不動産投資において、信頼できる不動産投資会社を選ぶことは重要なポイントです。最低でも5年から10年といった長期的なパートナーとなりうるため、様々な視点から慎重に判断していきたいと言えます。
一方で、不動産投資会社の中には、管理能力が低かったり、投資家の投資目的のヒアリングに失敗して投資家の目的に合わない物件を紹介してしまったりなどのケースもあります。悪質な場合には、投資家の利益を軽視し、自社の利益を優先する不動産会社が存在するのも事実です。
そこで本記事では、現役の不動産投資家に聞いた信頼できる不動産投資会社の選び方、不動産投資会社との良い付き合い方についてご紹介していきます。また、記事の後半では東京都内で投資用マンション販売を手掛けるエイマックス社の宮地氏にもお話を伺い、良い物件を紹介してもらえる投資家の特徴について聞いています。不動産投資会社選びに困っていた方、良い物件を紹介される投資家のコツを知りたい方は、ぜひご参考ください。
目次
- 信頼できる不動産投資会社の選び方を現役の投資家にインタビュー
1-1.「相談してみたい」と思う不動産会社の特徴は?
1-2.信頼できる不動産会社の選び方は?
1-3.「この会社(人)は信頼できない」と感じたケースは?
1-4.不動産会社と良好な関係を築くための投資家の注意点は?
1-5.初心者が最新の情報を収集する方法は? - 良い物件を紹介してもらえる投資家の特徴を不動産投資会社にインタビュー
2-1.投資家の方に信頼してもらうために不動産会社として心がけていることは?
2-2.検討段階で競合他社と比較しても問題ない?
2-3.不動産会社を比較する際に見ておきたいポイントは?
2-4.現在のトレンドとして、どのような投資家の方が増えている?
2-5.良い物件を紹介してもらうための投資家の心構えなどは? - まとめ
1.信頼できる不動産投資会社の選び方を現役の投資家にインタビュー
今回は、信頼できる不動産投資会社の選び方と良い付き合い方について、不動産投資家の依田泰典(よだやすのり)氏へインタビューを行いました。
話し手プロフィール:依田泰典(よだやすのり)氏
-
不動産投資家。情報経営イノベーション専門職大学客員教授。公認不動産コンサルティングマスター。宅地建物取引士(宅建マイスター)。ソニーにて、ITソリューション関連の法人営業や企画・マーケティングに従事(MVP受賞)。株式(信用取引)等幅広く金融商品を運用。リーマン・ショックを経験後、不動産投資を徹底研究。日本銀行のマイナス金利政策を勝機とし数億円の融資を獲得。分譲マンション(1Kから3LDK)を20戸以上購入。ソニー退職後、不動産会社(ベンチャー企業・東証上場企業)にて、収益用不動産(1棟物件)の売買、事業開発、広報・広告宣伝に従事。現在は、ベンチャー企業を創業。東証上場グループ企業等の社外取締役、顧問、アドバイザーとして活動。不動産テック等スタートアップ30社に出資。
1-1.「相談してみたい」と思う不動産会社の特徴はありますか?
「世の中には多くの不動産会社がありますが、パッと会社概要を見ての特徴で言うと物件販売時の融資付けが強そうな会社には相談をしてみたいですね。なぜなら、不動産投資を成功させるには『融資をいかに良い条件で受けることができるか』というポイントが重要であると考えているからです。不動産会社のウェブサイトの会社概要に提携金融機関が掲載されていることが多いので、必ずチェックします。
なお、具体的にどのような銀行が提携されていると良いのか、という点については投資家の属性や投資タイミング、物件タイプによって異なってきます。まずは金融機関情報のリサーチも含めて、取り組まれるのが良いでしょう。」
1-2.信頼できる不動産会社の選び方や見極めるポイントはありますか?
「まず一つ目のポイントとしては、投資家の意見や考えを尊重してくれる会社です。面談時に、投資家へのヒアリングもそこそこに、すぐに自社の商品(物件)を提案してくる会社が多いと感じており、投資家をおきざりにしてしまうケースが散見されます。初回面談時に、投資家が将来どうなりたいかをよくヒアリングしてくれる会社は信頼できる可能性が高いです。
また、初心者の投資家にとって、不動産会社が何度も膝を突き合わせて、納得できるまで説明してくれるかどうかもポイントとなると思います。不動産は高額商品なので、投資家の納得感のないまま話を進めてくる不動産会社には注意した方が良いと思います。
二つ目に、競合他社に会わないよう誘導するのか、それとも、ライバル企業にどんどん会ってください、と言うのか、は信頼できる不動産会社の見分け方では重要なポイントであると考えています。自社の商品や運営体制に自信があれば、ライバル企業を貶めることはないと思いますし、むしろどんどん比較してみて欲しいと言うはずです。」
1-3.担当者とコミュニケーションをしていく中で「この会社(人)は信頼できない」と感じられたことはありますか?
