。

1-2 流動性リスク

流動性リスクとは、投資家の希望で案件の途中解約ができないことです。ソーシャルレンディングは企業への資金融資なので、資金の返済期限はあらかじめ双方(事業者と融資先)の合意で決まります。

融資先企業には、期限いっぱいまで資金を借り続けられる権利があります。したがって株やFXのように、「お金が必要になったから」「経済の見通しが不安だから」という投資家の事情で、融資契約の早期終了はできません。

資金が早く戻るとしたら、融資先企業の事業が予定より早く完了し、融資先から早期償還のアクションが起きた場合のみです。

1-3 返済遅延リスク

次のリスクとして、返済遅延が起こる可能性があることです。融資先企業の事業が計画通りに進んでいないとしましょう。事業で得た利益を返済資金に充てるつもりであれば、期限内に返済ができない可能性があります。

その場合、事業者による投資家への返済補償はありません。融資先企業が資金を調達できるなら、投資家は返済を待ち続ける必要があります。

1-4 早期償還リスク

返済の遅れとは反対に、早期償還が起こる場合もあります。早期償還とは、融資先企業の事業が予定より早く完了し、資金の返済が行われることです。

「早く返ってくるに越したことはないのでは?」と思うかもしれません。しかし融資が早く終わる=本来もらえるはずだった利息も少なくなるデメリットがあります。あらためて投資先の案件を探さなくてはいけない手間がかかるのです。

1-5 融資先企業の匿名化リスク

融資先企業が匿名であることも、ソーシャルレンディングが抱えるリスクのひとつです。

案件の詳細ページを見ると、融資先の企業名はアルファベット表記で伏せられています。事業者が融資先を特定させないのは、投資家に貸金業登録の手間を与えないためです。

貸金業法では、融資先が特定できる資金融資は貸金業と認められ、融資する側は貸金業の登録をしなくてはいけません。登録には手間がかかるので、事業者は投資家が気軽にソーシャルレンディングに参加できるように、融資先を匿名しています。

ただ融資先が匿名では、投資家が安全な企業に資金を融資できているのかがわかりません。「実績のない企業には貸したくない」というポリシーがあっても、ソーシャルレンディングではその判断ができないのです。

1-6 事業者の倒産リスク

融資したお金の回収および投資家への返済は、事業者が間に入って行います。そのためもし事業者が倒産したら、投資家が融資したお金は投資家へ戻ってこない可能性が大きいです。

また融資先の匿名化を利用すれば、事業者は自転車操業も可能です。架空案件で資金投資を募り、そのお金を過去案件の元本返済に充てたとしても、投資家はその事実に気づけません。

つまりソーシャルレンディングは、事業者の経営危機をカムフラージュできる余地があります。

1-7 融資先の審査リスク

ソーシャルレンディング事業者は、書類や面談を経て、融資先の企業に、

  • 返済能力があるか
  • 事業の安全性や期待度
  • 担保の信頼性

などを厳格に審査します。ただ審査の内容が公開されているわけではなく、事業者の確認に不備や漏れがある可能性も否定できません。

万が一貸し倒れが起きれば、事業者の信頼は地に落ちます。そのため事業者が厳密な審査を怠ることはないはずです。ただ投資家はある程度、貸し倒れが起きるリスクも受け入れる必要があります。

1-8 海外案件の為替リスク

最後は為替リスクです。事業者によっては、海外企業へ融資を行う案件を取り扱います。

そして利息の分配や、元本の返金が行われる際に、もし為替が円高だったらどうなるでしょう。利息が発生しているにもかかわらず、赤字になるケースがあるのです。

円高とは、円の価値が上がり、円と取り替えるために通常以上の外貨が必要な状態です。よって外貨が同じ量でも、円高か円安かによって、交換できる金額が変わります。円高の場合、交換できる金額が減ります。

海外案件へ投資をする場合、その為替リスクを受け入れなくてはいけません。

ソーシャルレンディングにおけるリスクヘッジ手法とは?

それではソーシャルレンディングにおけるリスクを回避(リスクヘッジ)するためには、何に気をつければいいのでしょうか。

分散投資をする

投資の基本は”分散投資”です。バブルやリーマンショックのように、世界的な経済危機が再び起こる可能性は否定できません。何かトラブルが起きたとき、ダメージを最小限に留められるように、投資先は分散する必要があります。

  • FX
  • 不動産
  • ソーシャルレンディング

と、投資方法を分散させるのはリスクヘッジの基本です。また、ソーシャルレンディングへ投資するにしても、

  • 事業者
  • 投資先の事業内容
  • 通貨の種類

などの事項がひとつに集中しないようにしなくてはいけません。

事業内容に気をつける

不動産やエネルギー開発、施設の設備投資など、事業にはさまざまなジャンルがあります。

事業によって特徴はさまざまで、たとえば不動産事業は利回りが低めに設定されやすいです。その反面、完成後の売却先がすでに決まっている場合も多く、手堅いとされています。

