KYCとは「Know Your Customer(顧客確認)」の略で、顧客からお金を預かる銀行は顧客の受け入れに対して明確な方針と手続きを持ち、それらの方針と手続きに沿って新規に顧客が口座開設を行う際はその顧客がどんな人物なのか、十分な身元確認を行う必要があるという指針となります。
具体的なKYCプロセスとしては、銀行で口座開設をする際の本人確認手続きが該当します。KYCの目的は架空の人物や法人が口座開設し、マネーロンダリングなどの不正利用を防ぐことにあります。
1974年にG10諸国の中央銀行総裁によって金融機関の監督における国際協力の推進を目的としてスイスのバーゼルに設置されたバーゼル銀行監督委員会は、2001年に銀行の顧客確認の手続きに関するガイダンス「Customer due diligence for banks」を公表し、銀行の顧客確認手続きにおける最低限の基準を定めました。
仮想通貨の場合、仮想通貨取引所で口座開設をする際にはパスポートや免許証などの証明写真、顔写真、両者が同時に写る写真、住所確認のためのハガキ受け取りなどのKYCプロセスが設けられていることが多く、最近ではICO(Initial Coin Offering)に参加するためのアカウント開設においてもKYCが求められるようになってきています。仮想通貨の取引は匿名性が高く、マネーロンダリングなど不正な利用が行われるリスクが高いため、健全な市場形成においてKYCは重要な役割を果たしています。
【参照サイト】銀行の顧客確認に関するガイダンス
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