「他の不動産会社について質問したところ『他社のことなので知りません』と回答された時は、一番信頼できないと感じた瞬間でした。このようなライバル企業のことをあまり調査していない方も意外と多くいるのですが、営業担当者として、市場シェアの高い不動産会社など、最低限他社の動向は把握して欲しいと考えています。
逆に信頼できる担当者であれば、他社の動向についても把握したうえでライバル企業との比較も推奨してくれます。加えて、投資家がピンチになった時の対応について、実際の事例を交えて教えてくれたり、投資家がイメージしやすいように提案してくれる担当者の方であれば信頼できると感じます。
もしも担当者が信頼できない、なかなかコミュニケーションが上手くいかない場合には、勇気を出して担当変更を申し出るのも有りだと思います。ただし、不動産会社が担当変更を嫌がる可能性もあるので、慎重に判断されると良いでしょう。私の場合は、面談申し込みの時点で『ベテランの実績豊富な担当者をお願いします』と伝えてみています。このように伝えているからか、経験不足の担当者の方がついたことはありません。」
1-4.不動産会社と良好な関係を築くために投資家として気を付けていることはありますか?
「営業担当者の提案やアドバイスにしっかりと耳を傾け、重要だと思うところはメモを取る等、こちらが真剣に検討している、ということを認識してもらうことはとても重要であると考えています。
不動産会社の営業担当者は一般の会社よりも業績評価のウェイトが高いです。毎月、確実に業績を積み上げることが営業担当者の評価に直結します。つまり、会社から支給される給与に大きく響き、ひいては生活にかかってくるのです。投資家として、営業担当者の提案を真剣に聞かなければ失礼にあたります。本当に購入をしてみたいと思った不動産会社であれば、投資家としても高額商品を購入するわけですし、お互いに真剣勝負になります。
上記に加えて、自身が金融機関の融資審査に通過するかどうかも重要です。不動産投資は、やってみたくても融資審査を通過できなければ始まりません。そこは営業担当者も十分わかっているので、自身の属性や金融資産の情報を開示し、いかに融資がとおるかを示すことは、営業担当者に時間を割いてもらうにあたり重要であると考えます。
融資に強く、購買力のある投資家に優良物件がまわってきます。自身が融資に通るかどうか調べたり、すでに物件を持っていて借入が多いのであれば、返済が進んだタイミングで相談するなどの工夫が必要です。仮に年収が低い、借入が多いなどの事情があるのであれば、共同担保を入れるなどでも対応できます。このようなファイナンスの知識も、良い物件を紹介されるために必要なポイントだと思います。」
1-5.不動産投資の初心者の方が最新情報を収集するにはどのような方法がありますか?
「まずは出来るだけ多くの不動産会社に会ってみるのが良いと思います。自分と馬が合う担当者の方を見つけることで、不動産の最新情報をどんどんアップデートできるようになると思います。また、不動産会社も不動産を買ってほしいので、基本的には初心者の方でも詳しく教えてくれます。」
2.良い物件を紹介してもらえる投資家の特徴を不動産投資会社にインタビュー
依田氏のインタビュー結果を踏まえたうえで、良い物件を紹介してもらえる投資家の特徴について、不動産投資会社「エイマックス」の宮地 英氏にインタビューを行いました。
株式会社エイマックス 宮地 英(みやち すぐる)氏
- 國學院大学法学部を卒業後、新卒で大手銀行系不動産会社の営業職に従事(住宅、土地、オフィスビル、店舗・収益不動産の仲介)。その後メガベンチャー不動産投資会社に入社、社内トップの実績を残す。名古屋支社の立ち上げにも参画し、月間100名以上のコンサルティングに携わる。投資用マンション販売実績日本一である天田浩平の想いに共感し、創業メンバーとして入社。現在はコンサルティング部部長として活動中。
2-1.投資家の方に信頼してもらうために不動産会社として心がけているポイントはありますか?