反対に、海外向けの案件は利回りが高い分、その国の経済政策や為替リスクに巻き込まれるリスクがあります。

リスクヘッジを念頭に置くなら、高利回り案件への投資は気をつけた方がいいでしょう。利回りが高いときは、海外案件のようにそれなりのリスクを覚悟する必要があるからです。

担保&保証付きの案件を選ぶ

不動産の担保や、支払いの保証がついた案件は、リスクヘッジの内容としてわかりやすく、投資家に人気があります。

担保付き案件への投資であれば、たとえ融資先の事業が失敗した場合も安心感が強いです。元本の返済が難しくなった場合、担保として設定された不動産の売却資金を、投資家へ返済すれば問題ありません。

保証については、売掛金や約束手形の譲渡などが支払いの強制力を高めます。担保ほど確実な信頼性はありませんが、

  • 利回りとの兼ね合い
  • 過去の返済実績

に応じて、保証付きの案件へ投資してみるのも悪くないでしょう。

短期案件を選ぶ

1年を超える長期案件の場合、融資の実行中に事業が立ちいかなくなる可能性があります。そのリスクを避けるなら、3~6ヶ月ほどの短期案件に投資を限定させるやり方もいいでしょう。

ただ「投資後の事業開始」と「事業完了後の元本返済」までには、待機期間(お金を自由にできず、利益も発生しない期間)があります。そのため短期間での投資を繰り返すほど、待機期間が増えて、投資効率は悪くなってしまうという点も念頭に置いておきたいポイントです。

元利一括返済の案件は選ばない

ソーシャルレンディング一番のリスクは、投資したお金が返ってこないことです。リスクヘッジを心がけるなら、”元利一括返済”の案件は選ばないようにしましょう。

元利一括返済とは、元本と利息が事業完了した最後に一括で戻る返済方法です。利息まで一括返済なのは、融資中に生じた利息を、同じ案件内の別事業へ投資し直すからです。そのため元利一括返済の案件は、利回りが高いことが多いです。

ただ元利一括返済では、貸し倒れが起きた際に全額戻ってこないリスクがあります。したがって案件は、返済方法が”元本一括返済”もしくは”元利均等返済”のものを選んだ方がいいです。

元本一括返済は、利息が毎回均等に分配され、最後に元本が戻ってきます。ソーシャルレンディングにおいて、もっともポピュラーな返済方法です。対して元利均等返済は、利息と元本が毎回の分配で戻ってきます。

為替ヘッジができる案件を選ぶ

為替ヘッジとは、為替リスクを回避することです。為替リスクとは、海外事業への投資で利息が生じても、為替の状況によって損をするかもしれないリスクです。利息や元本の分配のタイミングで円高の場合、日本円で受け取る利益は減ります。

この為替リスクを避けるためには、海外案件を選ばないようにするのが一番です。ただ為替予約ができる海外案件を選ぶ方法もあります。

為替予約とは、将来どんな為替の状況になろうとも、あらかじめ売買のレートを決めておくことです。そうすれば円高になっても、損がなくなります。その代わり、円安になっても為替の利益を受け取ることができません。

上場企業が運営している事業者を選ぶ

投資案件以前に、上場企業が運営している事業者を選ぶということもリスクヘッジの一環となります。

など、リスクヘッジを心がけるなら、上場企業のようにコンプライアンスが整備されていることや、事業規模や資本金の大きさなども大事にしたいところです。新規の事業者については、上記の会社で始めた後に余裕資金を少額で短期間から試してみるというスタンスが良いでしょう。

まとめ

以上、ソーシャルレンディングで失敗しないためのリスクヘッジ手法をご紹介しました。おさらいすると、ソーシャルレンディングのリスクは、

  • 元本の保証がない
  • 流動性が低い
  • 返済遅延が起こる
  • 早期償還が起こる
  • 融資先企業の匿名化
  • 事業者の倒産
  • 融資先の審査が不透明
  • 海外案件の為替リスク

の8つがあります。また、そのリスクを回避(リスクヘッジ)したいなら、

  • 分散投資をする
  • 事業内容に気をつける
  • 担保&保証付きの案件を選ぶ
  • 短期案件を選ぶ
  • 元利一括返済の案件は選ばない
  • 為替ヘッジができる案件を選ぶ
  • 実績のある事業者を選ぶ

の7つの心がけが大切でした。

この記事を最後まで読んだことで、案件を選ぶ際に気をつけるポイントが学ぶことができたかと思います。今まで特に気にしていなかったという方は、今回ご紹介した7つのリスクヘッジに注意しつつ案件を選んでみましょう。

The following two tabs change content below.
石村淳

石村淳

ローリスクでの資産運用を目指すフリーライター。ソーシャルレンディングや仮想通貨などで、少しずつ資産を増やしています。HEDGE GUIDEではソーシャルレンディング記事が担当です。読者の方の疑問が残らないように、わかりやすく読みやすい文章を心がけています。