ILP(Interledger Protocol:インターレジャープロトコル)は、米リップル社が2015年に提唱した、世界中の異なる台帳やネットワークをまたがる取引における決済方法の国際標準規格化プロジェクトのことを指します。「Inter(相互の)Ledger(元帳)をつなぐProtocol(手順)」という名の通り、例えばビットコインのブロックチェーンと銀行の台帳などのようにこれまで互換性がなかった異なる台帳同士の取引を即時にできるよう、決済における標準的な規格を作ろうというと取り組みです。
Interledgerは2015年にリップルのCTOであるステファン・トーマス氏とソフトウェア設計者のエヴァン・シュワルツ氏によって発明され、同年の10月に最初のホワイトペーパーが公開されました。そしてそのすぐ後にウェブの世界で使用される技術の標準化を進めている非営利団体のW3C(World Wide Web Consortium)にてILPの策定に向けたコミュニティグループが立ち上げられ、現在はW3CがILPの開発を進めています。
ILPは自身のウェブサイトの中でその役割を「The Protocol for the Internet of Value(価値のインターネットのためのプロトコル」と定義しています。ウェブの世界ではW3Cが定めたHTTPやTCP/IPといった国際標準規格により世界中で即時に情報やデータを伝達できる現在のインターネットの仕組みが実現されましたが、これと同じことを「価値」の移動において行おうとしているのがILPです。
ILPは、ビットコインをはじめとする仮想通貨のブロックチェーンネットワークや銀行など既存の金融機関のネットワーク、クレジットカード会社のネットワーク、Paypalをはじめとするモバイル決済ネットワークなど、異なるシステム上で動いている台帳をつなぎ、世界中のあらゆる決済を即時にできる仕組みづくりを目指しています。
【参照サイト】Interledger Protocol
ILPに関するニュース一覧
- 2020/5/18グーグル、ビル&メリンダ・ゲイツ財団がプロジェクト始動。開発途上国でデジタル決済の効率化狙う
- 2019/4/28リップル社がレポートを公開、2019年第1四半期のXRP市場を総括
- 2018/5/16リップル元CTOが新会社設立、インターレジャー技術でコンテンツの収益化に革命
- 2018/5/16リップル社が発表した新プロジェクト「Xpring」とは?
- 2018/3/30リップルがブロックチェーン推進コンソーシアム「ハイパーレジャー」に参画
- 2018/3/13リップル社の国際送金プロジェクト。各ソリューションが果たす役割とは
- 2018/1/19トライデントアーツ、米リップル社のILPを活用したブロックチェーン相互接続サービスを法人向けに提供開始へ
仮想通貨に関する用語集の一覧
- アトミックスワップ
- アルトコイン
- 暗号資産
- インターオペラビリティ
- ウェブウォレット
- ウォレット
- 億り人(おくりびと)
- オフチェーン
- オンチェーン
- カウンターパーティーリスク
- 仮想通貨
- 草コイン
- クロスチェーン
- 公開鍵暗号(秘密鍵・公開鍵)
- コールドウォレット
- コルレス銀行(コルレスバンク)
- コンセンサス・アルゴリズム
- サイドチェーン
- シャーディング
- デスクトップウォレット
- ティッカーシンボル(ティッカーコード)
- ナンス
- ハッシュ(値)
- パブリックチェーン
- ビットコインETF
- フィアット通貨
- プライベートチェーン
- プラズマ
- プレセール
- ブロックチェーン
- ペイメントチャネル
- ペーパーウォレット
- ホールド
- ポジショントーク
- ホットウォレット
- ボラティリティ
- ホワイトペーパー
- マイナー
- マイニング
- マルチシグ(マルチシグネチャ)
- モバイルウォレット
- ライデンネットワーク
- ライトニングネットワーク
- レイヤー2(セカンドレイヤー)
- Airdrop(エアドロップ)
- AML(Anti-Money Laundering)
- ATH(All Time High)
- CBOE(シカゴ・オプション取引所)
- CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)
- CFTC(米商品先物取引委員会)
- Coinmarketcap.com(コインマーケットキャップ)
- DApps(分散型アプリケーション)
- DAO(自律分散型組織)
- DEX(分散型取引所)
- ERC-20
- ERC-223
- ERC-721
- FATF(金融活動作業部会)
- G20
- ICO(Initial Coin Offering)
- ILP(インターレジャープロトコル)
- IMF(国際通貨基金)
- IoV(Internet of Value:価値のインターネット)
- KYC(Know Your Customer)
- OTC取引(店頭取引)
- PoI(Proof of Importance:プルーフ・オブ・インポータンス)
- PoS(Proof of Stake:プルーフ・オブ・ステーク)
- PoW(Proof of Work:プルーフ・オブ・ワーク)
- Non-Fungible Token(NFT)
- P2P(Peer to Peer:ピア・ツー・ピア)
- SCAM(スキャム)
- SEC(米国証券取引委員会)
- STO(Security Token Offering)
- Weiss Ratings(ワイスレーティングス)

HEDGE GUIDE 編集部 暗号資産・ブロックチェーンチーム

最新記事 by HEDGE GUIDE 編集部 暗号資産・ブロックチェーンチーム (全て見る)
- コーワーキングスペースWeWork元CEO、炭素取引を促進する気候技術ベンチャー設立 - 2022年5月26日
- JCBA、2023年の税制改正要望に向けてアンケートを実施へ - 2022年5月25日
- ビットバンク、デジタルアセットに特化した信託会社設立へ。三井住友トラスト・ホールディングスと基本合意書を締結 - 2022年5月25日
- コインチェック、暗号資産「SAND」の取り扱いを開始 - 2022年5月24日
- Coincheck NFT(β版)、2つの新たなNFTを取り扱い開始へ - 2022年5月23日