「物件の現地案内を行うなど、まずはできるだけ情報開示することを心がけています。これから始めて不動産投資を始める初心者の方であれば不動産投資の仕組みなど1から説明させていただき、また、ある程度の知識がある方でも重要な情報についてしっかりと開示させていただいております。
初心者・中級者以上の方にも共通してお伝えしている主な情報としては、主には下記のような点です。
- 現地案内
- 物件選定(賃料の相場調査など)
- 重要事項調査報告書
- 管理費、修繕費が上がる変動リスクなど(修繕履歴、修繕積立金の調査)
- 事故物件かどうか
- ハザードマップ
- 入居率
オーナーチェンジ物件だと視察時点の内装の状態を見ることはできませんが、現地案内をさせていただくことで物件の共用部分や建物管理の状態、物件の雰囲気などを投資家の方が自ら知る機会になります。
また、入居率については不動産会社によって算出基準が異なっているので注意したいポイントです。投資家の方の目線で見れば、あくまでも物件の賃料発生率をベースに見てるかどうか重要です。エイマックスでは、原状回復期間(入居者の入れ替え期間)も空室期間と見なして入居率を算出しています。
不動産管理についても、管理会社によっては不必要な原状回復を実施して高い修繕費用を投資家の方に請求している事案もまだ多く見られています。投資家の方が納得感を持ったうえで判断されているのであればよいと思いますが、納得感を持っていただくには多くの情報開示が必要です。
エイマックスでは、納得感を持った状態でご判断いただき、また投資家の方に信頼していただくために、できるだけ情報を開示させてことが重要であると考えています。」
2-2.検討段階で競合他社と比較しても問題ないのでしょうか?
「全く問題ありません。むしろ、どんどん他社と比較していただくケースの方がエイマックスは得意としています。他社との違いや良さを比較してもらい、エイマックスの物件の良さを知ってもらえた方がご成約につながりやすいです。他社と比較された方が、投資家の方の知識や情報も増えるため、双方にとって効率が良いと思います。
そのため、エイマックスでは全て資料をお渡ししてお持ち帰りいただいています。不動産投資会社の中には他社を警戒して投資家に資料を持ち帰らせないケースもあるのですが、これは投資家を奪われたくないといった事情により、そのような対応をされているのだと思います。」
2-3.不動産会社を比較する際に見ておきたいポイントはありますか?
「不動産会社を比較する際に見ておきたいポイントとして、具体的に大きく分けると下記の5つがあります。
- 管理(サブリースor集金代行など)
- 新築or中古のどちらを取り扱っているか
- 物件のラインナップ、エリア
- 提携金融機関
- 担当者
担当者を比較するポイントしては、宅建を持っているかどうかでまず判断されるのが良いと思います。また、月に何件販売しているのか『実績』で判断されるのも大切です。
担当者に実績があるということは投資家の方のメリットになります。たくさん物件を販売していると、家賃が上がった、下がった、何かトラブルがあったなどの経験が増えます。私も、割合としては多くないですが、家賃の滞納や値下がりなどのトラブルを経験しています。こういった経験を多くしていることで、投資家の方にも適格なアドバイスができるようになります。
また、年齢が若い担当者を避けたい投資家の方もいると思うのですが、年齢ではなく、担当者の知識や宅建の有無などで判断されていくのが良いと思います。私も新入社員時代は年齢を理由に避けられたことがありますが、しっかり知識をつけて理論武装し、投資家の方に説明できるよう心掛けていました。」
2-4.現在のトレンドとして、どのような投資家の方が増えていますか?
「サラリーマン投資家の方、経営者・個人事業主の方など、全体的に不動産投資を始められる方が増えていると思います。不動産投資に活用できる金融機関の幅も広がり、また不動産投資自体の認知が広がっていることもあり、不動産投資を検討される方は増加傾向にあると感じます。
また現在のトレンドとして、不動産投資を始める理由の部分については、『リスク分散をしたい』という方が多く見られます。株価の大幅な下落が起きたときには、資産を不動産に寄せたいという方が増えました。
逆に懸念点としてのトレンドは、『今後、金利が上昇するのでは?』という不安がある方が多くなっています。金利については上昇リスクがありますが、同時に2024年の傾向として家賃や物件価格も上昇しています。経済トレンドの一つの側面だけでなく、多角的な視点から不動産投資の是非を判断されてみるのが良いと思います。
その他、事前に不動産投資について勉強・情報収集されてから面談に来られる投資家の方が増えました。多くの不動産投資関連の記事や書籍、セミナーが提供されているので、不動産投資家の知見は上がっています。ますます、マーケティングに頼っている不動産投資会社は厳しくなってくるのだと思います。」
2-5.良い物件を紹介してもらうための投資家の心構えなどはありますか?
「まずは不動産投資会社の担当者に侮られないように、出来るだけ不動産投資の知識を身に着けておくことが大切です。悪質な不動産投資会社の場合、知識不足の投資家の方にはあまり条件の良くない物件を、知識が豊富な方には良い物件を紹介されていることが少なくありません。このような時に物件の良し悪しを判断できるよう、知識を身に着けておくことが重要です。
一方で、不必要に知識をひけらかしてしまい、担当者に対して上から目線での態度を取ってしまうと、やりづらくなってしまうと思います。投資家と担当者の相性もありますが、不動産投資のパートナーとして双方の目線を合わせ、互いを尊重できるような関係性を築くことが大切です。
不動産会社は専門知識や物件情報の提供をさせていただき、投資家の方の融資枠を使って利益を出しています。また、投資家の方は紹介された物件を運用して利益を出し、銀行は金利収入によって利益を出している、三方良しのビジネスモデルです。担当者も人間なので、自分だけの利益にのみ執着せず、このようなパートナーの利益についても理解されていると、ご相談されている担当者も良い物件を紹介しようと頑張ると思います。」
まとめ
不動産投資は、投資家一人の力だけでなく、物件情報や適格なアドバイスをくれる不動産会社の協力が不可欠です。しかし、不動産会社の中には投資家に不利な条件で販売を行うような悪質な企業も多くあるため、信頼できる会社選びが大切です。
今回は、現役の不動産投資家である依田泰典氏と、東京都内のマンション販売を手掛けるエイマックス社の宮地氏の双方にお話をうかがいました。お二人のお話で共通していたポイントは多く、「不動産投資の知識をしっかりと身に着ける」「競合他社と比較する」など、投資家側の情報収集が重要であるという点は、投資家と不動産会社のどちらの視点から見ても同じであるようです。
また、宮地氏のお話の中で「不動産投資は三方良しのビジネスモデル」であると言われており、投資家だけでなくパートナーの利益を尊重し良い関係性を築くことが大切であると語られています。実際に依田氏への「不動産会社と良い付き合いをしていくために投資家として気を付けていること」という質問では、担当者の業績や生活にも気を配りながら、投資家として真剣に担当者のお話を聞いている、と回答されていたことが印象的でした。
不動産投資をこれから始める初心者の方の多くは、不動産会社が信頼できるのかどうか不安に感じる方も多いと思います。まずは、不動産投資の情報収集を進めながら、できるだけ多くの不動産会社の話を聞いてみると良いでしょう。不動産投資の知識を身に着けながら、不動産会社との信頼関係を築き、良きパートナーとして共に資産形成を進めて行きましょう。
エイマックス
エイマックスは、資産(Asset)の最大化(MAX)を社名・理念として掲げる不動産投資会社で、東京23区の投資用マンションの仕入れ・販売を手掛けています。日本でトップの不動産販売実績(※)を有する代表の天田 浩平氏を中心に少数精鋭の営業体制できめ細やかなサービスを提供しています。(※投資用マンション部門 天田氏の個人取引実績 年間最高売上高83.9億円 年間387部屋)
エイマックスでは適正な家賃設定・賃貸管理により管理戸数711戸・入居率99.1%(2023年7月時点)という実績があり、賃料を上げても入居がつきそうな物件については賃料アップを行っています。そうした営業活動の結果、不動産投資オーナーのリピート率82%、紹介率37%(いずれも2022年1月集計)という非常に高い満足度・実績を有しています。
- 初心者向け無料セミナーを開催している不動産投資会社の比較・まとめ
- 入居率99%超・融資実績1%台など総合力が高いマンション投資会社の比較
- 新築マンション投資に強い不動産投資会社の比較・まとめ
- 頭金(自己資金)300万円以下で始められる不動産投資会社の比較・まとめ
- 頭金(自己資金)500万円以上で始められる不動産投資会社の比較・まとめ
- 頭金(自己資金)100万円以下で始められる不動産投資会社の比較・まとめ
- フルローンや低金利など融資に強い不動産投資会社の比較・まとめ
- サラリーマン・会社員に向いている不動産投資会社の比較・まとめ
- 中古マンション投資に強い不動産投資会社の比較・まとめ
- 入居率が高い(98%以上)不動産投資会社の比較・まとめ
HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム
最新記事 by HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム (全て見る)
- どこがおすすめ?初心者に人気の不動産投資セミナー7選 - 2024年10月4日
- 実家の売却で後悔しないための4つのポイントは?手順や査定の注意点も - 2024年10月3日
- 【11/9 群馬県】不動産投資・アパート経営で資産を増やす~安定した収益を実現する”決め物アパート経営”とは~ - 2024年10月1日
- 【11/9 群馬県】不動産投資・アパート経営で資産を増やす~安定した収益を実現する”決め物アパート経営”とは~ - 2024年10月1日
- 【10/12 オンライン】相談事例で見極めよう!後悔しない1R投資選択方法 - 2024年10月1日